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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
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最後の一仕事、そして懐かしきすみかへ

第I部、完!

ここでこのまとまりを締めるか、それともこのままここで書いたほうがいいのか・・・><



221/11/12

誤字脱字報告ありがとうございます。適宜修正させていただきました。



 我、うんこ鳥に銘じてまずは南の方に進路を向けている。道がわからなくならないようにゴンドラのようなものをうんこ鳥の首にぶら下げて地上を見張ります! ツチノコ・アイなら遠くのものもよく見えますので普通の鳥が飛ぶよりは高めの高度を飛んでもらってダイジョーV! 雲ができる高さぐらいだから1000mぐらいかなぁ? もっと高いかなぁ? ああ、あの辺がフランクフォートかな? マゼンタ・フルスと他の二つの支流が混じってグロース・フルスになってます! よし! ここから東に向かって飛んでいけ! 飯食ったから力あり余ってんだろ?


”というか、西から東に向かうんなら風に乗るから力は使わんな”


風に乗るって飛ぶんなら、我風魔法を使うからもっと早く飛べるか?


”ほう? お主、風魔法を使えるようになったのか? では使ってみせよ! ”


ふふん!聞いて驚け見て叫べ! 吹きすさべ、我の風魔法Lv.3疾風ゲイル!追い風になって鳥の背を押せ! おおっと! なんかぐらついてんな! それと高く飛びすぎるな! 道を見失みうしNowナウ!ぷふっ! うまいこと言うた( ´∀` )!


”うまいこと言うた(笑)、ではないわ! なんだ、今の風魔法は! ”


いや、コウのタローが”使ってみせよ!”とか言うから、使って見せただけだよ?


”加減を知らんのか! あんな強すぎる風を急に翼に当てたら加減が狂うわ! ”


そういうもんか? 調整が難しいなぁ………… そんじゃあ風魔法Lv.2ブロウ!風魔法で魔法名が風って言うのもなんだかなぁ…… でも火魔法だってLv.2はファイアだったし、水魔法に至ってはLv.2水、Lv.3たくさんの水だからなぁ…… 今度は何事もなく飛ぶ速さが早くなった感じがしますな………… 時速どのくらいで進んでいるんですかねぇ? メルゼブルグからフランクフォートまで1000Kmぐらいだっけ? その間に山越えをしたよな? 山というか山脈だった感じがするが。だとしたら峠を越える手前で用事があります! この辺で低く飛んでくれや! 


”なんか捜し物か? ”


モノではないが…… いや、目印だからモノか………… 山道を目安にして以前通った地形を思い出します。グロース・フルスがこの辺りだから…… いや、もうこの辺はシアン・フルスだな。山脈を越えるのにシアン・フルスはなぜ山の向こうから流れているのだろうか? 謎です。おっと、気を川にとられないで、我が見つけようとしているのは、そう、この辺りに作った鳥居です。鳥居は朝日を向く方向にくぐるように作ったから、西から東に進んでいる今ならちゃんと鳥居の形、(形の左側ね^^)みたいに見えるはず! この異世界の人が見たらオーパーツみたいに思えるかも知らんが。あった! あそこに寄るぞ! 我、紐を引っ張りますと、その紐がうんこ鳥の首に繋がっておりまして、くぇ~~~と鳴きながら鳥は下降していきます。ふぁさっ、ふぁさっ! 鳥が鳥居に止まります! 紐を鳥居に括りつけまして、我、ちょっと出かけます! おとなしくしてろよ! 鳥居をくぐって下り方向にしばらく進みまして………… この辺でいいか。技能【ほどく】を使います! すると、辺り一帯、何の変哲もなかった灌木地帯だったのですが、いきなり森が現れました。この辺は、我、メルゼブルグからフランクフォートに来るときに樹人さん達のために結界を張っていたのだ。急に結界を解いたからか、風が吹き抜けますよ! 樹木の葉がざわざわしてます! おーい! 樹人さーーん!! オーレアさーーーん!!!





「私たちを呼ぶその声………… スネーク様でしょうか? 」


ああ、そんな風に呼ばれてましたね……忘れてたよ。


「やはりそうでしたか! 皆、スネーク様がご来臨なされたぞ! 集まれー! 」


集まれ植物の森! いや、森は植物の集まりだから! 何が集まるのかと思ったら、真珠様みたいな精霊………… じゃなかったね、これは思念体って言ってたな。わー、たくさん集まってきたー!


「急にお越しいただいて何のおもてなしもできていないことをお詫びいたします! これからご逗留の予定でしょうか? 」


逗留………… 温泉かなんかか、ここは? いや、お願いがあってちょっと寄っただけです。 我、おぇーーーとマギ・バンブーとその植木鉢の石臼を吐き出しました。ちょっとこのお竹さんに光を当ててやってね。さあ、目覚めなさい!


「スネーク様、これは一体? 」


この子は、マギ・バンブーという魔植です。名前はカグヤ。とあるところで大繁殖したのだが、それは精霊状態になるためだったようです。今はもう精霊になれるので繁殖する必要はないのですが、元いたところで魔力を吸いすぎて嫌われてしまったので、別の所に移してやろうと思いまして………… こちらに似たような方達がいるのを思い出して、ここなら受け入れてくれるかと思って、連れてきました。カグヤちゃんや………… 起きなはれや………… 青魔法は使いたくないなぁ………… 水でもぶっかけてみますか!


「おい、ツッチー! ここはどこだ? 」


あ、植木鉢君が先に起きた!


「誰が受け木鉢か! 」


いや、今のお前、植木鉢やん! 主の竹を頭のくぼみに載せている植木鉢だぞ?


「あの………… 鉢が喋っているように聞こえるのですが………… これは魔道具かなにかですか? 」


大男の思念体が、興味深げに鉢になっている石臼を見やってます。たしか、クスノキの思念体の…… シナモマム……カンファーレっていったっけ?


「シナモマム・カンファーラでございます。スネーク様。名前を覚えておいででありがとうございます! 」


間違ってたけどな! で、あとはゴメンナサイ。忘れてしまいました。それで、オーレアさんにお願いがありまして。


「スネーク様にお願いされるとは、光栄の至り! 」


カグヤちゃん…… そろそろ起きて! しょうがないから、体内に貯めておいた魔法水をぶっかけます! おぇえぇぇぇ! 口からキラキラしたモノが吹き出ていますが、断じて吐瀉物ではありません! まだ出てこないな…… それでは光魔法! 明るさ最大で! ピカーーーーーー! ピカジャーが光ります! ピカピーーーー! 


「ああ、空の光と等しいモノがこの大地から降り注がれようとは……」

「何という癒やしの光……」

「僕らの瞳になにを映すのか……」

「そして満たされていく……」

「そして私たちは途方に暮れる…………」


何言ってやがる?  首を傾げるばかりですな。あ、お竹さんも光り出しましたな! 呼んで飛び出てじゃじゃじゃじゃーーーん!


「ふぁああああああ、んーーーー、ここどこ? 」


辺りをキョロキョロ見回します。ここはグラニーラムゼースミスから東に400km?はかし離れたところ。前行った樹人族のみなさんが住んでるところね。


「スネーク様………… こちらの精霊様は? 」


この石臼の竹の精霊、名前はカグヤ。ほれ、君も自己紹介せんかい!


「こんにちは、初めまして。私、カグヤ。ねぇ、ツッチー説明してくれるんでしょう? 」


ん、ここは我がエルフ族と一緒に通った場所で、樹人族が住んでるところです。樹人さん達なら植物の君とも相性がいいと思ってここに連れてきたのだ。ここの周辺には結界を張ってたから、魔人や魔物、普通の人族は行ってこられない樹人族の楽園になってる。ここなら話し相手も多いし、君にとって住みやすいと思うが? あ、この人達の魔力は吸うなよな。


「もう精霊化できたんだからそんなことしないわよ。ねぇ、ホトケはどう思う? 」

「主が決めたんなら従う、それ従者の勤め」

「そういえば、タマはどうしたの? 」


ああ、他のやつも出しておきましょう! 出でよ、リーズィッヒ・コーイ! 並びにネズミとツバメ、あと石臼たくさん! おぇぇぇぇっぇぇぇぇぇっぇぇっぇえぇぇぇぇぇぇ!


「これは…………? 」


全部カグヤの眷属ね。カグヤはこいつらが悪さしないようにしつけておかないといかんよ。


「えーと、ツッチー、アレまだ持ってる? 」


アレとは?


「ほら、食べたら頭がよくなる食べ物。アレを食べさせたら、言うこと聞くようになるんじゃないかなぁーって思ったの。どう? 」


ああ、それね。いいでしょう! グラニーちゃんから貰いました赤い実をここで大放出!あとはここに結界を………… 張ったら、リーズィッヒ・コーイのタマが入れなくなるかな…………そしたら、我の結界ではなくて、迷い惑わしの森を周囲に作るか。タマは水辺がないと困るだろうから、我、ここに巨大な井戸を掘ります!


”土魔法Lv.30地形操作アースコントロール! 直径10mの井戸! 崩れないように壁面は岩盤! 500m掘ったら今度はグロース・フルスの方に横穴掘削!”


ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………!プシュ! ザザザ…… 


ちょっとタマさんや。この井戸、どこに通じているか、確認してきてくれるか?




「仕方なし。某にもう一つ実を寄越したまえ」


あら、もう赤い実食べちゃった?それではもううひとつ、タマに赤い実あげますと、もしゃっと食べて井戸の中にダイブしました。赤い実が必要ならここにも神樹様を植えておく? 輝く実があるから、こっちを植えてみますか。勿体ない気もしますが、土魔法Lv.1穴! ぼこっ! 輝く実を植えまして、土魔法Lv.2穴埋め! もりっ! あとは…… ここで回数制限のある緑魔法を使いますか!

緑魔法Lv.1発芽スプラウト+Lv.3養分吸収アブサープション+Lv.4成長促進プラントグロース!+体内の迷い惑わしの樹木をこの周辺10km四方に移植トランスプラント


【WARNING!WARNING!WARNING!】

【水魔法消滅まであと5!】

【WARNING!WARNING!WARNING!】

【水魔法消滅まであと5!】

【WARNING!WARNING!WARNING!】

【水魔法消滅まであと5!】


見事な大木の神樹さまが立ち上がりました。そして、周辺には迷い惑わしの森の完成です! これなら結界なくても大丈夫かな? 実がなったらうんこ鳥もここに来るようになるし賑やかになるか。





 しばらく待つと、タマが遠くに見えてたグロース・フルスから飛んできた。場所はわかるみたいだな。それでは、樹人族の皆様、マギ・バンブーのカグヤをよろしくお願いします! 


「マギ・バンブーの精霊様だけでなくマルス・プミラ様もお守りしろと言うことですね! 確かに承りました! 我ら樹人族の名にかけて!」


いや、仲良くするだけでええから! そんじゃ、カグヤちゃんもその眷属達もここで楽しく暮らしたまえ!


「たまには遊びに来てくれるんでしょ? 」


そうさな、”転移”魔法が使えるようになったらな!  それじゃあ達者で暮らせ!










 我、ジャンプジャンプして山道を駆け登ります! 目標の鳥居の所まで迷い惑わしの樹木が茂っていました。だけど鳥居はそれより高く作ってたからジャンプしたときにちゃんと見えるんです! 遠くでうんこ鳥がくわぁ~と鳴いております! お待たせ!


”ワシにも赤い実、寄越せーーーーーーー! ”


待たせた分、食わせてやりますか! おぇっ! そらよっと! うんこ鳥、赤い実を食っている最中に、我は技能【ほどく】を使って鳥居に結んでいた銀の紐を外して再び、鳥にとりつきます! そら出発だ! 飛べ!









 山脈を抜け、いくつかの町を見下ろしながら、西風に乗って進むこと半日。なにやらでかい街が見えてきました。ここメルゼブルグだな! そしたら、ここから北へ進路を変えなさい! うす~く見える川筋をたどって黒く見える山と白く見える山の間を辿っていって、ははーーーーん、この辺りが黒色土の森か!


”おっ! あの辺が世界樹のあった場所だぞ!”


なるほど、飛んでたらよくわかるな! 孤立円錐形の山の天辺に大きな樹木がそびえています! あれぞ懐かしき我がすみか! よし!お役目ご苦労! もう夜になるから泊っていくか? 


”そうさせて貰うか。それでは、降りるのはあの樹木のところでいいな? ”


ああ! おおおおーーーい! 神樹さまーーーーーーーーー! 我、帰って参りましたーーーーーーーー! なんか、神樹様の近くに白くてもわもわな物体発見!



「神の御子! 帰ってこられたのですね! お疲れ様でした! 」

”お母様! お帰りなさい!”


神樹さまもアナも、無事だね! 恥ずかしながら、我、スネーク、ただいま帰って参りました! 夕日に照らされて、辺りの黒い土とアナーキンラビットの白い毛皮もなんだか神樹さまの一部のように見えた。その中に我も入れるんだな。ようやく、一心地ついた気がした。




   わ~れは ツ~チノコ くろなみの~♪

   さわぐやまべの いただきに~♪

   赤き実たわわな 神樹こそ~♪

   我が懐かしき すみかなれ~♪



約2年間かけて、やっと一区切り。

ちょっとまた構想を練り練り練るねするので、しばらく(どれくらいになるかな?)

空けます。その間に閑話とか書くかもしれません^^)b

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