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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第2章 機動戦士ツチノコ
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食用植物の谷




桃の木に戻るとすでに解体は終わっていた。換金できる、毛皮と牙、そして肉以外の部位は我が穴を掘り埋葬した・・・南無


「おう、従魔が戻って来たな!それじゃあ戻るか!」


二人とも戦利品を背負子に詰め込んでほくほく顔である。我はボルちゃんに桃とイモを回収するため別行動を提案する。


「村長殿達は先に帰ってくれ。我らはもう少し先まで行ってくる」

「もうすぐ暗くなるし、大丈夫か?」

「ああ、エルフ族のことは心配するな。従魔もいるしな。村にいるエルフたちには先に飯、特にでかいのには肉をたっぷり食わせてやっておいてくれ」

「わかった。無理はするなよ」

村長たちと別れた後、先ほどイモを植えたところにボルちゃんを案内する。イモを掘り返すとたくさんの塊が採れた。イモの横をワシワシ掘り返しボルちゃんがホイホイ拾っていく。イモの塊のほかに、実になった種も回収しておく。これであの相撲エルフがどのくらい食べるか知らんが、1週間分ぐらいは確保できたであろう。ダメなら旅先で種を植えるだけだしな。ついでに我の食料・桃の実も回収しておきましょう。持ってきたボルちゃんの背負子はパンパンになった。ついでにボルちゃんポーチにもありったけ詰め込んだ。あと2日ぐらいいるのでまた取りに来てもいいかな?


”ボルちゃんはあの崖上れる?“

“ああ、このくらいの荷物なら大丈夫だな”

”相撲エルフ・・・エマちゃんはここ上れるかしら?ハンナちゃんはどう?“

“うーん・・・二人は無理かな?”

“そうか・・・あのポーチ、借りてくればよかったね。明日もここに来る?”

“明日は森に入る予定ではなかったか?”

“トリを狩りに行くのか?”

“そうだ。肉がないと働かないやつがいるからな”

“それは甘え過ぎでは?エルフってそんなに肉食べるの?ボルちゃん全然肉食べないじゃん!”

“肉は少し食べればよいのだ”

“それを言ってやればよいのでは?”

“すまん、私が部下を持つのはこれが初めてなのでな・・・扱いがよくわからんのだ!”

エーーー、近衛軍に入って10年もなるのにですかーーー?

“まあそう言うな・・・私は入軍以来ずっと個人技を磨くのにのみ専念していたのだ。おかげで、剣士筆頭まで上り詰めたのだが、そろそろ部下を管理することも覚えたらと言われてな・・・今度の任務もその一環だな”


初めての部下があの二人か・・・、我も経験あるなー。お役所に入って数年は周りが見える余裕もなくて先輩から言われるがままのお仕事をして・・・慣れたころに部下がつくんですよね。これがまたこちらの常識を叩きこむまでが一苦労・・・先輩に話すと、お前もそうだったぞと言われたなぁ。


“ボルちゃんよ、明日森に行くのはやめて、またここに来ないか?”

“何かいい案があるのか?”


“ここに来るまで、ボルちゃんは普通に来られたけど、あの二人にはいいトレーニングになると思って。トリはあの二人に訓練つける間に狩ればいいんじゃないか?”

“訓練といっても何をするんだ?二、三日では何もできないと思うが・・・”

“あの二人に何が足りないか・・・何が優れているのか・・・長所を伸ばすか、短所を改めるか?そういうことを考えるのが隊長の役目。あとはそうだな・・・ここにいろいろ植物を植えていくか。ボルちゃんは神樹さまのところでいろいろ採取していたでしょう?あれを植えておけば、明日の採取の実地訓練になるんじゃね?”

“ヴィンデルバンドは詳しそうだが、バウアーにはもってこいかもしれないな”


ボルちゃんはポーチから神樹さまのところで採取した植物、大根とかニンジンとかトマトとか、あとなんとか草とかなにやら草とか騒いでいたあれらを出して我に渡した。我は土魔法で穴を空けて草を植えると穴埋めで土を覆いかぶせ、いつもの“養分吸収アブサープション”と“成長促進プラントグロース”のコンボ?魔法をかける。


さて、戻るか。ボルちゃんはあの崖登れる?ゴブたちは登って来たけど?

ああ、登れるんだ。ほなら行きましょか。




今日は(今日もか?)この一話だけで。

お読みいただきありがとうございます。

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