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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
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誤字脱字報告ありがとうございます。

適宜修正させていただきました。


 自分本体の姿を見てまあ美しいわとか思ってるのでしょうかね? ちょっと声をかけてみますよ。


”神樹さま、どうした? ”


なんか振り返り方がゆっくりとみえますが気のせいなんでしょうかね? 髪の一本一本がふぁさっと広がりました! そしてキラキラが飛んでますな!


「神の御子ですか…… 先ほどのいかずちとこの雨は神の御子の御業ですね? 」


やはりばれてたか? カミナリ鳴るとちゃんと植物の養分ができるんだねー。この辺り一帯ってどうも土が貧弱だし、崖をなくして平地にしたので、ついでに土壌が豊かになるようにしてみたのだ。まあ本命は神樹さまのためだけどな。やはり葉っぱの緑が濃くなったねぇ~。雨に濡れて夕日に当たってるからキラキラが増してますな!


「神の御子…… 私に緑魔法を使ってくれませんか? 」


ああ、何かしたいがわからないけど…… 緑魔法の入った水晶でもいいかな?


「いいともーーー! 」


そ、その返事は…… 元気があってよろしいですね。 我、体内で作った緑色した巨岩水晶塊をおぇええええええええええっと吐き出しました。どぉおおん!


「これが緑魔法の入った水晶ですか…… 」


うん、ちょっと欲しいだけ魔力を吸い取ってみて?


「わかりました……… それでは、いただきます! 」


神樹さまは本体の中に入っていった…… 根っこが緑色の水晶部分に巻き付いたと思ったら、すぐに神樹さま全体が緑色に光ります! でっかい水晶の緑色があっという間になくなったよ! そして神樹さまのさっきまでのキラキラが緑魔法のキラキラにあっという間に塗り替えられてしまいました! しばらく光ったと思ったら、あらら? 花が咲いて実が成りましたな! あれ? この前実をつけたんではなかったっけ? エルステン・エルンテとかなんとか言ってなかった? もう今年は実はならないものとばかり思ってたけど?


”あれは魔力の貯蔵と養分の蓄えがあるなら、別に年に一度といわずいくらでもできるのです。神の御子に存分に食していただきたいのです”


もしかして気を使ってくれた?


”いえ、これは頂いた魔力の余剰です。私から神の御子へ贈り物が作りたかったので緑魔法を使わせていただきました”


なんだろ? 巨岩の水晶の魔力を全部使ってくれる贈り物? 風の実の事やろか? 風の実も成ってるな。


「いいえ、いえそれも差し上げるのですが……」


あ、神樹さまが木の中から出てきたよ。両手で何かを掬ってますな。あれは! 我、見たことがあります! 風結晶というやつや!


「これを神の御子に差し上げたくて、緑魔法を使っていただきました。どうぞお納めください」


わ~あ、ありがとう! これ、欲しい人がいるんだが、その人にあげてもいい?


「はい、神の御子の御心のままに」


そんじゃあ、ちょっとボルちゃんを呼ぼう!





「神の御子…… 」


なんですかな?


「その… 厚かましいと思われるかもしれませんが……」


いや、たぶん思わないと思われます!


「ボルちゃんの名前はボルドウィンなのでしょう? でしたら私もグラニーちゃんとお呼びしてもらえたら……」


神樹さまと呼ぶのは嫌だった?


「いやというわけではありませんが… ボルドウィンと仲がよろしいようなので、私とも仲良くしていただけたら… 」


親しき中にも礼儀ありという言葉があるのだが… まあ失礼にはならん程度に仲良くするのは良きかな良きかな! それじゃあグラニーちゃんで! まあ、時々そう呼んでましたけどね。と、いうわけで大至急!



”ボルちゃん警部、ボルちゃん警部、大至急、世界樹さまのところまで! ”


「あの、世界樹と呼ばれるのですね?」


エルフの人たちにとってはグラニーちゃんに敬意を払わないといけないからな! そこは我慢のしどころよ!


”どうしたスネーク! 何用か? ”

”一人でこっちに来てくれ! 大至急! ”

”なんだかわからんがわかった! すぐ行く! ”


と言って、ほんとにすぐ来た! なんや、こいつ!


「スネーク! なにごとか!って、あれーーーーー? どどどどどーして、ヴァイスハイト・オーブストが? これは年に一回だったはず… スネーク! 緑魔法を使ったのか? 」


正確には緑魔法貯金な? なんか世界樹さまが使ってくれというからそこの魔力水晶の分だけ緑魔法を使ったら、こんなになった…… というかそれはおまけだ!


「おおおおまけ? あれがか? ヴィンド・アプフェルもあるようだが! 」

「ボルちゃん、神の御子があなたにこれを差し上げたいそうです。受け取ってください」


グラニーちゃんが両手に掬っていた結晶石をボルちゃんに手渡します。


「これは…… 風結晶…… よろしいのですか? 」

「はい、神の御子に渡そうとしたら、それはボルちゃんに渡してと言われましたので」


ボルちゃんが持っていた風結晶は王里から貸与された、と聞いたから返さなきゃならんのだろ? ボルちゃんが持ってたのは我が貰っちゃったから、それを王里に返すといい。ああ、ついでにこの水晶は魔力を吸収したり放出したりできるからグラニーちゃんは風の魔力をこれに出し入れして魔力の総量を上げるといいかもしれんよ。あ、もう一つぐらい緑魔法の水晶をあげとくか。おぇええええぇええぇっぇっぇぇぇっぇ! ふぅ…… さっきの水晶岩の倍ぐらいの大きさのが出てきたよ。これは邪魔なり。グラニーちゃんの根の下に埋めておきましょう。


土魔法Lv.30地形操作アースコントロール! 水晶岩をグラニーちゃんの根の下に埋めて!

なんだか岩がずるずると沈んでいきます……底なし沼に落ちたみたいですな!やがて岩のすべての部分が見えなくなりました。あんまり使うことはないけど、何かあったらそれ使って! 空になったらまた補充をしに来るね!


「スネークよ、呼び出したのはこれを渡したかったからか? 」


うん、まあそうだけど?


「風結晶は貸与されたといっても、任務が終わればそのまま褒賞として与えらえるものだったのだ。だからまあ、そんなにしてくれなくってもよかったのに」


そうなのか。それじゃあ、ついでにボルちゃんの”蒼天”の水晶玉のところに、これをはめればいいんでないか? 水晶玉よりいいと思うぞ? 魔力はなくなんないし!


「なくならないということはないと思いますが、人が使う分に比べたら結晶石が保有する分は無限にあるように感じるかもしれませんね」


あれ? と、いうことはですよ? 我の飲み込んだ結晶石の魔力も、そのうちなくなっちゃうの?


「ただ、結晶石の魔力がなくなるほど使われたという話は聞いたことがありません。我らの実の魔力ならエルフであればなくなることもあるそうですが」


ああそうなのねー。だからエルフの人たちはアルス・プミラを大事に育てているんだ。ま、とりあえず、ボルちゃんは風の実を捥いで食ったらええよ。また三つくらいなってるし。あとはハンナちゃん用かな? 

本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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