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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
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竹根蛇(ヒバカリ)ってどんな蛇?

今日祝日だった・・・

すっかり忘れててひどい目に遭った><



 一石鍋に入れていたサトウキビの残滓を煮出して、加熱するのを止めます。大人の人全員で煮出した鍋から保存用の壺に移し替えてもらって、雑菌が入らないように蓋をしておきましょう。その間に、我はハンナちゃんの従魔?なのかなぁ? 魔法生物の蛇たちを観察します。イズミちゃんは水の大蛇、ホムラちゃんは火の小蛇だったのが、この部屋では普通のアナコンダくらいの大きさです。そしてクルちゃん! こいつはなんだ? 面妖な! 蛇と鳥のハイブリッド!駝鳥ならぬ、蛇鳥です! 虫と馬とで大違い! この子は風魔法でできた蛇なのだな? 赤い実を落としたところを見るに、翼が刃になるのかしら?


”その通りでございます、兄者あにじゃ


あ、兄蛇あにじゃか…… 確かに生まれた日は君より早いけども! そういうことならば、イズミちゃんやホムラちゃんは我の兄蛇… 姉蛇の方か? と呼ばなければいけないのか?


”マイロードのダーリンにはそのように呼ばれなくても、”イズミ””ホムラ”で十分でございます”

”誰がダーリンじゃ!”

””それでは、旦那様とお呼びいたします””


声をそろえて言わんでもええわ!  ……魔法でできた生物か・・・・・・ 魔石とかはないんだよな? …… 我の作った水晶玉とか飲んでみる? イズミちゃんとホムラちゃんに、ハンナちゃんが持ってるマジカル☆ステッキに付いてたのと同じ大きさの水晶玉を出します…… 水魔法の入った水晶玉は前に作ったから、火魔法を体内で水晶玉に込めまして…… おえっおえっ! マジカル☆ステッキに付いているのとほぼ同じルビーとアクアマリンだったかの宝玉です。これを飲ませてみたらどうなる?


「これはラセンダちゃんの二蛇についている宝玉と同じもの・・・・・・ なんだか色合いが私のより濃いですね…… 」


ラセンダちゃんというのはマジカル☆ステッキの事なのだ! ボルちゃんがハンナちゃん専用の武器に螺旋蛇杖ラセンダジョウと名前を付けてしまったのだ! そんなことより! それを飲んでみたまえ! 


「よかったですねぇ、イズミちゃんにホムラちゃん! で、あと二人の分は? 」


ニワトリ蛇は…… あの大きさの玉は飲めないだろ? それでビビリ蛇は、何属性なの?


「ビビリ蛇ではありません! カリンちゃんです! 魔法は…… なにが使えるんですかね? スネークちゃんをイメージしてイズミちゃんをもとに創造したのですが? 」


うーん、本蛇ほんにんに聞いてみたらいいんジャないか? あと、ニワトリ蛇には砂利くらいの大きさに水晶玉を小さくしてあげてみよう! おぇーーーーーーーーーーーーーー!パラパラパラパラパラパラパラパラ! ビー玉くらいの大きさにしてたくさん出したった。


「あぁ、鳥ってなんでも丸呑みしますもんねー。その鳥頭の蛇さんにはちょうどいいのかも! クルちゃんもイズミちゃんもホムラちゃんも、さあさあ、それを飲み込んでみて!」


三蛇さんにんのうち二蛇ふたりはそれぞれにあった玉を丸呑みしていきます。残り一蛇?鳥?(ひとり)は高速でビー玉を咥えては飲み、飲み込んでは咥えていきます…… さて、最後の一蛇ひとり、ヒバカリよ? お前はどうする?


「…………ふんふん・・・・・・ 僕は……? ご主人様の役に立ちたい……? うんうん、カリンちゃんはいてくれるだけでお役に立ってますよー! 」


ハンナちゃんは、なぜそのヒバカリを創造したのだ? なんか目的があったんジャないのか?


「そうですね、最初にカリンちゃんをだしたのは、マギ・バンブーに毒を注入する作業をやっていた時です。バンブーの根に毒薬を刺していた時に、王立図書館にあった本の内容を思い出しまして…… 」


それが、この蛇か? 竹の根に住んでいる蛇なのか? それで、変なルビが振ってあるのは?


「カリンちゃんは、猛毒を持っているらしく、噛まれると命がその日ばかりになるという説明でした…… ですが、この子は本来は毒を持ってないそうです。私があげた毒を飲み込んで、牙から出すことはできるみたいですよ」


ふーん、我の”貯める”に似た機能があるのか…… それと牙があるんなら、それなりに戦えるのか?  我の念話は聞こえてるらしい。首をふるふる横に振っている。


「…… 戦うのはコワいからいやだそうですよ? 」


・・・・・・さよか。まあ戦うばかりが役に立つ道でもないしな。・・・・・・ そうよな、はんなちゃんは衛生兵なんだから怪我した兵を治療するのに麻酔とかを使ったりするだろ? それの手伝いをすればいいんじゃない? お前、赤魔法使えるか? カリンちゃんはふるふる首を横に振ってますな。それじゃあ、この子には、我の赤魔法を込めた水晶玉を渡しましょう…… 体内で水晶玉に赤魔法を注入して、おぇっと! 


「ス、スネークちゃん? どうしたのですか! 血を吐いたの? 」


血ぃちゃうわ! 形がまんまるだろ! いつもの水晶玉だ! 赤魔法の魔力を込めたのさ! それ、その蛇に飲ませてみて!


「赤魔法というと、毒とか麻痺とかの魔法でしたよね? 」


そそ! 麻痺魔法ならハンナちゃんの役に立つだろう、あと入眠魔法もあるから便利と言えば便利! 元が水魔法でできてるんなら魔法水の量を調節して、その牙で打ち込めば効くんでないの?


「なるほど~、どうしますかカリンちゃん? スネークちゃんはあなたのお父さんみたいなものですよ? お父さんの言うこと聞いてくれます? 」


誰がお父さんか! 言うならせめて、父蛇ちちじゃじゃ! あ、どっちみちお父さんだ!


ヒバカリのカリンは血色の水晶玉を飲み込んだ…… これで全員、我の出した水晶玉を飲み込んだことになりますな。


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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