神樹さまに結界を張ります
ここまで予約投稿です^^
ジワは7月・・・かな?
「それで、神の御子。森との境で何をなさろうとしているのですか? 」
あーーー。ゲロ鳥に気をとられてすっかり何するのか忘れてたわ。我、この迷い惑わしの森に囲まれている丘部分に、さっきみたいな結界を張ろうと思います。ところで、神樹さま、丘の天辺のご神体とこの写し木で出入りできる?
「それは…… できると思いますが? 」
今、ご神木の所に結界張ってるけど、この状態だったら、我もどこにあるかわからんのですよ。精霊状態だったら大丈夫なのね。そしたらこの境界辺りとご神体のあるところの高さまで結界を張りましょう。と、その前に…… 神樹さま、写し木に結界張ってみてもいい?
「それは構いませんが…… なにをなさるつもりですか? 」
それじゃ、技能【むすぶ】で写し木の周りに結界!
目の前に見えていた木がぼやーんと消えていった。ここに木があると知ってなければ、なにもないただの斜面としか見えませんな。ついでに写し木の方向にぴょん跳ねして近づいたが到着したと思われる距離まで近づいてもぶつかることはなかった。
これで技能【ほどく】で結界解除!
我が移動したと思った場所は移動前の所から見て右手側にあった。ふむ…… 何度か【むすぶ】と【ほどく】を試してみたがやはり移動する場所は右の方向にずれるようですな。さて、ここから本題です。このままでは、一度結界を張ってしまうと我でも元に入るのは結界をほどかないとできない。他の者はいわんや。それだと、アナが結界を出入りできません。というわけで、結界を入れる魔道具を作ります…… 青魔法Lv.4祝福で。あと2回しか水魔法関連使えないからなぁ。スネークンタイプだとアナには持ち歩きはできないし…… 銀魔法Lv.2銀糸でミサンガを作るのはどうだろうか? 悪くない感じがする。ゲロ鳥にも脚に巻いとけばいいし。というわけで、作ります! まずは銀魔法Lv.2銀糸で銀の糸を吐き出します!
紡ぎ出せ、我の銀魔法Lv.2銀糸!
我のお口から吐き出される銀の糸。お尻からだったら蜘蛛のようですが、口からだったらお蚕さまのようです。どっちにしても虫なことに変わりはありません。あ、蜘蛛は昆虫じゃないんだっけ。まあ虫と言うことにしておきましょう。何せ虫と言う字は蛇のことも意味しているしな。ムシもマムシもムシのうち。変なこと考えていたら,目の前に糸がこんもりと吹き出されていた。これくらい有れば余裕だな。それでは
青魔法Lv.4祝福!
“プップ~”
“どのような祝福を施しますか?”
“この糸を身に付けた者が結界を出入りできるようにして、あとは…… そうだな、周りにいる知的生命体との意思疎通を念話でできるようにして”
“パヤヤヤ~ン”
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと1!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと1!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと1!】
目の前の糸の山がぱぁぁっと光る。できたのかな? それではお試しで、ミサンガを作ってみましょ。銀糸に我の魔力を通して、糸の端から紐状に作り直して…… できた! 我、ミサンガを咥えて、先ほど張った結界内の写し木のところへ…… たどり着きました! 成功です。アナさんにあげなきゃな。
「それは私の分もありますか?」
あ、物欲しそうにしている神樹さまの分も作ります。
結局100個ミサンガを作りましたが、糸の山は減る様子がありません。それでは、我専用に…… ボルちゃんから貸してもらってた額金っぽい物を作りましょう。魔力を通して…… できた!と思ったら銀色の布だった。Lv.3の銀布でもできたか。まあいいでしょう。これを体内に貯めてるマギハンド外に出して、首の所に結い付ける…… やはり涎掛けっぽいですな……余った糸は飲み込んで保管しておきましょう。
さて、後はこの孤立円錐峰に結界を張るお仕事です! おいゲロ鳥! お仕事ですよ。
くえぇえええええええええええ?!
『おいお前! どこから現れおった?! 』
ん? 気がつかなかったのか。ああ、我、結界の中にいたんだっけね。それが結界から出たから、急にどこからか出てきたように感じたのか。なるほど。
”おいゲロ鳥! これからこの辺りに結界を張るから、我を乗せてこの辺りを飛び回れ!”
『働かせたいんならさっさとこの麻痺をなんとかしろ! あとこの纏わり付いている物を取れ! 』
あーー、そうでしたそうでした忘れとった…… 麻痺はもう良し! 無事に解除されたようだな。あとは銀布をマギハンドでとりまして……首に巻き付けます! コウノトリは赤ちゃんを運んでくるのです! 我を運ぶくらいたやすいはず! 首の所に布を巻いて揺り籠っぽい物を作りましたよ。我、籠の中に入ります! なかなかの居心地…… おい! もう飛べるようになっただろう! さっさとこの山…… 神樹さまの周りを周回せんかい!
『まったく鳥使いの荒いやつじゃ!』
我を乗せて、コウのタローは羽ばたく…… バサバサッ! あっというまに10mぐらい飛んだかしら? さて、結界【むすぶ】を発動! こいつにも今後のためにミサンガを付けておきますかね。マギハンドでミサンガをコウのタローの脚に固結びで縛ります! 念のためわからないように首にも軽く銀糸を巻き付けて置きましょう。
『ん? ワシの脚に何をした? 』
”我、今、この辺りに結界張っていってるんジャ! お前が入れなくなったりしないように我が作ったお守りを付けておいたぞ。ありがたく思え! ”
『おい! それは一つだけか? 』
”まあ、神樹さまにたくさんあげるつもりだから、欲しかったら後でやるぞ。とりあえず、この山をぐるりと回ってくれ! ”
こうして我は神樹様の生えている孤立円錐峰に結界を張った。いつも孤立円錐峰っていうのめんどいな。グラニーちゃんのいた場所は”風の谷”だったな。そんじゃここは”光ヶ峰”でいいか。エアコンぽい名前のような気がしなくもない。




