門番(若手)、特攻!
「ヴァッへか・・・どいつもこいつも、騒がしいのう!お前、朝飯は食ったか?」
「そんなもん1回ぐらい食わなくてもなんともないです!それより、エルフの剣士さんよ、俺と勝負してくれるって話だったよな!」
ボルちゃん、どうする?
「ヴァッへ殿、昨晩の話を覚えているか?貴殿が勝負しろ!と言ったことは覚えているが、私はまだ返事をしていなかったな。剣での勝負となると、私は貴殿がどのくらいの腕前かわからないので、怪我をさせてしまうかもしれない。そうすれば、私達はここに居づらくなる・・・と、言ってもあと2,3日でここを発つのだがな」
「怪我が怖くて勝負できるかよ!」
「やれやれ、お前のせっかちはかわらんのう・・・そんな節穴の目では相手の力を見抜けぬじゃろうなぁ・・・そして相手にしてやられるのが、落ち!落ちじゃ!ヴァッへよ、まずは朝飯を食え!話はそれからじゃ」
「村長!そうやって昨日も話を誤魔化してましたよね!今日はそうはいきませんよ!」
門番(若手)、特攻してきた!
お話の途中で、空気を読まない、いや読めない人が一人・・・
「はい、お兄ちゃん、これ食べてー!」
アーダちゃんでした^^。お皿にホカホカのお助けイモが!十字に切られたその中央には、白い固形物!バターさんが鎮座しておられる。不意を突かれたヴァッへ君、お皿を受け取り、特攻、あえなく撃沈!
「スネークさーーーん!ふぁふふぁふ!なんですかこれーー!ふぉうふぉう!オニク以外でこんなにおいしいと思ったの、ふぉごふぉごごっくん!はじめてかも~!あぁ幸せ~!」
相撲エルフがふぉごふぉご言いながらジャガバタを食らっておるわ!
どらどら我も食べたい・・・あ、アーダちゃんがやってきてお皿を置いてくれた、ありがとう、アーダちゃん、いいコです^^。どれどれ、舌でペロペロ・・・
あっちー!蛇舌では、ほくほくのジャガバタが食べられないではないか!
ピコーン!
我、ひらめいた!そうだよ、我には風魔法があるではないか!
“風魔法Lv.1微風”
我の目の前のジャガの湯気が我と反対の方向にぶふぁーと動いた。これで少しは冷めたかな?しかし、我の魔法を見逃さない者が一人・・・
“スネークちゃん、今のは風魔法ですよね?”
バ、バレター><!幼女エルフにばれてしまった。いや、しらばっくれるんだ!
“なんのことですかな?我はジャガバタが熱いのでフーフー吹いてただけですが?”
“そうですか?何か魔力が使われるのを感じたのですが?それも気になりますが、今、この料理をジャガバタと言ってましたね?前に食べたことがあるのですか?”
うわぁ・・・めんどくせー!そんなことまで気にするのか!
“ジャガバタってハンナちゃんは知ってるのけ?”
”前に”勇者関連の文献を読んだときに、勇者が好んだ料理だった・・・と記憶しています“
おおーーーー、もしかして、勇者さんも転生してきた人?いや、転移かも知らんね!
“前に食べさせてもらったことがありんすので”
嘘ではない!前世で食べさせてもらったことがあるのだよ、フハハハハ!我、勝者なり!はぁ~
“言葉遣いが変なので何か誤魔化していることはわかりました。言いたくないことかもしれませんのでそれ以上は追及しません。それはいいのですが、この料理はとてもおいしいですね。我らエルフ族でも取り入れるべきだと思います。あとでレポートにして隊長に出しておきますね”
あ、はい。そうしてください。
「バターの乗ったお助けイモもいいけどぁ、やっぱりオニクもいいですねぇ!」
こんがり焼けたボア肉をおいしそうに頬張る相撲エルフであった・・・よし、君は今日からヘビの部屋入門だ!稽古はきついが頑張ればオニクの食べ放題だぞ!一緒に天下を取ろうジャないか!