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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第2章 機動戦士ツチノコ
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崖の下のポル




我ら二人と一匹は村の門に着いた。


「あ、村長。どうしたんですか?」

「ヴァッへか。仕事ご苦労さん。昼からポルティエと交代した後、やつを見たか?」

「ポルティエさんですか?いったん家へ帰った後しばらくして村の外に出ていきましたが、まだ帰ってきてませんね」

「やつの女房からまだ帰ってきていないから様子を見に行ってくれと頼まれてな」

「えー?ポルティエさんなら大丈夫じゃないですかねぇ?あの人も冒険者だったんでしょう?村長とパーティ組んで暴れ回っていたって聞いてますよ。実際俺らじゃ全然かなわないし」

「わしらももう年じゃよ。そこを自覚せずに昔取った杵柄をじまんしてもしかたがあるまいて。ワシはこちらのエルフの剣士さんとその従魔で探しに行ってくる。遅くなるかも知らんから、ここは開けといてくれ」


ヴァッへさん、ボルちゃんが珍しいのかじろじろ見てますな・・・いや、エッチな目で見てますな!しかたがあるまいて。若い男の子じゃもん・・・


「それと、ヴァッヘよ。エルフが珍しいからといってそんなに見るものではない。お前も町へ行って世間を見てきた方がよい頃合いか・・・すまんな剣士さん」

「村長殿、お構いなく。それと私の名前はボルドウィンと言います」

「重ね重ねすまんな、年を取ると名前なんかどうでもよくなる時があってな、それでは行くとするかい」


村長は門を出ると道なりに進んでいき、我らがゴブリンたちを追い払った場所からさらに先へ進んでいった・・・まだ先があるのか?しばらく進むと急な下り坂が現れた。我らは果てしない下り坂を下りていくんだよ!ヘビ先生の次回作にご期待ください!

下り坂が大きくカーブを迎えたところで村長は止まった。


「ここから、一気に崖の下に降りる。覚悟はいいか!」


ボルちゃんニヤリと笑う。


「エルフ族の運動能力を見くびってもらっては困る。そちらこそ大丈夫か?」

「崖の底は川が流れていてな。川の水を飲みにいろいろ生き物がくるんじゃよ」

「ゴブリンとかか?」

「・・・いや、ゴブリンは見たことがないな。来るのは野生動物だ。よく見かけるのはホールマウス、ブラウンラビット、マッドボア、フォレストディア・・・たまにブラックベアが現れたりする」

「川に魚はいないのか?」

「いるな・・・アーユやヤーマ、グーイがいるが、網がないとだめだな。あとは今時期じゃないが、シャーケが産卵のためにやって来るぞ」

「まあ魚はおいといて、崖の向こうとこちら側では植生が全く違うのはどうしてだ?」

「どうしてだろうな?ワシもわからん。雨は同じように降るから、土が違うんでないか?」


うん、確かに。崖をはさんでむこうとこっちで土の色全然違ったね。



「それじゃ、ここからは道なき道じゃ!気を付けなはれや!」


年寄とは思えないほど軽やかな動きで足場を確認しながら降りていく村長。ボルちゃんはそのあとをついていき、我は目視できるぎりぎりまで離れてからジャンプ!ジャンプ5回で谷底についた・・・確かに川が流れているな・・・しかし待て。ゴブの女子供がいたところでは川のせせらぎは聞こえなかったようだが・・・水量もないことだし聞き落としていたかな?暗かったのでよくわからないが、あの時より下に降り過ぎている感じがするな。森へ行くコースはこれしかないのかな?だんだん岩が大きくなって川幅も狭くなってきた・・・と思ったら、滝だーーーー!わぉ、きれーーーー!いうとる場合か!どうすんのよ?と思っていたら、そのまま滝まで近づいていって・・・滝の裏側に潜入!わーおもちろいねー!あっという間に滝のあっち側についたと思ったら、また登るのね。


滝が落ちるところまで登って来た我ら。おぉ!この辺は何だか崖むこうの森に雰囲気が似てますなぁ・・・というかもう向こう側についたのか。さてと、村のある方はまだ崖が残ってますなぁ・・・ん?あれに見えるは桃の木か?


“ボルちゃん、あれあれ!あっち見てみ!”

“あっちとはどっちだ?指・・・はないな!お前が見ている方向か?”

“そそ、大きな木が見えないか?あれ、桃の木じゃね?おい、木の上に人がいるぞ!”


そしてそこは崖の下・・・門番ポルさんや!


ポールポルポル、お人の子~♪ポル、桃、好き~!

あれ?ポルさん以外にも木の上に誰かいますね・・・

ゴブたちかな?いつの間に仲良しになったんだろう?


「村長!あの木のところ!ポルさんがいるぞ!」


ボルちゃんがポルさん呼ばわりしている!


「ああ!誰かと一緒だな!」

「ゴブリンらしいぞ!」


そしてその下には・・・


大きなオニク・・・

いや、イノシシが木にぶつかり稽古をしていた。い~い頭突きです。





本日はこれにて。お読みいただきありがとうございます。

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