衛生兵の脅威
貯水池を満水にした我。魔力は・・・減った感じがしませんな!それでいいのだろうか?
「スネークちゃんは、もしや、伝説の賢者を超えているのでは?」
だから誰やねん、伝説の賢者って?
「伝説の賢者は伝説の大賢者の後継として知られた人です。実在の人物ですよ。その名をパディフィールドというのです!」
「そうそう、そんな名前だったな!」
ボルちゃんは知らんかったんかい。
「私は魔法は苦手な方でな。ヴィンデルバンドは優秀な魔法使いだ。だから成人前に軍に抜擢されたのだ」
“うん。そんな感じだけど、若すぎない?つーか、アーダちゃんとおない年ぐらいか?”
「やだなぁ!エルフ族は基本人族と比べて成長するのが遅いだけなんですよ」
“で、いくつなんだ?幼女エルフよ?”
「今年で16になりました!」
えっ?16・・・才だと?他に年齢の数え方があるのか?確か1年は365日と聞いたが?
「基本人族は15で、エルフ族はその倍の30で成人しますよ」
“ということは・・・基本人族で8才ということか?8才にしては普通にしゃべれる・・・体は子供・頭脳は大人な名探偵がこの世界にもいたのか!”
「か、体は子供ですけどもっ!というか、まだまだ子供なんですよっ!」
あ、考えてることがばれた^^。この額金、我の考え筒抜けですな!ところでボルちゃんはお年はいくつなん?
「私か?今年40だな。思えば10年、軍に入ってからここまで信頼されるには、いろいろあったなぁ・・・」
あ、なんか語りだした。我よりずいぶんと年上だった^^。
相撲エルフは新兵だから、今年軍に入ったばかりだとして、30才?
「なんですか、その相撲エルフというのは?」
“あ、相撲というのは、エマちゃんみたいに体格のいい人が、体のみを武器にして、殴り合いなして、相手を地面に転がした方が勝ちという試合をする職業です”
「ふーん、そんな職業あったかしら?聞いたことがありませんねー?ねえ、スネークちゃん?他にもいろいろ知ってることがありそうですね!」
あ、やばい!名探偵な衛生兵に勘繰られている!これは、どーする?!我、ピンチ!
”そんなことより、緑魔法を見たいんじゃなかったんかな?ハンナちゃんよ!”
「それはそれで見ますよ!でも色々聞かせていただきますからね~、ねー隊長?枝の件とか!」
ボルちゃんよ・・・この子には素直に全部話しといたほうがいいじゃないか・・・?
我ら、池の淵に立つ。ハンナちゃんが取り出した桃の種を、我が土魔法Lv.1で掘った穴に入れてもらい、土魔法Lv.2で穴埋め。昼食時にできた灰を混ぜ合わせる。
そしてそこからの・・・・・・・・・・・
緑魔法Lv.1“発芽!”
これだけでは何が起きてるかわかりませんが、水魔法Lv.1で土を湿らせて
緑魔法Lv.3“養分吸収!”
若芽がぴょんと出てきた。もう根の方はしっかり張っているはずだ。ここまで来たらあとは簡単
緑魔法Lv.4“成長促進!”
桃の若芽はあっという間に若木から大木へ変わっていった。まだ実はつけさせなくっていいだろう。
“テロリン”
おや?レベルアップですか?
“緑魔法Lv.5”
成長促進の次ですか・・・はて、なんじゃらほい?
“緑魔法Lv.5 品種改良”
ほうほう、品種改良ですか・・・いろいろ使いどころはありそうですな。
「わーーーーーーーーーースネークちゃんすごいすごい!これが緑魔法なんですね!私、感激しました!わたしを弟子に、弟子にしてください!」
“いや、よくわからんけど、伝説の賢者・・・えーと、パディなんとかさんに弟子入りした方がよくない?”
「ヴィンデルバンド衛生兵、ひとまずはグラニーラムゼースミスの里の危機を救うのが先だ。弟子入りしたければそのあとに軍長に依願退職をしなければならない・・・軍としてはお前のように優秀な人材に止められては困るのだが」
「はーーあ、そうですね。お給料もたくさんいただいてますし、なかなかやめられないんですよねぇ」
ハンナちゃん、結構現金ですな。しっかりしとる。ところで、いつまでだらしない方のエルフは寝ているのかな?
「エマさんエマさん、そろそろ起きてください。起きないとスネークさんがぶつかり稽古をしに来ますよ!」
何じゃ?そのおこし方は!寝ている奴には魔法のヤカンじゃ!水ぶっかけろ!
我、水魔法Lv.1をぶっかける・・・あ、口の中に全部入っちゃった・・・飲んじゃった。
「・・・う、うーん、いつもと違う水のお味・・・ハンナちゃん、どうかした~?」
「エマさん起きてください!今のは私じゃありませんよ。スネークちゃんが出したお水です!美味しかったんですか?ねぇ?おいしかったの?スネークちゃん、私にもちょーだい!ちょーだい!!」
なんや、こいつら・・・
本日はこれにて。
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