第1章最終話 告白の返事。そして僕は、学年一の美少女クラスメイトとの同居生活を始める
第1章最終話の投稿になります!
この投稿で、第1章は完結となりますm(_ _)m
閑話を挟んだ後、第2章の投稿を開始します!
学園から帰る途中で、沙苗の荷物を回収してから屋敷に帰った僕達は、屋敷で働く使用人達から挨拶を受けながら、僕の執務室へと向かうことにした。
「「俊吾様、沙苗様、お帰りなさいませ!!」」
「ただいま、皆。」
「お、お邪魔します!!」
使用人達からの挨拶に慣れてないのか、沙苗は緊張してるようだ。傍で見ていて笑ってしまうくらいに。
そんな沙苗に、僕は声を掛ける。
「緊張しているようだけど、大丈夫か?」
「大丈夫じゃないわよ。実家にいた時なんて、両親だけでなく使用人達からも無視されてたんだから、私。昨日は緊張するどころの騒ぎじゃなかったからね。人生で初めての経験だから。使用人から挨拶されるってこと自体がね。だから余計に緊張しちゃってるわ。」
「人生で初めての……ね。一先ず、落ち着いた場所で話したいから、僕の執務室に移動しようか。」
「分かったわ。」
「そういう事だから、遥さんは僕の執務室に2人分のミルクティーをお願いね。」
「畏まりました。直ぐにお持ちしますね!では。」
僕の傍に控えていたメイド長の遥さんに、2人分のミルクティーを用意するよう指示を出した後、僕と沙苗は執務室に移動した。
僕の執務室に着いたので、ドアを開けて沙苗を執務室内に招き入れる。
「さぁ、入って。此処が僕専用の執務室だよ。」
「俊吾専用の執務室まであるのね、この屋敷には!!しかも広いし。」
「別に此処までの広さは必要なかったんだけど、使用人達が張り切って改装業者を手配してさ。『俊吾様は瀬戸崎財閥グループの会長なんですから、このくらい広い執務室が必要なんです!!!』ってな感じで、あれよあれよという間に、此処までの広さになっちゃってたんだよね。家の使用人達って、僕関連のことになると暴走しちゃうんだよね。」
「それだけ、俊吾は使用人達からも好かれてるのね。私にとっては羨ましい話だわ、ほんとにね……」
「………自慢するつもりはなかったんだけど、気に障っちゃったんならごめん。配慮に欠けてたね、僕。」
「ううん、気にしないで。私の家がどうかしてたのよ……」
「……………」
それっきり、沈黙してしまう。すると、執務室のドアをノックする音が聞こえてきてから、メイド長の遥さんがミルクティーを持ちながら入ってきた。
「失礼致します。指示されたミルクティーをお持ち致しました。」
「遥さん、ありがとう。ミルクティーはテーブルの上にお願い。」
「畏まりました。」
そう言って、遥さんは2人分のミルクティーをテーブルの上に置いていく。プレーンクッキーと共に。
「それでは、2人で積もる話しもあるでしょうから、私はこれで失礼致します。御用の際は、内線にてお呼び下さいませ。それでは。」
用意し終えた後、遥さんは執務室から退出していく。
これで、執務室には僕と沙苗の2人っきりとなった。なので僕は、沙苗にソファーへ座るよう促す事にした。
「沙苗、いつまでも立っているというのもあれだから、座ろっか。」
「うん。それにしても、2人っきりだから緊張しちゃうね……」
「……だね。」
「…………」「…………」
お互い、ソファーに腰を下ろしてからというもの、再び沈黙の時が流れる。
このままではマズイと思った僕は、沈黙を破るべく沙苗に話し掛ける。
「率直に聞くけど、沙苗は今後どうしたいと思ってるの?」
「……俊吾がいいよって言ってくれるのなら、私をこの屋敷に住まわせて欲しい!!って、思ってるんだけど……ダメ、かな?実家との絶縁を宣言した以上、此処を追い出されたらもう住む場所がないの!!かと言って、あの人達がいる家には二度と戻りたくもない!!道具扱いされる人生なんて……もう私には耐えられないの!!だから俊吾、私を俊吾の家に住まわせて下さい!!お願いします!!」
そう言って僕に頭を下げる沙苗。沙苗の真剣な気持ちがひしひしと感じる。それだけ切羽詰まっているということの現れでもある。
そんな沙苗に対し、僕も真剣に返事を返す。今朝の告白の返事分を含めて。
「……あんな扱いされる家に戻りたくないのは当然の話だよね。僕が沙苗の立場だったとしても、戻りたくないって思ってるもん。それに沙苗は、16年間で負った心の傷を癒す場所が必要なのも事実。だから瀬戸崎家の主として僕は、沙苗がこの屋敷に住むことを許可します。それともう一つ。今朝、沙苗が僕に告白してきた返事を、今からするね。」
そこで言葉を一旦切って、ミルクティーを一口飲んで、心を落ち着かせる。
そして僕は言う。
「僕は、西園寺 沙苗さん───貴女とは付き合えません。」
「……そうなんじゃないかなぁって、薄々は分かっていたつもりだったけど、面と向かって断られると……やっぱり……辛い……よ……」
「…………」
「こんなに俊吾のことを想っているのに……俊吾に私の想いは届いてなかったん……だね………う……うわぁぁぁぁぁぁん!!」
僕の返事を聞いて、堪えきれなくて泣き出してしまう沙苗。
そんな彼女を僕は、ソファーから立ち上がって近付いていき、正面から抱きしめる。
「え……しゅん……ご? え……どうして?」
僕の突然の行動に驚いた沙苗は、泣き顔で僕の顔を見つめてくる。
そして沙苗を抱きしめたまま、僕は呟く。
「沙苗が僕のことを好きでいてくれたこと、そして告白してくれたこと、僕は正直言って嬉しかったし心臓もバクバク状態だったよ?でもさ、僕と沙苗はまだ出逢ってからの時間が短いよね?お互いの事をまだ知らないよね?そんな状態で沙苗と付き合ってもさ、意味はないんじゃないかなって思ったわけ。だから、沙苗の告白を断りました。」
それから一呼吸置いてから、僕は言う、
「なので───お友達から始めさせて下さい!」と。
それに対して沙苗の返事が、
「はいっ!!」と、泣き笑いながら。
だが、ニヤリと笑った沙苗が続けて、
「告白は断られちゃったけど、俊吾の返事を聞いて、まだ私は俊吾のことを諦めなくてもいいんだ!!って思ったの!!この屋敷に住む許可も得たことだし、ね!!絶対、俊吾を私に惚れさせて見せるんだから!!なので、これからは場所問わずに俊吾に抱き着いて猛アタック&猛アピールするから───覚悟してね♪」と。
それを聞いてた僕は思った。沙苗に落とされるのも時間の問題だと。
こうして僕は、学年一の美少女クラスメイトの西園寺 沙苗との同居生活をスタートさせるのであった────
次話タイトル↓
第1章 学年一の美少女クラスメイトとの同居生活開始編
閑話 第1章終了時での登場人物プロフィール紹介他
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