表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
684/786

グラニーラムゼースミス最後の朝

もう少し続くんじゃ


”クエェーーーーーークエェーーーーーーー起きろーーーーーーーーーーーー!”



誰かの叫ぶ声が聞こえます…… うっさいなぁ! 我を呼ぶのは誰ジャ! 


”起きろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!”



パチクリ! 我の目覚めーーーーーーー! ぼこっ! 土のお布団から這い出ますよ! ぶるぶると体に次いだ土ぼこりを振り払います。おお、今まさに日の出でございますな!朝日が目に染みるぜ! そして、ご無沙汰のツチノコ体操! ツィッツイッツチノコツィッ! 上体を右前反らし!ツイッ! 左前反らし! ツイッ! 大きく背後に上体反らし!グギギギギ! ツチノコ体操、終わります。本日も元気でやってまいりましょう!


”こらーーーーーー! 起きておるんなら返事せんかい! ”


さっきからうっさいなぁ! 誰よ! 我の眠りを覚ましたのは?


”起きろー!起きてワシに絡めた紐を解けーーーーーーーー! ”


ああん、誰かと思えばうんこ撒き散らし鳥か。貴様は本日のから揚げになる予定ジャ!


”なにーーーーーー? 貴様、ワシを食うつもりか! ”


食われたくなかったら我の言うことを聞け!


”なぜワシが蛇なんぞの言うこと聞かねばならん?! ”


いや、蛇なんぞの言うことなんて聞かなくてもいいんですよ~。ただ、紐は解けないし、お昼ごろにはお前、唐揚げになってると思うし~~?


”くっ! ワシを脅す気か? ”


脅してなんかいませんよ~~~、ただ、頼みたいことがあるだけなんですけどねぇ?


”その前にワシの頼みを聞けーーーーー、ワシ腹減ったぞーーーーーーーー! ”


なんだ飯が食いたいのか。そんならちょい待てや。我、今ど・こ・に・い・る・の・か・な? 辺りを見回しますが…… ん? あれに見えるは南側砦? ああ、ぐるりと外輪山を一周したんだっけね。そんじゃ、空気壁で階段作って、お空へお上りします! ぴょん跳ねぴょん跳ね! 跳ねるときの効果音のぴょんってなんだろね? 音でもないな、擬音語ってやつだな。変なことを考えてる間に里の中まで見れる高さに到着したぞ。そしたらここからは風魔法Lv.13空気纏いで翼状の空気を纏って滑空していきます! 特に季節風が吹いてるわけでもなく、日の出で地面が温まっているわけでもないので地形風が吹いてるわけでもありません。無風なのですんなり里の中へ入れました。さてと、腹ペコうんこ鳥はどこかいな? カンカンとうるさい音は聞こえますな! 誰かと誰かが闘っています! …… なんだ、ボルちゃんとハート様か…… 朝の稽古みたいだな。ちょっと声をかけとくか。シュタッ! はい、おはよーさん!


「おお、スネークか! 今日はいつも通りだな! 」


カンカンカンカン! ボルちゃんもいつも通りだが、日が出る前から訓練しとるんか! 年寄か!

「なに昨日は銭湯に入った後エールを飲んだせいか、すぐに寝てしまってな! おおそうだ、昨日のエールも最高だったぞ! 」


カンカンカンカンカンカン!


「スネーク殿! 昨晩のエールは何ですか! あのように美味いエールはこれまで飲んだことがありませんでしたぞ! 」


カンカンカンカンカンカンカンカン! カンカンうるせー! 


話しながら稽古するのを止めろ! 風呂上がりに冷えたエール飲んだだけだろ! なんでそんなに朝から元気なんだー?


「「それはよく寝たから」」 


寝ただけで元気になるんか…… エルフの特性なんかな? いや、違うな。隊長だからこうなるのか。もうほっとこ。


「おはようございます、神の御子」


あ、グラニーちゃんや。おはようさん。グラニーちゃんも朝早いんだな! 


カンカンカンカンカンカン!


「私は朝日が差すと起きるようですね」


ようですねって…… あ、覚醒してからまだ何日かしか経ってなかったんだっけね。


カンカンカンカンカンカンカカカカカーーーーーン!


「それはそうと、神の御子。地上の風穴はあなたが開けて下さったのですね? 」


あー、そうですねーク。風、吹いて来てます?


「はい、光とともに風の魔力を感じています…… それでですね? 私の写し木のところにも同じようなものを作っていただけないでしょうか…… 」


あ、それは我、配慮が足らんかった。写し木って言うとグラニーちゃんの実からできた苗木のことね。あれも風の魔力を吸って成長するのね。おっしゃわかった! そんじゃあ風穴の出口をあと15個作りましょう! 


土魔法Lv.30 地形操作アースコントロール!地下の風穴の出口を里の周囲にあるマルス・プミラ15本に繋げて!


ガガガガガガガガゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………… 


「こっこれは、昨晩の?!」

「心配ない! スネークの魔法です! 隙あり! 」


カィーーーーン! あ、決着着いたのかな? 




”こらーーーーー、ワシの飯はまだかーーーーー! ”


うるさいうんこ鳥だ。あ、グラニーちゃんは付いて来てくれる? ちょっと会わせたい奴がおるんや。我、うんこ鳥のところにグラニーちゃんを連れていきます。


”来るのが遅い! ワシは腹減ったんじゃ…… ん? そ奴はここの世界樹か? ”


「神の御子…… この大きな鳥は……? 私たちのことを知っているのですか? 」


”ああ、こいつはコウのタローだ。どうやら渡り鳥の一種らしく、1年に1回、世界樹の実を食べて南北に飛んでいるらしい…… アシアティカ様のところにも来てたそうだ。アシアティカ様もこやつに実をあげていたそうだが、グラニーちゃんも年に1回、こやつに実をあげてはくれんだろうか……”


”お! 変わり者の蛇よ! いいことを言う! そこのお前! グラニーとか言ったな? ワシの為に実を付けよ! ”





我、鳥の羽を毟ります!


”ぎゃーーーーーーー! 何をするか! ”


”こいつが失礼なこと言ってきたら、風魔法鎌鼬で切り刻んでやってね! 我とのお約束だぞ!”


「この者に私の実を渡して、何か良いことがあるのでしょうか? 」


”こいつは別名、うんこ撒き散らし鳥と言って、そこら中にうんこをまきちらすのだけど、その中に未消化の種とかがあって、それに緑魔法をかけると里に有益な植物が生えてくる可能性があるのですよ。もちろん外れもあると思うけど”


「わかりました。神の御子がおっしゃるのであれば」


”よし! ではさっさとお前の実を寄越せ! ”


我、今度は土魔法Lv.25礫弾ストーンショット! 胴体に容赦なくぶち当てます! 


バシッ! バシッ! バシッ! バシッ! バシッ! バシッ! 


”石ぶつけるのはやめれーーーーー! ”


今度失礼なこと言ったら丸焼きね(にこっ)!

バシッ! 

それとも水攻めがいいかな(にこにこっ)! 

バシッ! 

あ、飛べなくなる呪いかけることもできるけど(にこにこにこっ)! 

バシッ!


”わかった、わかりましたからーーーー、石ぶつけるのやめてーーーーーーー”


わかったか…… ならばよしっ! 貴様には飯をくれてやる! 昨晩の宴会料理の残りもんだがな! おぇええええええええええっと! あ、昨日貰ったのはから揚げ料理だった! 共食いになるかしら? 食わんのか?


”嘴に絡まってるの、とってくれんか? ”


おお! そういや、銀糸で縛ってたね! 絡まっていたとはつゆしらず! どうやってほどく? そういや結界作る用の【むすぶ】技能とそれを【ほどく】技能があったけど、その【ほどく】が使えるかな? やつの嘴に絡まった銀糸よ、【ほどけろ】……


「くぇえええええええええ!」


あ、解けたようです! 叫んだかと思ったら即座に我が出した唐揚げをつつきだした! 同族食いは気にしないのかなと思ったが、どうやらあのから揚げはリーズィッヒ・コーイのから揚げ、すなわち竜田揚げだったようです! あんなにから揚げばっかり食って、胸焼けしないのだろうか? そんなことを考えていたら


「おはようございます! 朝食の準備ができましたよ? 」


ハンナちゃんが呼びに来てた!


「お? そうか! 私たちも食事にしますか? 」

「そうですな! スネーク殿もどうですか? 」


朝食に誘われてしまいました。うんこ鳥よ、お前はどうする?


”これよりうまいものが食えるのか? ならば、食いに行ってやってもよいぞ! ”


どうやら丸焼きにされたいようですねーク!  



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ