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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第2章 機動戦士ツチノコ
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ガルス攻略戦

年末年始で完全に体調を崩してしまいました・・・orz





昼過ぎに再び崖向うの森にやって来た村長ランドルド、門番ポルティエ、エルフ剣士ボルドウィン。ツチノコ謹製簡易ハウスまでやって来た。午前中に狩ったせいか、ここまではガルスガルスを見つけることもなく手ぶらだった。簡易ハウスで止まるボルドウィン。しばらく待っていると遅れて二人も到着。


「ボルドウィン殿、これは一体?」

「これは私の従魔が作った拠点だ。ここを目印にして動いていこう。ここから大きな岩場が西にある。そこでマウンテンディアの血抜きをしている。スネークの知り合いのゴブリンに見張っててもらっているから他の獣に横取りされることはないだろう。彼らには肉以外の素材を与えることになっているが、二人とも了承してくれ」

「そりゃ構わんがね。それにしてもいつの間にこんなもんを作ったのか・・・」

「我らが村を出たらあなたたちで拠点とするといい」

「そうだな!黒色土の森は気の休まるところがないんでこういうところは助かるな、ランドルド!」

「それでどうするね?ガルスガルスを狩りに行くか?」

「そうだな、まずはマウンテンディアを解体しに行くか。そのあと余裕があればガルスガルスの巣を探したい」

「ガルスガルスの巣か・・・見つかるかな?」

「雄鶏が沢山いるから牝鶏もそこそこいるんじゃないか?見つけられるかどうかはわからんが」

「スネークのやつが、卵があれば料理の幅が広がるといっていたのだ。牝鶏は生きたまま捕獲する」

村長とポルティエ、首をかしげる。

「狩るのでさえ難しいのに捕獲なんてできるのか?」

「ああ、その手の薬草を持っているからな。それじゃあ、休憩はもういいか?」

「ああ、もういいぞ」

「オレ、のど渇いた!」

「岩場のところで水が湧いている。そこに行けば水が飲める。もうちょっとだ」

再び、三人、森の中に飛び込んでいった・・・



一方その頃。崖下の川沿いを遡行そこうしていく若手門番二人組、ヴァッへ君とヴェヒター君。


「あー腹減ったなぁ。ヴェヒター、お前食うもんとか持ってきてないの?」

「自分用に黒パン持ってきた。お前携帯食も持ってこなかったのか?それで1日動けるのかよぅ?」

「オレ、朝飯も食わずに村長さんのところに行ったからなぁ・・・あ、なんかイモを貰ったけど、あれうまかったな」

「なんだよぅ、村長さんのところでそんないいもんもらってたのかよぅ」

「朝食べさせられてそれっきりだからな!それより黒パンくれよ!」

「オレに内緒でいいもん食べて・・・それじゃやれないよぅ!水でも飲んでろよぅ!」

「水だけじゃ動けないだろうが!」

「持ってこない方が悪いんじゃねーかよぅ!ホントに勝つ気あんの?考えなしはこれだから困るんだよぅ!村長さんからいつも言われてるだろ?ちょっと先ぐらい考えろって!」

文句言いながら黒パン半分あげるヴェヒター君。

「あんがとよ。しかし、昼になったけどまだつかねーな・・・滝越えしないといけないし・・・」

「日が暮れる前に戻ってこないといけないんだろ?急がないと鳥見つける前に帰ることになるんだよぅ!早く滝越えするべさ」


もそもそ黒パンをかじりながら滝越えする二人であった・・・

滝を越えるとようやく黒色土の森、の入り口に入る。ここはツチノコ・スネークが桃その他食料になるものを植えた場所になるのだが、そんなことはつゆ知らず、水の流れに沿って森の中に入っていくのであった。

「ここから森の中だけど、気配を殺しながら行くぞ!」

「そんなこと言って、全然できてないじゃんかよう!息は荒いし、枝踏んづけて音鳴りまくりだよぅ!」


コェーーーーーーーー!・・・・・バササササササァ!・・・コェーーーー!ガサガサガサガサ!ブルルルルルルルルルゥ!!ザザザザーーーーーッ・・・


「逃げたな・・・近くにいたのに・・・お前が大声出すから・・・」

「あれだけ音鳴らしてたらそりゃ逃げるよぅ!でも、ガルス以外にも気配がするんだな!」

「え?そうだったか?」

「んもうぅ!気づかなかったのかよう!足元付近に獣がいるよう!もう逃げたみたいだけどよぅ!」

「これからは静かに移動しなきゃだな!」

「ちょっと待って!渓流の水の色が変わってるよ!」


目敏めざといヴェヒター君、水の色に気づいたようだ。当然のことながら、これはもう少し上流でマウンテンディアを血抜きしたときに出てきた血の色だった・・・そこにいるのはゴブリン一匹。その者は遠くで呼ぶ声を聞いた。


「ゴブジ殿はおられるかー!戻って来たぞ!」


ゴブリン流挨拶、両手を握って一礼をする。そこに来たのはエルフ一人と基本人族二人。


「おおお・・・ホントにマウンテンディアだ!おらぁフォレストディアと勘違いしてるとばっかり思ってた!」

「ワシはそんなこと思っとらんぞ!しかしこんなにでかいとは!その名の通り山のようにでかいな!」

「村長殿、ポルティエ殿。これがスネークの知り合いのゴブリンで、名前はゴブジというらしい。他にもゴブリンがいて村を形成しているそうだ。スネークからは人とはもめ事を熾さないように言われているようだから、こちらから敵意を向けない限りは危険はないそうだ」

「あ、お前桃の木に案内してくれたゴブリンだな!あんときは世話になったな。お前、リーダーだったのか」


エルフさんは脳内でスネークに連絡。スネークを通じて意思疎通をしている。


「それでは、先ほど言った通りに解体をしよう。こちらはニクを持っていくから、あとはそちらに見張り代ということで」


ゴブジ、コクコク頷く。


「解体するのに獲物を吊るしたいんだが、どうするかね?」


村長がエルフさんに尋ねます。


「獲物が大きいだけに解体も一苦労だな・・・どうやって木までもっていく?」


エルフさん、何やら小声でぼそぼそ独り言を言ってます・・・そのつぶやきに反応するようにゴブリンさんもぼそぼそとつぶやいてます。と、ゴブリンさん突然の雄叫おたけび!


「なんやー!」「なんだなんだ?どうした?」

「ゴブリンが仲間を呼んだそうだ!結界を使えるやつがいるから、そいつの力を使うといってる」

「ゴブリンに結界師がいるのか・・・初めて聞いたな・・・」

「そうだな、魔法使いは聞いたことはあるが・・・」

「ゴブリンの中でも優秀な奴はいるものだな」

「スネークのやつが、結界使いのゴブリンをカイジと名付けたそうだ」


パパラパッパパパパパ~ンと音がしたと思ったら、仲間のゴブリン・・・カイジといったか、何やらゴブジからひそひそ耳打ちされると、マウンテンディアを逆さにつるし上げた。


「何が起きてるんだ?」

「ゴブリンの結界を使って足を持ち上げたらしい・・・これで作業しやすくなったな!それじゃあ解体するか!」


持ち上げた場所にはまだ血が落ちているが渓流なので全部流れ落ちていく。特に魔物や血を好む獣がやってくる心配はしなくてもよいようだ。まずは内臓を落として・・・落とした内臓はゴブジとカイジが内臓を集めるといずこかへ持って行った・・・アレも貴重な食料になるんだそうだ。なるほど。


「お二人には解体の続きをお願いしてもよいか?私はガルスガルスを狩ってきたいのだが」

「あんだけ狩っといて、まだ狩る必要があるかい?」

「牝鶏を生け捕りにしようと思うのだ。卵があればついでに回収する」

「そう言えばあんたの従魔、卵を欲しがってたもんな!やっぱりヘビの好物は卵なんかな?」

「あいつの好物は木の実とキノコと聞いたのだが・・・卵は料理に使うと言ってたぞ」

「わかった。行ってきてくれ。解体が終わったらニクは例の簡易ハウスとやらに運んでおく」

「毛皮やひづめ、頭はゴブリンたちの報酬として与えてくれ!ゴブリンが戻ってこなかったらそこにおいておけばよいだろう。それでは行ってくる!」


エルフさん、渓流の上流部へと向かっていった・・・


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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