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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第2章 機動戦士ツチノコ
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小さな防衛戦



「ぐふぅぃ・・・いきなりは止めて~」


“予告したら鍛錬にならんだろうが!貴様は最強の相撲エルフとなるのだ!”


「なんですかぁ、相撲エルフって~あんまりなりたくない気がぁ・・・しますよぅ」


“相撲エルフ!それは通常のエルフとは異なり、己自身の体を武器にして戦う武士もののふのことだ!最強になったあかつきには貴様に横綱よこづなの名誉を与える!”


「ヨコヅナ・・・よこつなって意味かなぁ?よくわかりませーん」


“横綱!それは人・・・エルフから神になる存在!貴様は神として崇め奉られる存在になるのだ!”


「いやぁ・・・崇め奉られなくっても・・・いいですぅ」


“相撲エルフになるとオニクたくさん食べられるよ!”


「なりますぅ!相撲エルフになりますぅ!」


ウム!簡単に引っかかった!欲望に忠実な子は簡単ですな!


“お、おい!スネークよ!簡単にニクたくさん食べられるっていうけどな?”

“え?ボルちゃんはエマちゃんを鍛えたいんだろ?そしたらオニクぐらいたっぷり食わせればいいんでないかい?何だか素質ありそうだし!”

“そ、そうかな?それではスネークにバウアーを鍛えるのを任せていいか?”

“我に任せてくれれば、立派な相撲エルフにしてみせましょう!”

“相撲エルフというのがよくわからないのだが・・・”

“相撲エルフ・・・それはおのが肉体のみを武器として闘う、戦の申し子!”

“よ、よくはわからないがすごそうだな!”


こうして相撲部屋{ヘビの山}に、エマ・バウアー新兵は入門したのだった。新兵は新弟子になった。


「ところで皆さんは何をされているのですかぁ?」

「ああ、お助けイモの皮剥き、終わったら細かく刻む作業が待っているそうだ。詳しくはスネークに聞いてくれ」


“よし、バウアー山!新弟子になったからにはきちんと料理ができなければいけない!まずはお助けイモの皮むきだ!終わったらみじん切りな!”


「新弟子って何ですかぁ?」


“相撲部屋に新しく入ったら、まずは新弟子になるのだ!料理の後は稽古だ!稽古が終わったらニクだ!”


「わ~オニクですかぁ!あたしがんばる!」

「エ、エマさん?なんか騙されてませんか?」


“何もだましてなどいない!”


「あ、そうですか・・・」


相撲エルフはこうして相撲部屋のしきたりに慣れていくのであった・・・




そうこうしている間にナイフと板を取りに帰った奥様連中が戻って来た。まだまだお助けイモはたくさんあります。奥様連中には10個のお助けイモの皮を剥いてもらいましょう。あとは・・・新しいかどうか知らんから確認する。


“ハンナちゃんハンナちゃん、村長の奥さんに、食べる用の油があるかどうか聞いてみてくれる?”

“食べる用の油ですか?油を食べるのですか?”

“油を料理には使わんのけ?”

“香付けに微小豆の種をすりつぶした時に出る油を完成した料理につけることはありますが・・・”

“微小豆・・・?”

“これです!”


ハンナちゃんがいつものポーチから出してきたのは、また竹筒・・・竹筒に保存するの好きなのね。もしかして容れ物とかがない世界かな?ハンナちゃんが竹筒のフタを取って取り出したのはゴマだった・・・そうか、確かに微小種ですな。我、微小種に微笑する・・・


“しょうがない、これでは量が足りないから、丸豆をもろてくれ!”


「・・・もろてくれ!とスネークちゃんが言ってますが・・・いただいても?」

「丸豆ならたくさんあるのでどうぞ!どうぞ!」


押すなよ!押すなよ!じゃないんです!たぶん、あれを使えばいいはずや・・・





若奥様が丸豆袋ごと持ってきた。我、鍋にいっぱい丸豆入れてもらう・・・そして


“金魔法Lv.1”

“ン デデデデーン”

ン?また変な音が聞こえる・・・


“なにをどうされますか?”


あ、あいまいな質問だ!丸豆から油を分離したいんだけど・・・


”金魔法”Lv.1抽出“


“テ・テ・テ・テーン“


音楽とともに油が豆から出てきた。


「こ、この魔法は・・・?」

“金魔法やで!”

「金魔法・・・初耳です!何ですかその魔法は!!くわしく!!!くわしくおにゃしゃす!!!!」

“待て待てーーーーぃ!魔法の話は後や!まずは丸豆の油を油粕と分離してくれ!油粕も栄養があるから、

家畜にでもあげてくれ!”


ここで幼女エルフのなぜなに攻撃を封じたのだった。我、防衛に成功す!



「あの~~スネーク先生・・・これは何でしょうか?」


これは丸豆に含まれている油です。すりつぶして絞れば魔法を使わなくても出てきます。油を搾ったカスも食べられますが、家畜にあげた方がよろしいでしょう。肥料として土に混ぜてもよろしいですよ。油は瓶に入れてとっておくといいでしょう。古くなった油は健康に悪いので使わない方がよろしいです。


「・・・よろしいです、というお話です」





我、鍋一杯の油を用意した。



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