第2話 初デート(2)
大変長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした!
不定期更新となりますが、本日より連載を再開します!
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瀬戸崎家を出た俺と沙苗はというと、暖かい日差しを受けながら仲良く恋人繋ぎをしながら、ノンビリとした足取りで白蘭駅へと向かっていた。
「それにしても晴れて本当に良かったね、俊吾♪」
「うん、俺もそう思ったよ。
沙苗との初デートで曇りとか雨だったら、最悪の気分になっちゃうから……晴れてくれて本当に良かったよ!」
「やっぱり初デートくらいは晴れてもらわないとね♪」
そんな感じで話しながら歩いていたのだが、気付けば白蘭駅が見えていた。
ノンビリとした足取りで話していたと思ったが、自分達が思っていたよりも歩くペースは速かったようだ。
もっと沙苗と散歩デートをしていたかったのになぁ……。
「ノンビリ歩いていたハズなのに、もう白蘭駅に着いちゃうじゃないの!
まだまだノンビリと俊吾と散歩デートしてたかったのにぃ!!」
沙苗も俺と同じことを思っていたらしく、白蘭駅に対して文句を言っていた。
でもまぁ俺からすれば、文句を言っている沙苗も可愛い!と思ってしまっていたりする。
そう思っているのが顔に出ていたのか、沙苗が頬を膨らませながら俺に言う。
「何で俊吾はそんな微笑ましい表情をしながら私を見てるのよ……。
恥ずかしくなってくるじゃないの…っ!」
バシバシバシバシバシッ!
あ、完全にお顔が真っ赤に染まった。
だけど沙苗さん?恥ずかしいからといって彼氏の背中を思いっきり叩くのは止めよう!ね?
俺がそう思ったのが伝わったのか、沙苗はようやく俺の背中を叩くのを止めてくれた。
「俊吾が悪いんだからねっ!
私を辱める俊吾が…ね」
顔を真っ赤に染めながらそう言われても……説得力無いよ?
っていうか俺達、見られてるよ……。
さっさと白蘭駅の中に逃げ込もう!
「ほら沙苗、行くよ!」
そう言って沙苗の手を握った俺は、衆人観衆の目から逃げるように白蘭駅の建屋内に入る。
流石にこれ以上、顔を真っ赤に染めた沙苗を見られたくないという独占欲からなる行動だった。
衆人観衆の目から逃げ出した俺と沙苗は城西駅行きの切符を購入後、待合室で電車が来るのを待っていたのだが。
「さっきはホントに恥ずかしかったわ!
俊吾以外に見られたくない顔を見られたから余計よっ!」
ご覧の通り、現在も我が恋人はご立腹状態が続いていた。
こうなった沙苗をどうにかする術を、俺はまだ知らない。
だからどうしようかと思案しているところだ。
「はぁ~、何時までも怒っているわけにもいかないわね……」
お?沙苗の怒りが治まってきたのか?
そう思って沙苗の表情を伺ったが……まだ怒りが顔に滲み出ていらっしゃるようです。
本当にどうすれば沙苗の怒りが治まるのか……。
分かる方がいれば是非とも俺に教えて欲しいです…切実に。
「こうなったら……俊吾!」
「は、はい!?何でしょうか!?」
やばっ!思わず敬語になっちゃたじゃん!
「? 何で急に敬語になったのかは分からないけど、城西駅に着いたらアミューズメント施設に向かうわよ!」
「う、うん…分かった」
何でアミューズメント施設?
イラついてストレスが溜まったから、その発散の為?
頭の中でハテナが飛び交う。
「今日は思いっ切りアミューズメント施設で暴れまくってやるわ!」
俺の恋人……女の子が決して言ってはいけないセリフを言ってるよ。
俺と沙苗以外に待合室には誰も居なくて良かったよ。
誰にも聞かれなかったことに、俺は内心ホッとしていた。
だが俺の心情を他所に、構内アナウンスが流れ始める。
『間もなく当駅に10時00時発城西駅行きの電車が2番ホームに到着致します。
危険ですので、白線の内側までお下がり下さいますようお願い申し上げます。
繰り返しお知らせ致します。
間もなく当駅に───』
アナウンスを聞いた俺は気持ちを切り替えてから席を立つと、沙苗の手を取って立ち上がらせてから言う。
「ほら行くよ、沙苗。
電車に乗り遅れたらデート時間が減っちゃうからね!」
「う、うん……」
俺の態度が急に変わったことに着いていけてない沙苗は、しどろもどろになりながら頷く。
何だかんだ考えていたけど、初デートを一番楽しみにしていたのは俺だったのかもしれない。
そう思いながら沙苗の手を引いて2番ホームへの階段を降り、城西駅行きの電車に乗り込むのだった───
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