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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第8章 忘却の最果てにて
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産めよ増やせよ地に満ちよ! それでいいの?

予約投稿その2……


誤字脱字報告があってもすぐに対応できません。アシカらず(あうあう))



 ゴブたちの交尾を見た後、岩から降りてみると、そこら中に甲羅干しをしているゴブたちがいる! ひぃふぅみーよ……たくさん! あら、赤ちゃんが抱っこされてますよ? それ以外にもお腹の膨れた妊ゴブさんが! 繁殖率、高くね? このままだとあっという間にこの谷ゴブリンだらけになって討伐対象になったりしない? この近く、基本人族の村があるから、揉め事起こすと(言葉通じないし)冒険者がやってきて狩られちゃうぞ! 揉め事起こさなくっても増え過ぎたゴブごぶこうだとすぐに食い物足らなくなって過剰発生スタンピート! どっちにしても狩られなくない? というわけで対策しましょう。君たち、全員集合! そこへなおれ!


「グギャーーーーー――――――――――――!」



カイジ君が一鳴きしますと、みんな、なんだ?なんだなんだ?とこちらを見てわらわらとやってきます。あら? ゴブジが見当たりませんな? かわりに何人(何匹?)子ゴブがいますな!


”父はあの後亡くなりまして、私がそんちょーしています”


まじですか。ゴブジのご冥福をお祈りします…… ゴブジって何歳だったんだろうね? てか、ゴブリンてどのくらいの寿命なんだろか? そもそも、年という概念があるのかもわからん。そんなこと考えてたらみんながやってきて整列しましたよ?



”お使い蛇様、これで全員です! ”


ほんとに? 誰かそこら辺で寝てない? だいじょうぶ?


”ダイジョーブ! ”



そうですか…… それならまずはこれだ! 


おぇぇえぇぇっぇぇえぇぇっぇーーーーーーー! 



我、赤い実を吐き出します! まあまずはこれをお食べなさい…… いっひっひぃー。 はっ、この状況はアダムとイブにリンゴを食べさせた蛇のようではないか。ゴブたちは何の疑いもせずに我が吐き出した赤い実を食べていきますな! あ、赤ちゃんも食べれるかな? 食べれるみたいね。あと妊ゴブさんはもう一つ余計に食べなさいね。みんな赤い実を手に取ってシャリシャリ食べだしました。何の疑いもなく食べるのもどうなの?


”こっ、これは! ”

”ナニコレ?”

”か、からだが?!”


夏になってるのか?


”ほとばしる!”



なんかわいわい言っておりますが…… 赤い実を食べるとこれまで喋れなかった魔物が喋れるようになりますのだ。なんでもステータスのIPインテリジェンス・ポイントを10あげる効果があるらしい…… まあ我も赤い実食べたおかげで考えることができるようになった、ような記憶があります。赤い実はリンゴに似てるから、こっちの世界でも知恵の実効果があるのでしょう。




 先ほど岩場にいた5人のゴブコさん達がなんか真っ赤になっております…… それを見るカイジ君とその他のゴブたち…… ギャーーーーーとか叫んでますよ?


”””””カイジ君のエッチーーー!”””””


とか言ってます。カイジ君以外のゴブたちも喋れるようになってますな。カイジ君はビンタ張られたり拳で殴られたりしてます! いわゆるラッキースケベ?的なものなのだろうか? しかしそれは主人公だけに与えられる特権であって、モブにはないはずなのだが? 周りのゴブたちもいやらしい目をしていますぞ! ニヤニヤしてる!




 ということで、次にやることは


”紡ぎだせ! 我の銀魔法!


銀魔法Lv.3銀布! 彼奴等の形に合うように服作って!”

ぺろろろろーん!


いっつも思うんだが、変な効果音! 出来上がったのは白銀のローブ。イチジクの葉っぱではなかった…… これを全員に着せて、あ、あと赤ちゃん用・子供用もいくつか作っておきましょう。全員がローブを纏いました。しかし、ローブの下はゴブリンの腰布か。あれ、なんでできてるんだ? 腰布も全部脱がして火魔法で燃やします! 代わりはもちろん銀の布。これに呪いの魔法をかけましょう! 


”赤魔法Lv.4 付呪スペル

“プップ~”

“どのような付呪を施しますか?”

“腰布に性欲減退する呪いを、ローブには脱ぐと恥じと思う呪いを、さらに脱いだら1時間でまた着てしまう呪いを。あーもう一つ呪いが付けられますね…… そしたら常に清潔にしておく呪いをオナシャス!”

“パヤヤヤ~ン”


これでむやみやたらにまぐわって(交尾なのかな)、ゴブ口が増えることもないでしょう。全員に腰布とローブを纏ってもらうと、なんだか皆すっきりした顔をしています。これぞ賢者タイム! 永続して続きますよ! もはやゴブリンとは思えない垢ぬけた感じがしますな。


”お使い蛇様…… これはいったい……? 我ら全員が話せるようになっております!”



うんうん、そういう食べ物をあげたからね。これで喋れるのが一人じゃなくなってさびしくなくなっただろう? あ、あとあれを作っておきましょう。我の体内に貯めてあった銀の糸を口から吐き出していきます。糸だからそんなに吐き気はしませんな。その際にミサンガになるように…… できたら一人にひとつづつ腕に着けていって。



『これは思念伝達のミサンガです。これを付けていると言語思考をする生き物と意思疎通ができるようになるのです』

『どういうことだ?』


カイジとは別のゴブさんが話しかけます。


『うん。まあこの辺で言うと基本人族と話ができるようになるというとだな。話ができるようになれば揉め事が起きないようになる、かも。その辺は双方の努力次第です』


これもいくつか予備を置いておきましょう。あ、あと、君たち自分自身に名前を付けておくようにね。カイジ以外名無しじゃお互いに困るだろうし。


『オレは、お使い様に名をいただきたい』

『お。オレ達も!』

『私たちも! 』



あちゃー。ここへきて名付けの儀式ですか>< 


そんじゃあ、カイジ以外で最初に返事した君はアカギで、次はテン、その次はゼロ、クロサワ、ガイ、キン…… 女の子たちはココイチ、ココニ、ココミ、ココス、ココイツ…… この中でカイジの妻になるのはココミだな! え? ゴブたちは多夫多婦制? ああそう。全員、そう赤ちゃんも胎児にも名前つけたった。特に今回は何も言われなかった。ゴブリンにはすでに名前つけてますからな。



 あとはこの辺に植えた神樹さまの写し木を見た。特に異状なし。あとはまた旅に出るとゴブたちに告げ、バインと飛び跳ねます。ゴブたちの縄張りから離れた黒色土の森の土をもりもりと体内に貯めこんでいきまして…… おっと、この辺で岩塩を発見してたっけ。まだまだたっぷりありましたので大岩のサイズでもらっときましょう。ついでにワサビとかゴボウとかの野野菜も調達。あ、芥子とかもあったね。もらっときましょう。そういや、この辺までジャガイモもう生えて来てますな。緑魔法が使えない分、何があるかわかりませんので食糧はたくさん収穫しておきましょう。ここのジャガなら成長速度尋常じゃなく速いし。わしゃわしゃそこら辺の土を掘り返すとジャガのイモ部分がごろごろ取れますんでたくさん収穫して……




 おっと、ここでマッドボアが三匹出現! もしかして、イー・アル・サン? 


”””プギーーーーーーーーーーーー!””” 


お前ら大きくなったなあ! 手があったらわしゃわしゃしてるところです。いま掘り返したイモ食いねぇ! 生でいいのか? 焼いた方がうまいぞ? あ、こいつらにも赤い実を食べさせてみよう! 


…… なにも変わりませんでした>< そしたらミサンガは? ああ、腕に巻くとずり落ちるので首輪にしてみますか。モガモガと生のジャガを食ってるマッドボアの脇でジャガを火魔法で焼いている我。ついでに銀糸の首輪を作って三匹に掛けます。そして再び、こっちの焼いたやつ、食ってみ?


『『『ぷぎー――――――――――――!』』』


変わらず……か。焼いたやつを食べたら口を火傷したようだ。あふぁあファしてるので、光魔法で治癒します。魔物じゃないと赤い実食べてもIP増えないようですな。あ、だけど、首輪のおかげか、何となく意思は伝わりますな。まあ、フーフーして食べればいいのですが、そこまで知恵は回らんか。いや、そう思ったら、鼻息でンフーンフーしてます。喋れないけど知恵はついてるのか? 多少冷めたところでふぉがふぉがと食べだしましたが…… やっぱりお気に召さなかったようです。また生の方を食べだしました。どら、焼いたやつは我が回収しておきますかね。丸呑み丸呑み。しかし野生生物なのに大きくなる速さがすごいな。我、風の里に行く前に、この谷いっぱいになるまでジャガイモが成長するような緑魔法をかけておいたが、あいつらがいればジャガだらけになることはないな。そんじゃあ、また来るからな!




 我今度は川の中に入ります。水魔法は使えませんが、風魔法の空気纏いで溺れることなく水の世界に飛び込めますよ。ここら辺は、アーユとかヤーマ、グーイという魚がいるらしい。コーイみたいなでっかい魚かな? あーいるいる。コーイほどはないが、体長50㎝ぐらいはありそうだな。我、ここで紫魔法を使います。川の上流に向かって


”紫魔法Lv.2 サンダー!”


水の世界が瞬間ぶれたような感じがしました。そのあとは、おお、魚がぷかーと浮いてこちらに流れてきますな。大漁大漁! 流れていく前に回収回収! おっとエビ類も流れています。回収。あ、あれはすっぽん? 回収回収! 数はもう数えきれないくらい回収しました。ほくほくです。さて、戻りましょうかね。




 鳥居のところに戻るとコウのタローは寝ていた。日中、カンカン照りだったのだが巣の中は快適のようです。


『おい、コウのタロー、起きなさい。用事は済んだから出発するぞ』

『…… ん。もういいのか…… 出る前になんか食いもんくれ……』


そんなこと言うもんだから我先ほど焼き立てのジャガをおえっと出します。焼き立てだからホクホクのホヤホヤです。熱いから気を付けや!



 コウのタローは嘴でイモを突いた後、しばらくじっとしてましたが、おもむろにイモを咥えなおし振り回します。あれで冷ましてるのかな? 風魔法使えばいいのに。


『おお、そうじゃの』


嘴でイモを割った後、翼をイモに当てると、なんだか微風が吹いてるのか湯気が翼と反対の方向に流れています。あれがこいつの風魔法か。無詠唱なんだな。


『詠唱などというのは人がやることよ。魔物は基本、詠唱なしで魔法を使うぞ』


咆哮とかは別じゃがな、あれは一種の詠唱だから、などと付け足しておりました。ある程度風を当てた後、四分割したイモの一つをパクッと口にしました。




『ほふっ! ほふほふ…… これは甘みがあっていけるの! 』


おっ! わかりますか! さっきマッドボアに食べさせたら不評だったぞ。


『わからいでか。つーか、お前、マッドボアになぜこれを食わす? 』

『ああ、眷属にしてるマッドボアがこの辺に三頭いるのだ。1ヶ月ほど前は可愛いウリ坊だったのに、もうすっごく大きくなってた! まあ親に比べるとまだまだだけどね』

『マッドボアか…… 1ヶ月でそれほど大きくなるかな? ふむ、そんなことより、これはまだないのか? 』


ん、いくつ食えば満足するかわからんが、あと3つ出しておきましょう。それ食ったら出発な? 食ってる間に鳥居と鳥巣は回収します!




 結局4つでは飽き足らず、あと6つ焼くことに。全部で10個あればコウのタローは1食満足するのかな?と思ったが、これはどうもおやつ感覚らしい。朝晩はきっちり食事をしたいそうだ。これはこの先思いやられる。



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