表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/42

第1章最終話 告白の返事。そして僕は、学年一の美少女クラスメイトとの同居生活を始める

第1章最終話の投稿になります!


この投稿で、第1章は完結となりますm(_ _)m

閑話を挟んだ後、第2章の投稿を開始します!

 学園から帰る途中で、沙苗の荷物を回収してから屋敷に帰った僕達は、屋敷で働く使用人達から挨拶を受けながら、僕の執務室へと向かうことにした。


「「俊吾様、沙苗様、お帰りなさいませ!!」」


「ただいま、皆。」


「お、お邪魔します!!」


 使用人達からの挨拶に慣れてないのか、沙苗は緊張してるようだ。傍で見ていて笑ってしまうくらいに。

 そんな沙苗に、僕は声を掛ける。


「緊張しているようだけど、大丈夫か?」


「大丈夫じゃないわよ。実家にいた時なんて、両親だけでなく使用人達からも無視されてたんだから、私。昨日は緊張するどころの騒ぎじゃなかったからね。人生で初めての経験だから。使用人から挨拶されるってこと自体がね。だから余計に緊張しちゃってるわ。」


「人生で初めての……ね。一先ず、落ち着いた場所で話したいから、僕の執務室に移動しようか。」


「分かったわ。」


「そういう事だから、遥さんは僕の執務室に2人分のミルクティーをお願いね。」


「畏まりました。直ぐにお持ちしますね!では。」


 僕の傍に控えていたメイド長の遥さんに、2人分のミルクティーを用意するよう指示を出した後、僕と沙苗は執務室に移動した。



 僕の執務室に着いたので、ドアを開けて沙苗を執務室内に招き入れる。


「さぁ、入って。此処が僕専用の執務室だよ。」


「俊吾専用の執務室まであるのね、この屋敷には!!しかも広いし。」


「別に此処までの広さは必要なかったんだけど、使用人達が張り切って改装業者を手配してさ。『俊吾様は瀬戸崎財閥グループの会長なんですから、このくらい広い執務室が必要なんです!!!』ってな感じで、あれよあれよという間に、此処までの広さになっちゃってたんだよね。家の使用人達って、僕関連のことになると暴走しちゃうんだよね。」


「それだけ、俊吾は使用人達からも好かれてるのね。私にとっては羨ましい話だわ、ほんとにね……」


「………自慢するつもりはなかったんだけど、気に障っちゃったんならごめん。配慮に欠けてたね、僕。」


「ううん、気にしないで。私の家がどうかしてたのよ……」


「……………」


 それっきり、沈黙してしまう。すると、執務室のドアをノックする音が聞こえてきてから、メイド長の遥さんがミルクティーを持ちながら入ってきた。


「失礼致します。指示されたミルクティーをお持ち致しました。」


「遥さん、ありがとう。ミルクティーはテーブルの上にお願い。」


「畏まりました。」


 そう言って、遥さんは2人分のミルクティーをテーブルの上に置いていく。プレーンクッキーと共に。


「それでは、2人で積もる話しもあるでしょうから、私はこれで失礼致します。御用の際は、内線にてお呼び下さいませ。それでは。」


 用意し終えた後、遥さんは執務室から退出していく。

 これで、執務室には僕と沙苗の2人っきりとなった。なので僕は、沙苗にソファーへ座るよう促す事にした。


「沙苗、いつまでも立っているというのもあれだから、座ろっか。」


「うん。それにしても、2人っきりだから緊張しちゃうね……」


「……だね。」


「…………」「…………」


 お互い、ソファーに腰を下ろしてからというもの、再び沈黙の時が流れる。

 このままではマズイと思った僕は、沈黙を破るべく沙苗に話し掛ける。


「率直に聞くけど、沙苗は今後どうしたいと思ってるの?」


「……俊吾がいいよって言ってくれるのなら、私をこの屋敷に住まわせて欲しい!!って、思ってるんだけど……ダメ、かな?実家との絶縁を宣言した以上、此処を追い出されたらもう住む場所がないの!!かと言って、あの人達がいる家には二度と戻りたくもない!!道具扱いされる人生なんて……もう私には耐えられないの!!だから俊吾、私を俊吾の家に住まわせて下さい!!お願いします!!」


 そう言って僕に頭を下げる沙苗。沙苗の真剣な気持ちがひしひしと感じる。それだけ切羽詰まっているということの現れでもある。

 そんな沙苗に対し、僕も真剣に返事を返す。今朝の告白の返事分を含めて。


「……あんな扱いされる家に戻りたくないのは当然の話だよね。僕が沙苗の立場だったとしても、戻りたくないって思ってるもん。それに沙苗は、16年間で負った心の傷を癒す場所が必要なのも事実。だから瀬戸崎家の主として僕は、沙苗がこの屋敷に住むことを許可します。それともう一つ。今朝、沙苗が僕に告白してきた返事を、今からするね。」


 そこで言葉を一旦切って、ミルクティーを一口飲んで、心を落ち着かせる。

 そして僕は言う。


「僕は、西園寺 沙苗さん───貴女とは付き合えません。」


「……そうなんじゃないかなぁって、薄々は分かっていたつもりだったけど、面と向かって断られると……やっぱり……辛い……よ……」


「…………」


「こんなに俊吾のことを想っているのに……俊吾に私の想いは届いてなかったん……だね………う……うわぁぁぁぁぁぁん!!」


 僕の返事を聞いて、堪えきれなくて泣き出してしまう沙苗。

 そんな彼女を僕は、ソファーから立ち上がって近付いていき、正面から抱きしめる。


「え……しゅん……ご? え……どうして?」


 僕の突然の行動に驚いた沙苗は、泣き顔で僕の顔を見つめてくる。

 そして沙苗を抱きしめたまま、僕は呟く。


「沙苗が僕のことを好きでいてくれたこと、そして告白してくれたこと、僕は正直言って嬉しかったし心臓もバクバク状態だったよ?でもさ、僕と沙苗はまだ出逢ってからの時間が短いよね?お互いの事をまだ知らないよね?そんな状態で沙苗と付き合ってもさ、意味はないんじゃないかなって思ったわけ。だから、沙苗の告白を断りました。」


 それから一呼吸置いてから、僕は言う、


「なので───お友達から始めさせて下さい!」と。


 それに対して沙苗の返事が、


「はいっ!!」と、泣き笑いながら。

 だが、ニヤリと笑った沙苗が続けて、


「告白は断られちゃったけど、俊吾の返事を聞いて、まだ私は俊吾のことを諦めなくてもいいんだ!!って思ったの!!この屋敷に住む許可も得たことだし、ね!!絶対、俊吾を私に惚れさせて見せるんだから!!なので、これからは場所問わずに俊吾に抱き着いて猛アタック&猛アピールするから───覚悟してね♪」と。


 それを聞いてた僕は思った。沙苗に落とされるのも時間の問題だと。

 こうして僕は、学年一の美少女クラスメイトの西園寺 沙苗との同居生活をスタートさせるのであった────








次話タイトル↓

第1章 学年一の美少女クラスメイトとの同居生活開始編

閑話 第1章終了時での登場人物プロフィール紹介他

ここまでのご愛読、ありがとうございましたm(_ _)m

引き続き、この作品を読んでいただけたらなと思います。


誤字・脱字がありましたら、報告して下さると助かります!


この小説の続きが読みたい!続きが気になる!という方は、評価・ブックマークをよろしくお願い致しますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ