蹂躙
「大丈夫ですか❗」
「は、はい…」
声と背の高さからその人は男の人のようです。
その声を聞いたら急に安心してきました。
初対面のはずなのに、その声を私は聞いたことがあるように感じました。
それと同時に私に彼の羽織っていた外套を投げ渡してくれました。
私はそれで体を覆い隠しました。
「ありがとう…」
「はい…後、もう少しだけ待っていてください❗すぐに終わらせますから…」
『ひっ…』
感謝の言葉を言った私に対して、そう返答した外套を取った彼を見た、盗賊達は短く悲鳴をあげました。
それは、こちらからでは彼の顔は見えませんが、見えている頭や首は人間の皮膚ではない感じで、皮膚の色は赤黒かったのです。
そんな彼を見た盗賊達の顔は、どんどん青ざめていきます。
そして私の方は、彼を見て心が温かくなると同時に、悲しくなっていきました。
初めてあったはずなのに、何故こんなに心が動かされるのか分からなくなりました。
そんな事を考えていたら、彼が剣を構えました。その剣は彼とは対をなすような色で白銀の綺麗な剣でした。
そして彼は、そのまま盗賊達の方へ突っ込んで行きました。
そこからは戦闘と呼べるものでありませんでした。
―ぐは~…―
―く、来るな~❗ギャ~❗…―
―ゴ、ゴボ…~―
彼は、盗賊の体を上下に別れさせたり、首を飛ばしたりしながら切り殺していきます。
盗賊達は、そんな彼になすすべなく悲鳴を上げながら切り殺されていきます。
そんな時、彼の後ろから盗賊の一人が剣を降り下ろそうとしていました。
「あ、危ない❗」
それを見た私は叫びましたが、遅く、
「この化け物が~❗」
盗賊はそう叫びながら剣を降り下ろします。そして、その剣が彼に当たりそうになった時でした…
「『レイ』…」
そう彼が呟いたと同時に光線が盗賊にあたり、盗賊の剣は柄だけ残し溶け消え、そして、その盗賊の顔は無くなっていました。
どうやら彼は光魔法が使え、先ほどのは光魔法の中にある『レイ』と言う技でしょう。
そこからは危ない場面はなく、1人を残して盗賊達に生き残りは居なくなりました。




