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第4話 俊吾のお爺様の怒りが凄まじいです!(1)

第2章、第4話目の投稿になります!

 正門前での騒動から少しして、僕達は理事長室に移動していた。

 あの場では、ゆっくりと話もすることが出来ないからである。

 それと、恫喝に怯えてしまった学園生達に配慮したお爺様が理事長権限を使って、今日のみではあるが、学食内の全ての料理を無料で提供することを宣言した。1人を除いて。

 そして、沙苗に対してお爺様が改めて自己紹介をする。


「さっきも孫から紹介されたが、改めて名乗ろうかのぅ。私立城西学園高校現理事長にして()()()()()()()()()()()()の、瀬戸崎 繁信しげのぶという。よろしくのぅ、西園寺 沙苗嬢。」


「っ!?」颯澄の顔が真っ青になっていく。


「っ!?私は、西園寺 沙苗と申します。こちらこそ、よろしくお願い致します!それと、私の名前をご存知だったのですね。」


「勿論じゃ。この城西学園に通う全ての学園生の名前を、儂は把握しておるぞ。それと、沙苗嬢が西園寺財閥グループの()()()であることも把握しておる。」


「っ!?流石、俊吾のお爺様にして瀬戸崎財閥グループの現副会長ですね。私の事情も全て把握済みということですか。」


「無論じゃとも。それよりも、だ。貴様の、儂の孫に対してのあの態度と発言はなんじゃ?」


 沙苗との会話を終えたお爺様は、青ざめた顔をしている颯澄に目を向けてから問い掛ける。


「い、いえ、あの、その………」


「声が小さい!!ハッキリと物を言わんかい!!」


「ヒィィィィッ!?」


「儂の孫とは知らなかったのか?まぁ、貴様如きが知らずとも無理はないか。この学園に通う学園生だけでなく世間一般人ですら、儂に孫がいることも知らぬであろうからな。」


 まぁ、颯澄が知らなくて当たり前だ。僕とお爺様の関係を一切、公表していないんだから。知ってるのは、家の使用人達と瀬戸崎財閥グループの重鎮のみだからなぁ。


「だが、それでもだ。知っていても知らなくても、貴様のあの発言と行動はあってはならん!!ましてや、儂の孫を貧乏人と呼ぶなどなぁ!!」


「ヒィィィィッ!?」


 これでは話にもならないと思い、僕が割り込む。


「お爺様、これでは話にもなりません。颯澄先輩は僕の名前と彼女の名前すら知らないのですから。そして、僕の正体もね。颯澄先輩が知ったことといえば、僕がお爺様の孫であること・お爺様が瀬戸崎財閥グループの現副会長であること・彼女が西園寺財閥グループの元令嬢であることのみかと。」


「あの顔を見ると、どうもそのようじゃのう。そこの貴様、儂の孫の正体を知りたいか?」


「は、はい……」


「ふむ。言ってもいいか?」


「お爺様のお好きなように。」


「相分かった。儂の隣にいる孫の名は、瀬戸崎 俊吾。この城西学園高校に通う1年生だ。そして、日本最大規模である瀬戸崎財閥グループの現会長でもある。その俊吾に貴様は……貴様はあの斯様な態度と発言をしたのだ!!!」


「……は?えっ!?」


「この意味がどういうことか、貴様には理解出来るか?」


「……どういう意味ですか?」


「まだ理解出来ぬか。まぁ、貴様如きの頭では理解出来ぬであろうな。ならば、貴様の頭でも理解出来るように言うとしようではないか。貴様のあの発言と態度はいわば、瀬戸崎財閥グループの現会長を侮辱し、舐めたということじゃ。」


「……今、初めて聞かされたことなのですよ?知らなかったから、あの発言と態度を彼にしてしまったのです。知っていたら……」


「……知っていたら、あの斯様な発言と態度を俊吾には取らなかったと?そう貴様は言うつもりか?なのであれば、竜ヶ崎財閥グループの御曹司を名乗る資格は、貴様にはない!!」


「……?どうして、そこまで言い切れるのです?」


「……貴様は一体、何を学んできたのだ?何をもってして、そのような発言をすることが出来るのだ?本当に貴様は、あの竜ヶ崎財閥グループの御曹司か?儂には理解出来ぬよ。貴様のその頭の悪さには、な。」


「なっ!?僕を侮辱してるのですか?この、竜ヶ崎財閥グループの御曹司である僕を!!」


「侮辱ではない。儂は事実のみを言ったまでのこと。」


「そうですか。僕に喧嘩を売るとは、いい度胸をしてる爺さんですね。」


「……なぁ、俊吾よ。儂は今、此奴に喧嘩を売られたのか?」


「……お爺様の仰る通りかと。(ヤバい!?お爺様が完全にブチ切れてる!?どうなっても、僕は知~らな~いっと。)」


 おい、俊吾よ。それで良いの?と、俊吾の呟きを傍で聞いていた沙苗は呆れるも、何も言わずに成り行きを静かに見守ることにする。


「何をコソコソと言ってるのですか?」


 その颯澄の言葉に対し、成り行きを黙って見ていた沙苗が呆れ気味に返答する。


「貴方はもう終わりですね。竜ヶ崎財閥グループの未来も……ね。」


「……?貴女が言っている意味が分からないが?」


「……はぁ。そこまで頭が悪いとは思いませんでしたわ。」


「貴様!!その発言はどういう意味だ!?」


「はい?どういう意味だ!?と言われてもねぇ。言葉通りの意味ですが?としか言いようがありませんね。」


 沙苗は颯澄のことを哀れんだ目で見ながら、そう返答した。

 沙苗も既に理解していたからだ。どんな理由があろうとも、瀬戸崎財閥グループを敵に回してはならない、敵に回してはいけないということを!!

 彼女は知っていた。瀬戸崎財閥グループを敵に回して、潰された家と財閥の名を。

 それが、他ならぬ沙苗のかつての実家であった西園寺家と西園寺財閥グループなのだという事を!



 だが、再び瀬戸崎財閥グループを敵に回した者がいた。その名は、竜ヶ崎 颯澄。城西学園高校2年生で風紀委員会に所属している。また、竜ヶ崎財閥グループの御曹司でもある。

 そしてまさに今、竜ヶ崎 颯澄に制裁が下されようとしていた。


 俊吾のお爺様であり瀬戸崎財閥グループ現副会長、瀬戸崎 繁信の手によって───






次話タイトル↓

第2章 沙苗との同居生活&学園生活編

第5話 俊吾のお爺様の怒りが凄まじいです!(2)

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