我、大きな鳥さんにまた出会う
コウのタロー、出陣!
どうやら我の体、地面に沈むのが止まったようだ。なんだ? この魔法? 体が重くなった感じがあるぞ? もしかして、重力魔法とやらか? それにしては周りの土が柔らかい感じだなぁ…… あ、止まったのは植木鉢の底に到着したからか。
「スネーク殿~、大丈夫ですかーーー? 」
上の方から声が聞こえる。ああ、大丈夫… なのかな? 我、動けるかどうか確認。丸まる。丸まれる。尻尾を軸に、立つ。立てる。大丈夫だな。我、ジャンプ! 地上に到着!
「私が土魔法を使ったらスネーク殿が地面に埋まったのでしょうか? 」
うーん、因果関係は…… たぶんないな…… クラさんの土魔法、ちゃんと見てなかったけど、あれはなに? 表面を掘り起こす魔法? 揺籃鳴動って言ってたけど?
「そうですね。あれは種や苗を植えるときに、植える場所の土を盛り上げて隙間を開ける魔法です。播種するときに便利な魔法ですよ」
なるほろ~、この辺の土が柔らかかったのはそのせいなのかな?
「私たちは里長に報告してきます。一つの年に二度もヴァイスハイト・オープストが起きるなんて! 」
里の人たちも去っていきましたな。珍しい出来事なのかな?
「そうですね。魔力と地力があれば、二度ならず幾度も実をつけることはできるのですが」
そっかそっか。うちのアシアティカさまには魔力、おそらく光の魔力が足りなかったんだろうなぁ。あ、我の緑魔法の魔力が足りなかったのかもしれないが。養分はたっぷりのハズや!
「神の御子? アシアティカ様もちゃんと呼んであげた方がよいですよ? 」
なにぃ? わかるのか、グラデン!
「グラデンというのはなんでしょう? 」
あーーー、あまり気にしてほしくはないのだが、我が知らないことを誰かが知っている場合、名前の後ろにデンを付けるのジャ! ボルちゃんだったらボルデンだな! (民明書房)。
「そうなのですね。わかりました」
でもやたらと使ってはダメだぞ! 知ってる人が相手じゃないと伝わらないからな! そんじゃ、もう少し赤い実を食べてもいいかな?
「いいともーーーーー! 」
だから、そのネタはどこから仕入れてくるんだろう?
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我、グラニーちゃんの本体樹にジャンプして、赤い実をせっせと飲み込みます。ポッポちゃん達が来る前に体内に蓄えておきましょう。さっきたくさん蓄えた気もしますが、赤い実はいくらあってもいい。お竹さんやその使い魔たちが欲しがりますからな。
それにしても…… 大きな木ですな。アシアティカの神樹さまもでかかったが…… マルス・プミラというのは巨樹になるんだなぁ。ちょっと我、上まで登ってみようかしらん? びょんびょん跳ねて頂上を目指します。まあ我くらいになれば頂上に到着するのもすぐですな!
ぐるりと見渡せば、ああ、里の入っている崖は我が上物を砂に変えて吹き飛ばしたのでなくなりましたが、まだ周辺の崖の方が背が高いようですな! しかし、見晴らしはよくなった…… 我が、周囲の崖を水晶に変えて飲み込んでしまいましたからな! そんなことしてよかったのかな? まあ平地が増えて食料も増産できるようになるだろうし、大丈夫か。我が心配するこっちゃないしな!
それにしても、雨上がりの夕日は奇麗ですねーーー…… んんーーーーーなにやら黒い点発見。だんだん大きくなりますなぁ。なんでしょうかねぇ、あれ? 見たことあるシルエットだなぁと思ってたら、ああああああああああ! あいつは!
「クェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 」
うん〇こ撒き散らし鳥!
”こりゃーーーーーーーーーーーーーーー、誰がうんまるこ撒き散らし鳥かーーーーーーーーーーーーーーーー! あっ! 貴様はいつぞやのデブヘビではないか! なぜ、ここにいる!? ”
我をデブヘビと呼ぶ貴様は、コウのタローだな!
タローーーーーーーーー! うん〇撒き散らしナンバー1!
うん〇の父がいる う〇この母がいる
そーしてタローが ここにいる~♪
空を見ろ 星を見ろ う~ちゅうを見ろ~♪
彼方から 迫りくる でかい鳥~♪
タローが飛び立つ~♪
タローと戦う~♪
タロー タロー タロー!
〇んこ撒き散らし鳥 タロー♪
”変な歌を歌うな! なぜここにいるかと聞いておる! ”
貴様こそ、ここに何しに来た! 南に行ったんじゃなかったのか!
”もうとっくに南国生活は終わったわい! 帰り道に世界樹の実の匂いがしたので飛んで来たのだ! ここはまだまだ先と思っていたが、もう実を付けたようじゃな! それではいただくとするかい! ”
やるか、ぼけーーーーーーーーーー!
”なにぃ! 貴様、ワシの邪魔をするのか! ”
お前、我にう〇こぶつけておいて、よくもそんなセリフ吐けたな! ぶっ飛ばしてやる!
本日はこれにて。
お読みいただきありがとうございます。




