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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第7章 失われた水魔法を求めて
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うんこ鳥、改めゲロ鳥 

これは予約投稿です^^


あーあーあー、これで水のことは心配なくなったんだが、ここに良からぬ輩が来ないように結界を張っとこうと思うのですが。


「それはかまわないのですが、どうしてそんなことを思い立ったのですか? 」


うん、神樹さまは光のマルス・プミラやろ? 我、外に出てから知ったけど神樹様の治癒の力は貴重らしくって、今頃エルフ達は大騒ぎをしていると思うんよ……  んで、ここにもやってくるのは確実! そう、コーラを飲むとゲップが出るくらい確実なんじゃー。他にもいろいろやっかいそうな奴らがいそうだし。我、結界が張れるようになったから神樹さまのいるこの辺りにそれを張りたいのだが、だめかな?


「それは構いませんが、そうなると一度出てしまえば二度と戻れなくなったりしませんか? 神の御子やアナに会えなくなるのはいけませんよ? 」


そこは大丈夫なように魔道具を作ります。以前、我の結界を無効にする魔道具を作ったことがあるので。


「神の御子はなんでもできるのですね!」


だけどこの力は水魔法がなくなると使えなくなるのですじゃよ…… なので、水魔法がまた遠慮なく使えるようになるためにお外に出ようと思ってるのですじゃ。


「あてはあるのですか? なにかとてつもなく時がかかりそうな気がするのですが? 」


うーん…… そうさね…… 外の世界に神樹さまがまだまだいると思うのよねぇ…… 水のマルス・プミラ様を見つけて、水結晶か輝く水の実を食べればまた使えるようになるのです…… が、探し当てるのは至難の業だなぁ。昨日までの旅とは比べものにならんかもしれない。そう思ったので、われはあの鳥を連れていこうと思ったのです。移動するのに便利ですからね。…… ところで、あの鳥どこいった? 昨晩はこの辺で寝たんじゃなかったっけ?


「そうですね。私が目覚めたときはすでに姿が見えませんでしたが? 」


ま、その辺でうんこでもしてるんでしょ。そのうち腹減ったーとか言って騒ぎだすに違いないのだ! それでは、少しお試しでやってみますか! まずは、結界の効能を神樹さまに知っていただきましょう。それでは、神樹さまの目の前で、よーく見ててくださいね?



技能【むすぶ】! 我の周囲1m!


「あれ? 神の御子!? 今までいらしたのに、どこへ行かれたの? 」


我の目の前で、きょろきょろおろおろする神樹さまがいらっしゃいますな。どっきり大成功! 


技能【ほどく】! 我の周囲1m!


ここですよ、神樹さま。ここここ。こけっこー♪ 我はずっと神樹さまの目の前にいたのですじゃー。


「え? ずっと? 」 


そう、我、技能【むすぶ】を使ってみたのですが、どんな感じ? エルフさん達からは認識阻害系の結界と言われたのですが。


「どんな感じと言われましても、突然神の御子が目の前から消えて…… どこかへ転移トランスポートしたのかと思いましたよ。本当にずっと目の前にいたのですか? 」


え? 神樹様は転移トランスポートを知ってるの? 移植トランスプラントじゃなくって?


「ええ。先代からそのような魔法があるとは聞かされていました」


先代さまが知ってたのか。じゃあじゃあさ、死後復活リバースとか死者蘇生ターンアンデッドとか死者傀儡ネクロマンシーとか知らないかな?


「さぁ? そのような魔法は初めて聞きましたが」


”生死に関する魔法は禁忌になってます”


なぜか魔法の声の人(人じゃないか)、ニコちゃんが答えてくれます。それじゃあそれじゃあ時間を止めたり巻き戻したりする魔法とかは?


”…………”


あ、だんまりだった…… うーん、これはありそうな気配! 確か…… 契約魔術はあるんだよね? あと、鑑定も! 竹の精霊カグヤが使ってたぞ! ないとは言わせない! つーか、カグヤの使ってた簡易鑑定と、うんこ鳥の使ってたステータス魔法、何が違うのさ?


”鑑定があったら面白くない、そうです”


え? 誰が面白くないの? あぁん、鑑定あったらちょー便利だし、不必要な争いごとも避けられるし。あ、ステータス魔法と言えば、うんこ鳥、どうしたかな? おおーい! コウのタロー!  タロー! タローーーー! うんこ鳥・タロー♪







遠くでグェーーーーと言う鳴き声が聞こえますな…… 麓の方です。ちょっと見てきます! 我、声の方向へ大ジャーーーンプ! しゅたっ! 降りたったところには寝ながら草をもしゃもしゃ食っているコウのタローがそこにいた。こいつ、なにしてんだ?


「器用なことをしていますね」


あ、神樹さまも来たのね。はやーーい!


「写し木がありますので」


ああん、それも一種の転移トランスポートだもんね。神樹さまの赤い実を使って大きくなったマルス・プミラの木ならどこへでも移動できるって言うあれ。どのくらい離れたら駄目なのかは知らんけど。 それで、目の前で寝っ転がって草食ってるこの気持ち悪い生き物はどうしようか…… 火魔法で焼いてみるか? あ、吐いた! 寝ゲロにまみれてるにしては全身濡れてるな…… よっしゃ、それじゃあ金魔法Lv.1抽出で乾燥させましょう!


“金魔法Lv.1抽出!”

“ン デデデデーン”

“なにからなにを抽出されますか?”


えーと、鳥の体表と羽毛から水分を抽出してちょ!


“テ・テ・テ・テーン“


しゅわしゅわもうもうと湯気がコウのタローから立ち上る。そして…… グェエエエエー! あ、起きた! おいゲロ鳥! お前何やってんの?





『ゲロ鳥とはなんという言い草か! そして、なんでこんなところに元気草と吐き気草が生えとるんだ! 間違って吐き気草の方を食ってしまったではないか! 』


元気草と吐き気草…… ボルちゃんが言ってた神霊草と魔霊草のことかいな? どっちがどっちか見分けがつかんけど…… それ、お前の糞から芽吹いたもんだぞ? お前、どこでそれ食った?


『なぬ? お前、そんなことができるのか? よし! これから貴様をワシのクソ係にしてやろう! 喜べ! 』


こいつ! 問答無用の麻痺魔法じゃ! 


”赤魔法Lv.2麻痺パラライズ! 頭部は喋れるように残して! 我が良しと言うまで痺れさせておあげなさい! ”


アパパパパパパ!!!!!!!


うんこ鳥改めゲロ鳥は奇妙な鳴き声をあげていますな! さて、この間にまた翼と脚を紐で結んでおきますか。紐より布の方が抵抗が少ないかもしれませんね。


”銀魔法Lv.3 銀布 ”


我の口の近くからどことなく出てくる一反木綿のような布きれ。違うのは色ぐらいか。ゲロ鳥を綺麗に巻いて包んでいきます。翼部分を包まずに火魔法でこんがり焼いたらおいしそうなチキンができあがりそうです。


「この草はコウのタローが運んできたのですか」


そうですよ。こいつは他にも桃とか栗とかアナが食べられるものを運んできおったのだ! 


「あれ? そうすると、別にぐるぐる巻きにする必要もないのではありませんか? 」


グェエエエエーーー!


『そうじゃそうじゃ! そこの世界樹の言うとおり…… って、あれ? 世界樹よ、お前、なんか小さくなってないか? 』


「先代と比べられると小さいかもしれませんね。私は次代のマルス・プミラです。神の御子から話を聞いておりませんか? 」


『なーんか言っとったようだが、そんなもん覚えとらんわ。大事なのはお前が実をつけれるかどうかじゃー! 』





紫魔法Lv.1静電気ザップ! バチバチッ! 

グェーーーーー!


我の放った静電気は、ゲロ鳥を巻いている部分を伝わって行きました。今度は頭も銀布で巻いとこうかしら? 


『鳥虐待は止めろーーーーー! 』


貴様が寝言を言ぅとるからジャ! 


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