血よ、止まれ
「マッドボアじゃな!何しているんだ?」
「実を・・・落とそうとしているのか?」
「おーい!ポルティエ!無事か?」
崖の下の、木の枝の上のポル、こちらに気づいて返事する。
「ランドルドか!何しに来た?」
「あほか!貴様が一人で森に行ったというから、ポレットが心配して見に行ってくれと頼んで来たんだ!案の定だな!準備もせんと森に入るとか、無茶過ぎるだろーが!」
「昼なら大丈夫と思ったんだよ!」
あ!イノシシこっちに気づいたよ!・・・だけど体当たり止めないなー?もう少し近づくと、木の上にはゴブジがご無事だった^^。
“ボルちゃん、イノシシは桃が目的なんじゃない?桃を投げてみれば?”
「村長殿、ポルティエ殿に桃を投げさせてみてはどうか?」
村長、大声で連絡する!
「ポルティエ!マッドボアはそこの桃が欲しいらしい!何個か落としてはどうだ!」
「そんなもったいないことができるかよ!もう取れそうなのはない!」
我がジャンプすればまだまだ余裕で採れるんだが・・・
「桃惜しさに命を失うか!」
「マッドボアを狩ればいいだろうがよ!お前も装備を持ってこなかった口か?俺と一緒じゃねーか!そっちはエルフの剣士さんか!あんたなら狩れるだろ!」
“どのみちニクを狩りに来たのだし、やるか!”
“大丈夫?相当でかいよ!”
“貴様の土魔法を使えば簡単だろう?落とし穴を使って動きを止め、首の動脈を切る。これでどうだ!”
“了解”
我とボルちゃん、イノシシの背後からじりじり近づいていく・・・風向きが変わった!我らの気配が空気で伝わる!イノシシ、こちらを向く!狙いを剣を持ったボルちゃんに定めたようだ。来る!イノシシの歩幅をシミュレーション!
ここに土魔法Lv.1“穴!”
イノシシ、足を取られてつんのめり!そのすきにボルちゃん、イノシシの真横に飛んで、剣で一閃!イノシシ、ピギャッと声をあげた後、立ち上がろうとする・・・だくだく出るイノシシの真っ赤な血・・・重い足取りで動く・・・その先には・・・!!
我、イノシシの横に跳びつき
“光魔法Lv.3 傷の癒し(ヒール)!”
「お、おい!スネーク!何をしている!」
ボルちゃんが叫ぶが、かまわず
“傷の癒し(ヒール)!” “傷の癒し(ヒール)!” “傷の癒し(ヒール)!” “傷の癒し(ヒール)!” “傷の癒し(ヒール)!” 血よ止まれ!“傷の癒し(ヒール)!” “傷の癒し(ヒール)!” “傷の癒し(ヒール)!” “傷の癒し(ヒール)!” “傷の癒し(ヒール)!” 血よ止まれ!“傷の癒し(ヒール)!” “傷の癒し(ヒール)!”・・・
必死の光魔法にもかかわらず、イノシシの動きは鈍くなり・・・歩むのを止めた・・・その先には、3匹の瓜坊がいた・・・そうか、こいつらのために桃を落としたかったのか・・・
我、大ジャンプして桃の木に跳びつき、成っている桃を落としていく・・・あらかた桃を落とした後、桃を瓜坊たちとイノシシの口元に置いた・・・瓜坊たち、一生懸命に食べている。そして瓜坊の親は・・・口元の桃を鼻先で瓜坊たちに転がした・・・そして動かなくなった。
神樹さまが言ってたっけ・・・
{生き物はこの世界に生まれ、育ち、地に満たんと欲するのですよ}
我は、イノシシが地に満ちようとしたことの邪魔をしたんだな・・・
“ボルちゃんよ・・・我はいけないことをしたんだろうか?”
本日は1話のみの投稿です。
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