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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
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ラム酒を作ろう

まだしばらくは大丈夫みたいです。

あと、10数話ぐらいで一区切りできそうなのですが、そこまでもってくれるかな?


 子供らはチョコバナナ食って満足して帰ってくれた・・・・・・ そんじゃ、酒作りの話をしますか。


「ちょっと待ってくれ、スネーク殿! オレの一存では何も決まらない! 里長を呼んでくる! 」


クラさんダッシュで出て行った。酒の原料作るのはクラさん達だから、クラさんに先に話した方がいいと思ったのだが。


「スネークちゃん。メルゼブルグの時みたいに、お助けイモでお酒を造ればいいのでは? 」


うーん、それも手ではあるが…… アレは魔道具の助けを借りて作るから風味がいまいちなんだよなぁ……いろんな飲み物を混ぜてカクテルにする分にはいいと思うけど。


「と、いうことは! ここで作るのは風味豊かなお酒になるということね? 」


姉さんズの隊長? レオナさんが突っ込みを入れてくる・・・・・・ さてはこやつも酒好きか?


「個人的な嗜好の問題よね。 好きな子は好きだし、そうでない子は飲まないし。だけど、甘味は別物よ! 」


それだったら、養蜂でもすればいいのに……


「この里は、グラニーラムゼースミス様を精霊化させるのが目的だったからな。今まで、そういった我々の嗜好を優先することはなかったのよ」


そんじゃあこれからやればいいじゃん。


「それはそうなんだけど、蛇ちゃん、エルフの里ってここ以外入ったことある? 」


いんや。ここが初めてでごわす!


「エルフの里は、本来もっと森のようになってるの。森の恵みを得て生きているのよ。森の中に少しだけ畑を作り糧を得ているの。ここって、ほとんど木を見なかったでしょう? 」


うん。なんかこの辺からっていわれたところに、迷い惑わしの樹があったくらいか…… あと、竹。あれは外来種だしな。まぁだいたい崖だったからな、ここ! 我、平たくしただけだから!


「グラニーラムゼースミス様が精霊化したから、次は周りを森にしなきゃいけないのよ」


それはまあ頑張ってというしか。川、というか渓流だけど、もあって水は豊富なんだから、あとは虫を引き付ける花の咲く木を植えて、虫を鳥たちに食べさせて、たくさん肥料を落としてもらって(ウンコが肥料です! )、ちょっとずつ木を育てていけばいいんじゃない? で、何の話をしてるんだ?


「いやねぇ、その、サトウキビ? それをここで栽培しても大丈夫なのかなって思って…… 」


ん? 気候的な意味合いでか? それなら品種改良してこの辺の気候でも生育できるようにしといたから大丈夫だぞ?


「その、サトウキビってやつ、さっきの甘味にも使ってたでしょ? お酒の材料にもするっていうんだったらものすごく栽培しないといけないんじゃない? 換金作物にするんだったら」


ああ、まあそらそうなるだろうねぇ…… でもその辺は里のエルフで話し合って決めるべきでしょ? 毎日甘いもん食べたり酒飲んだりしたら換金できるものもできなくなるし、かといってなんでも我慢ばかりしてたんじゃ、何のために生きてるかわからなくなるしさ。


「そうなのよねぇ…… お義父さん、わかってくれるかしら…… 」


お父さんて、誰だっけ? あ、ポッポちゃんか。あれが、お義父さんか…… 案外義理の娘には優しいかもしらんから、そこは何とも言いません。


「こらーーーー! 誰がポッポちゃんかーーー! 」


お、噂をすれば影が差す、というやつですな! ポッポちゃん登場。・・・・・・ん、赤ら顔ですねぇ。飲んどるな!


「おーうょ! 飲んどるよぅ! おいボルドウィン! こみゅすめのくせに、ひょくひゃけをもってきたぁ! 」


酔っとるな!


「んでぇ…… なんだってぇ……? 里でさぁけをつくるぅ……? けっこうけっこう! どんどんつくりんひゃい! ろんなものをちゅくるんでふかぁ? 」


へべれけですな!


「スネークちゃん、ごめんなさいね。あちらで久しぶりに調子乗ってヴァイン飲んでこの有様よ。酔い覚ましのハーブティでも残ってればよかったのに…… 」


酔い覚ましのハーブティね。ミントならあると思うが…… 別にそのままでもいいやん。魔植がいなくなって緊張も取れたんだろう。たまには酔わせておあげんしゃい。


「おおっ! ぃま、小娘従魔がいいこといったぁ! きひゃまには、里に出入りする権利をあたえてひゃろう! うぃっく! 」


そんな権利なくても勝手に忍び込むけどさ。


「それで蛇ちゃん? その酒はどうやってつくるんだい? 」


うん。作り方は簡単かな。ここにあるサトウキビ、汁を使って蔗糖を作った後も糖分があるので、細かく刻んで水に浸けて、糖分を発酵させるんや。発酵させて早けりゃ1ヶ月でアルコールはできるから、それを蒸留してあとは木樽に詰めて熟成。どれくらいかかるかはしらん!


「その施設を里に作ってくれるの? 」


まあそうね。言った手前、施設作成までは作りましょう。どのくらいつくるか、どの程度の期間発酵させるか、どのくらい熟成させるかはそちら任せですよ? まあ、我もそんなに詳しいわけではないので。そんじゃあ、適当なところに作っていいか?


「ええともええともぉ~! 」


ちょっと奥様? もうポッポちゃん寝かせた方がよくはないか?


「そうですねぇ……って、 スネークちゃん、いつから喋れるようになったの? 」


いや、ずっと前から喋っていたのだが…… それが魔道具なしで伝わるようになったのは最近のお話です。そんじゃ、ポッポちゃんの許可も貰ったし、やるか! 

本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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