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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
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キレイな神樹さまは好きですか?

タイトル部分の話が最後のちょっとだけになってしまいました・・・


奇麗なお姉さんのCM、懐かしいなぁ(*'▽')



 ブツ切り、と言ってもブツが巨大な塊のままですが、ハンナちゃんが水洗いをして収納箱へ仕舞っていきます。血の入った壺にはワインを1割ぐらいの割合で入れて姉さん達が運んでいきました…… 変なことに使うなよ! あとは、トレイはここに置いといていいか。リーズィッヒ・コーイがまだまだうようよいるなぁ…… アレはちっちゃいからリリースで。捕まえてはいないが。アレを養殖できるようにすればいいのにね。皆さんその場を離れた。さて、我は……


「スネークちゃん! ささ、食堂の方にいきましょう! 」


いや、調理は君等でやるんやで? スッポン鍋は夏に食べたら暑くないかなぁ?


「おいしいものはいつ食べてもおいしいのですよ! ささ、早う!  」


えーー、エルフの姉さん達に任せておけばいいんじゃねーの? 違うとしたら昆布いれるかいれないかだけじゃないんか? あと、調理するときにお酒を入れてるのは見たことないのだが、やっぱり勿体ないと思うのかなぁ? 鍋物にはお酒を少々入れるだけでずいぶんうま味が深くなるのだが……


「なるほど、お酒は酔っ払うために飲んでいる大人にとっては、そんなことは思いも付かないのでしょうね!」


ねぇさん達の調理法はどうなんや?


「こちらでのシルトクレーテの調理法をスネーク先生が聞いてますが、皆さんはどう調理されるのですか? 」

「調理と言ってもねぇ? 」

「めったに取れるものじゃないから、適当にブツ切りにして塩でもんでお鍋にぽーいよ? 」

「もしくは串刺しにしてトロ火でじっくりよー? 」

ああ、煮るか焼くかしかなかったんだっけね…… しかーし、煮るにしてもだしを取ったりせんのだろうか? 単に田舎だからであって王里とやらでは違うのかな?


「エルフ族というのは食にはあまりこだわらなく、自然に取れたものをそのままに食するんだ.おかげで料理の方は基本人族には大きく差がつけられている。それがいやで、エルフの里を離れるものも現れる」


フランクフォートのギルドマスターのことか?


「いや、あの方はそういった理由ではないそうだ。私も前に聞いてみたが、教えてくれなかったぞ。そういや、お前、ジャンプするときの高さが高くなったな? 横に大きくなったせいか?」


そうなのだ! 我、ぴょん跳ね移動してたら、目線がボルちゃんと同じ所に来るようになったのだ! 前はハンナちゃんぐらいだったのだが。それは太ったせいなのか? 単に筋肉質になったのか? 考えてたら、背中から衝撃が!


「捕まえたーーーー! スネークちゃんを、獲ったどーーーー! 」


我は獲物ではありません! 離しなさい! 我、頭側としっぽ側をジタバタジタバタ!


「ム! これは丸々と太った活きのいいスネークちゃんですね! 」

「うちの宿六も、これくらい活きがよければねぇ? 」

「すぐに逝くのよねぇ…… でもシルトクレーテ食べさせたらこれくらい暴れん坊になるのかしらねぇ? 」

「何の話をしてるんですかね?」


ハンナちゃんが首をひねる。我あきれて動くのを止める。ねぇさん達や、夜の性活のはなしについては子供がいるので止めてもらいましょう……


「ムキーーーーー! またスネークちゃんが、私のことを子供扱いしている!」

「でもハンナちゃんて成人まだでしょ? 」  

「頭脳は大人でも体がねぇ? 」

「大人になったら大人の喜びがあるのよ? 」

「はぁそうですか」

「そうよー、今のうちから男を落とすテクニックでも身につけてみる? 」

「うちの衛生兵をたぶらかすのは止めてくれ」

「それなら隊長さんを誑かすのはいいのかしら? 」

「私はそちらには興味がないのだが? 」

「あらー、きれいで男前なのに。あなた男だったらほっとかれないわよ? 」

「男ではないのでな。さあ、着いたぞ。あとはどうするんだ? 」

「それは師匠先生次第ね。どうするのかしらね? 」

”この分量をいっぺんに調理するのか? なら熱がこもるといけないので、外で調理した方がいいと思うのだが? ”

「そうよねぇ。でもお外で調理するには水場がないし…… って、あれ? 今話したのは師匠先生なの? 」

「え? 私には何も聞こえなかったけど? クララはどうだった? 」

「私も何も聞こえなかったわよ? ていうか、聞こえたのってレオナさんだけ? 」

「師匠先生が何かしたの? 」


レオナさんって、一番よく話している人だな…… その人以外には我の話は伝わってなかったのか…… どういうこと? 我、八つのジト目でみられます…… いやん、照れちゃう! 男の子だもん><


「あ! 聞こえたわ! 」

「聞こえた! 」

「何、男の子だもんってwww」

「師匠先生はオスだったのね! これは誑かさナイト! 」


いや~、エルフのお姉さんたちは奇麗なのですが、皆さん結婚してるんでしょ? 浮気はだめだぞ! つーか、技能『おもうはなすつたわる』が進化してないか? 確か赤魔法Lv.4催眠ヒュノプスを使わないといけなかったのでは? あ、ハンナちゃんがこっちをジト目で見ている…… と思ったら、額金ずぼっと外した! 何をしているのかな?


「なるほど、どうやらスネークちゃんとは額金がなくなっても話ができるようになったようですねーク! フフフ。これでまた一歩、野望に近づいた! 」


なんや野望って! とりあえず、野外調理場をこっちに持ってきてたよな! そこで調理すればいいじゃない! 貯水塔はまだ使える? 使えるんなら、そこに水を入れて。あとは1石鍋に水入れてお湯にして。それとは別に1斗鍋に水入れて、こっちは熱湯になるまで加熱!


「師匠先生、どうしてお湯を二つ沸かすんですか? 」


ああ、それは、大きい方が普通の料理ナベで、小さい方は霜降り用だな。


「スネークちゃん、霜降り用ってなんですか? 」

「あら? ハンナちゃんは師匠先生が今何か言ったかわかるの? 」

「え? わかりませんでしたか? 」

「え? 」


お互いに顔を見合わせるハンナちゃんと、レオナさん。この念話、なんかおかしい……


「ふむ、どうやら、スネークが見ている相手としか話はできないようだ…… 便利なようでもあり不便なようでもあるな… 」


そうなのか? そうなのかもしれないな。額金使えば伝えようとしたことは遠くでも伝わるしな。額金がないと、1対1出ないと意思疎通ができない、というのは不便なようでもあるが… まあ今までからしたら格段の進歩です!


「それで霜降り用とは何だったのですか? 」


ああ、鍋に入れる前に、生の切り身に熱湯をかけるか熱湯に入れて、身の血とかぬるぬるとか臭みを固まらせて、そのあと冷水に入れてその部分をとる作業が霜降りなのじゃよ。これをやるとやらないとでは味が格段に変わってくるのだが…… ボルちゃんの話では、とれたものをそのまま味わうのがエルフ料理のようだから、やりたくなかったらやらなくてもよいのだが…… 料理はひと手間咥えるだけで味が上がることは知っておいても損ではないと思います。我はねぇねぇ姉さんズの目を見ながら説明しました。ハンナちゃんは面倒だから額金かけててね。


「そう言えば、煮るとなんだか焼いたときに比べて匂いがきつかったわね」

「串焼きにできないような小さい部分を使ったからじゃないかと思ってたけど、そんな理由があったのね」

「私、シルトクレーテって匂いがきつくてあんまり食べられなかったけど、それなら霜降りやったらたくさん食べられるようになるわね」

「またきれいになっちゃうわ…… うちの旦那が寝かせてくれないかも!キャッ 」


姉さんたちの年はわからんのだが、結婚してるということはそれなりにいってるのだろうか? 我、思ったことが伝わらないように目を閉じて考えます。


”スネークよ…… あまり彼女らの年を詮索するな…… ”


そうですねーク…… おっと!! 我はちょっくら神樹さまのところに行ってくる! 霜降りする前に切り身を塩で揉んでくれ! あと霜降りする前に氷水を準備しといてくれたまえ! すぐ戻るーーー!

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



 さてさて、エルフの虹色青空食堂を飛び出した後は、神樹さまのいる植木鉢のところにジャンプジャンプ!稲妻効果はさていかに? むむ! 木の幹は影響ないようだが…… 葉っぱがつやつやになってる! 雨降ったばかりで、夕日が反射しているからか? いや、違うな。それだけじゃない、緑が濃くなっている。つやつやや! あ、精霊状態の神樹様がいた! 後ろ姿だ!自分の本体の姿を見ているのかな? 精霊状態の神樹さまもなんか輝いてますな。特に緑色の髪がキラキラしてます。キューティクルが天使の輪っかみたいに見えます! キレイな神樹さまは好きですか! 好きに決まっとるやないけ! 


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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