激闘はうま味深く
料理の回なのですが、なかなか料理が始まりません・・・
「戻ってきました。それではスネークちゃんにお料理していただきましょう!本日の先生はスネークちゃんです。生徒は、私ヴィンデルバンドと、村長の奥様アデーレさん、娘さんのアデリナさん、お孫さんのアーダちゃんです」
あれ?エマさんは?
「エマさんはまだ寝ておられます。しばらくしたら起きて力仕事をされますのでご安心を」
エマちゃん、なにをやっとるんだ・・・そして我、何をやってるんだ?
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「スネークちゃんは料理をやるのです!私が手足となりますから、スネークちゃんは私の頭に乗って、指示をしてください!」
ハイ!それでは最初になること!おててを洗いましょう!
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なに、この間は?
「まずは手を洗うそうです・・・」
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「あの~、従魔さん?どうして料理をする前に手を洗わないといけないのですか?」
ホワッ?なんですと?料理の前に手を洗わないのかい!
“おててには口に入れてはいけない物がたくさんついているのです!なので料理する前にはおててを洗う必要があるのです!”
「・・・だそうです」
「何も見えませんが?」
“世の中には見えないものがあるのです!あなた方には魔力が見えますか?見えないでしょう?見えなくても魔力はあるのです!それと同じです!”
「・・・だそうです」
ハンナちゃんがいちいち通訳に入ります^^。それと、喋りながら片手にメモとってます。やはり体は子供、頭脳は大人の名探偵ハンナ!恐ろしいコ・・・
無理やり納得してもらい全員に手を洗ってもらう。そう言えば、ここは水はどうしてるん?え?井戸まで汲みに行く?汲んだら台所の水瓶にためておく?今日はその作業はやりません!なぜならば、我が水魔法を使うから・・・あ!我の水魔法、見せていいのかな?まあいいか?
「と、いうわけで、スネークちゃんが出したお水がこちらです!飲んでみてください!」
我が水魔法で鍋に入れた水を、ハンナちゃんが飲んで見せます・・・基本人族のうち、ちゃんと飲んでくれるのはアーダちゃんだけですな。やはりヘビがゲロした水は飲めませんか・・・
「ママ、おばあちゃん、この水おいしいよ!」
子供は先入観がない分、なんでもできますなぁ・・・我の魔法水は使わない方がいいか。
「無理をなさることはないですよ、スネークちゃんもそう言ってるし」
「ごめんなさいねぇ、せっかく出してくれたんだけど・・・」
「出してるところをみちゃうとねぇ」
了解了解。それじゃあ瓶の水を使いますか。あとは、奥様方、調味料を見せてもらっても?
え?油と塩だけ?油は何油?よくわからない?そうですか・・・香辛料は使わないのですか・・・その前に、ここの人たちは普段何を食べているのでしょう?
「いつもはロッゲンブロットかガレットにバターをつけて少しの野菜、川魚がたくさん獲れたりすると保
存しておきます・・・オニクは、昨日今日みたいにたまに狩れたりすると皆で分けますね」
ロッゲンブロット・・・黒麦パンのことですかね?野菜はどんなんがありんすか?
「丸根に丸菜、丸種、赤根に白根、長根、緑茎・・・」
OK、形と色で野菜の名前を付けているのね!うん、昨日料理したやつ見せてもらえる?
ふむふむ、ニンジンらしきものやタマネギのようなものがありますな!これにお助けイモが加わるとシチューとしてはほぼ完成ですな!あとはオニクをなに使うか・・・やはり昨日の残りのボア肉か・・・と、その前に
「調理道具を見せてもらっても?」
出てきたのは、ナイフと石板、木製お玉とフォーク?、かまどが二つ・・・鍋は大きいの二つと小さいのが五つ・・・フライパンはないんかい!
「スネークちゃん、フライパンってなに?」
ゲゲッ!そこからでした!この世界、料理方法は煮るか焼くしかないのかな?
「基本人族さんは生で食べるということがありますが、基本的には二つしかありませんが、それ以外にも料理方法があるのですか?おせーて!おせーて下さい!!」
目をキラキラさせながらなぜなに幼女がぐいぐい聞いてくる。えー、料理は自炊ぐらいはできますが、そんな本格的なことはやったことない・・・我の知ってる方法は、①焼く、②煮る、③揚げる、④蒸すぐらいですよ・・・あ、それでもこっちの倍はあるか!
“えーっと、我がほかに知ってるのは揚げる、と蒸す。揚げるは、油を使って加熱することで、蒸すは、は水蒸気を使って加熱すること。今日はまだ使わない”
「それで本日はどのような料理を?」
“ヤギの乳とバターがあるのなら、ホワイトソースを作りましょう。小麦の粉なんかは・・・ないよね?“
「黒麦の粉ならありますが?」
そうでしょうね!それか蕎麦粉ですもんね!蕎麦粉は蕎麦掻しかわからんから黒麦粉を使いますか・・・それにしてもフライパンがないと不便ですなぁ・・・
「先ほども聞きましたが、フライパンとはどのようなものでしょうか?」
ああ、そうだった!そこからでしたね!フライパンは直径30㎝(それくらいがここのかまどにちょうどいい)くらいで、平底の鍋のことですわな!料理するときに使いやすいように握り手がついています。
「握り手があるとどう便利になるんですか?」
若奥様も興味を持ったようだ。
”握り手があると、食材を加熱するときに食材を動かして熱が食材に均等に伝わる効果があります。片手で鍋を持つ間、もう一方の手に食材をひっくり返す用の器具があればもっと簡単になりますよ!“
ホントかよ?適当なことを言う我!
「お母さん、鍛冶屋のスミスさんに作ってもらいましょうよ!試しに家で使ってみてよかったらみんなにおしえればいいんじゃない?ええと、スネーク先生?名前は何と言うんでしたっけ?」
”フライパンです。フライというのは油で揚げる料理方法の名前ですよ。パンはそこの平らな鍋・・・あと
ターナーというのがもう片方の手に持つ器具です。ひっくり返すもの、という意味です“