頑張った子にはご褒美です
今章終了まで、あと何回?
我、体内に貯蔵してあるサトウキビを全部出します。ボル・イタチことミィアちゃんにお仕事依頼。このサトウキビ、全部細切れにしてちょー!
「みゃっ!」
鎌になってる右手をあげて、元気良く返事をしました。それと同時に、
サクサクサクサクサクサクサクサク!
あっという間に大量に目の前に積まれていたサトウキビの束が、みじん切りにされてしまいました。
「おおぉ…… ボルドウィン殿の従魔はスネーク殿だけではなかったのですな! 」
「ミィアちゃんは従魔ではなく風魔法鎌鼬です・・・・・・が、私の魔力が増したことで常に顕現できるようになりました」
「いわば、召喚魔法鎌鼬と言ってもいいのです! いいなぁ!」
「ヴィンも魔力が増大したのだから、それくらいできるのではないか? 」
「あっ、そうですね! それじゃあ・・・・・・ 隊長は呪文を唱えなくてもヴィーゼル呼び出せるようになったんですよね! 私も…… 出でよ! 竹根蛇ちゃん! 」
ぼよん! なんだか丸々太った蛇が出てきたぞ! なんとなく、どことなくわれに似た感じが・・・・・・
「スネークちゃんは初めて会うのでしたかね。この子が私とスネークちゃんの愛の結晶です! 」
あれ? 里に来たばかりの時に我の魔法水を吸収したやつか?
「違います。あれはイズミちゃんです! この子は竹根蛇ちゃんです! 」
変なルビが振ってあるのだが、ヒバカリちゃん? 我に似ているようだが…… 特に何をするでもなくハンナちゃんに愛でられてるだけか。そんじゃ邪魔しないように、我、作業を続けますよ…… ミィアちゃんが切り刻んだサトウキビをマギハンドでつかんで一斗鍋の前でぎゅっと搾ります! サトウキビの一番搾り!たくさん汁が出てきましたな! 搾りかすは水に浸けてラム酒の発酵原料にします。それで搾り汁は煮詰めて黒砂糖に・・・・・・うーん、これはこれでおいしいんだけど、個性があるというか癖が強いというか…… メルゼブルグでやったように、砂糖に精製する魔道具つくるか。我、土魔法で2段引き出しのある箱を作ります。いつもの食べ物保存箱ですな! そして
青魔法Lv.4 祝福!
“プップ~”
“どのような祝福を施しますか?”
“搾り汁から1段目の引き出しに入れたら2段目の引き出しに糖分を粉の状態で入れて”
“パヤヤヤ~ン”
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと6!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと6!】
【WARNING!WARNING!WARNING!】
【水魔法消滅まであと6!】
「い、今の魔法は? 」
「スネークちゃんの祝福魔法ですね。これは前に見たことがある箱ですね」
そう、サトウキビの搾り汁を入れると、白糖が出てくる、名付けて”糖箱”。マギハンドで上のボックスに絞り汁を入れまして引き出しを閉じますと……… なにが起きてるのかな? ティン! 音が鳴った?! 下の引き出しを開けますと…… 真っさらさらのお砂糖ができました!
「スネークよ、残りはあと何回だ? 」
あと6回だな……
「ふふ、砂糖を作るのに残り少ない魔法を使うのがスネークらしいな」
酒はどうにかできるが、砂糖はなぁ。現状、祝福箱に頼るしかないしな。ところで、先ほどいい仕事したミィアちゃんには、ご褒美があります!
「みゃっ? 」
ボルちゃんよ、これを渡して食わせてみてくれ。我、グラニーちゃんの赤い実をおえっと吐き出します!
「い、いつのまに! 」
「スネークはヴァイスハイト・オープストをグラニーラムゼースミス様からたくさんもらっていたからな。里長に知られたらうるさいかもしれないので、内密にしてくれると助かる」
「あたし達なら大丈夫よ」
「だって、こんなにいいもの作ってもらったんだもん! 」
「「「ねぇ! 」」」
「ありがたい…… で、これをミィアちゃんにあげればいいのか? 」
ボルちゃん、ボル・イタチにおいでおいでをすると手が鎌から普通に戻ったボル・イタチがテッテケテーと地をかけてやってきた。そこは空を飛ばんのかい!
「そら、ミィアちゃん! スネークがご褒美をくれたぞ? 」
ボルちゃんが赤い実を手渡すと
「みゃあ!」
シャクシャクシャクシャクシャクシャク……
はえぇ…… あっという間に食いつくした。赤い実はエルフのみならず魔物のみならず、魔法生物にも大人気のようだな! おっ? なんか光ったな? 我、大体想像つくぞ! ボルイタチが喋ります、この後、すぐ!
とりあえず本日はこれにて。
お読みいただきありがとうございます。




