表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
653/786

雷鳥、ァ・ゴー!

いにしえの人形(?)劇をオマージュ…… してるのか?


サンダァーーーーー○ード♪

青く光るひろ~ぃうちゅーーぅへ

行け風を巻いて~♪


最近ではネットでも見られますが……リアルで見てた人はいるのでしょうか?

私はリアルでは見たことない^^(ホントですよ^^;)



 蚊柱に突っ込んで虫を食いまくっているピ太郎軍団。最初はバンバン突っ込んでいたが、だんだん突っ込む回数が減ってきた。もうお腹いっぱいになったのかな?



『父さん、ウキを感じます!』


なんじゃそりゃ? 妖気を感じるんじゃないの?


『もうすぐ雨が降るよーーー』

『雨降ったら飛びにくいーー』

『お腹いっぱいになったから休むーーー』


あ、なるほど。もうすぐ夕立が降ると。なら、やることがありますな。


「やることとは? 」


ああ、危ないからちょっと建物の中に避難しててくれる?


「で、なにをやるんだ? 」


雷を放つ! 


「なぜ、雷を放つんだ? それは必要なことなのか? 」


ボルちゃんは知らんだろうが、ハンナちゃんはわかるか?


「えーと…… シロノムスを追い払うため? 」


シロノムス……ってあの蚊柱のことか? アレはユスリカだったと思うのだが、こっちではシロノムスというのか。電撃で蚊が追い払えるかどうかはしらんが、そうじゃない。


「だとしたら…… え? もしかして、あの迷信を信じてるんですか? 」

「迷信とは何のことだ? 」

「本で読んだことなのですが、雷の多くなった年は豊作になる、というのがあるそうです.えらい学者さんがその迷信を調べたそうですが、真偽は不明。ただ、そんな事象がある年もあった、と記載されていました」

「ヴィンはいろいろ博識だな…… で、スネークがやろうとしていることはそれと関係があるのか? 」


有るともさ、オオアリクイさ!


「「オオアリクイ? 」」


そこはスルーしてもらえると助かる…… ハンナちゃんや、その本を書いた人は正解じゃ! 雷で空気中の窒素を電気分解して窒素酸化物になって雨に溶け込み、それが地面に落ちて肥料となるのジャよ……


「ちょちょちょっと待って、スネークちゃん! いろいろとわからないことがありすぎです! 」

「要は、雷が鳴ると植物にとっての肥料ができると言うことか? 」


そう。ちなみに窒素酸化物は、葉っぱの栄養になるから、葉が伸びる時期に雷が鳴ると植物が成長しやすくなるのじゃ。そろそろ雨が降りそうなので、どこかに避難しててくれる?


「うーむ、スネークの魔法を見てみたいのだが……」

「そうですよ! こんなチャンスめったにない! それを見逃すなんてとんでもない! 」


我の魔法ならたくさん見てきただろうが!


「雷の魔法とはこの前の紫魔法のことだよな! あれをまた見たいと思っていたのだ! 」

「隊長しか見せたことないのですか! 私も見たい! 」


うーん、それじゃあ危なくないように、雨が降ってもぬれないように


”構造物生成.クリスタルドームで、支柱は大理石”


ガガガガガ! 


直径10mぐらいの半透明な水晶が半球状となって出来上がり、それを8本の大理石の支柱が地面から持ち上げていく。上からは夏にしては冷たい空気が吹いてきた。ああ、もうすぐにでも雨降りそうですな。それじゃ、その中で待機しといてくれ。そこなら雨除けになるし。


「雨ならそれほど気にしないぞ? 風魔法で防げるしな」


エルフってのは雨に濡れるのを厭わないんだっけ?


「それは隊長の個人的な資質です! 」


そうなのか…… だけど今回はちょっと遠慮してくれ。というのは、その雨は、肥料になるからな。お肌によくない……と思うぞ。まあそこのドームの中からでも見られるから、とりあえず、そこにいっとけ。ポツポツ雨も降り出したし。


「スネークちゃん、ならスネークちゃんもそこのドームに入って魔法を使えばいいのでは? 」


うーん。そう言われても、上に向けて雷放つからなぁ……


「スネークの紫魔法、じっくり見聞させてもらおう。とはいえ、何があるかわからないというのであれば、そこのドームから見ることにしようか、ヴィン」

「え~、目の前で見ていたいのに! スネークちゃんの雷で痺れてみたい! 」


痺れるのは麻痺魔法だけで十分です! しつこいなぁもう! そろそろ雨、強くなるぞ! 水に濡れたら電気も通りやすくなるし、あっちいってなさい!


「それもそうだな。 ヴィン、悪いが連れて行くぞ! といってもすぐそこだしな」


ボルちゃんに抱えられ手足をジタバタする幼女ハンナちゃん。これで邪魔者は消え去った。


「ムキー! 誰が邪魔者ですか! 」

「今のヴィンがそうだな.そら、スネークが魔法を使うぞ! 黙って見てなさい」


よし、そんじゃやりますか! 我、雨空を見上げる。あまり魔力を込めすぎると1週間前みたいに雨雲散っちゃうから最初は魔力を込めるの小さめにして


紫魔法Lv.2サンダー


ピカドーーーーーーーーーーーーーン!!! ドーーーーン! ドーーーーン! ドーーーン………… 


木霊でしょうか? はい、そうです。 グラニーラムゼースミスの里の周辺は、我が次々に岸壁を水晶化して飲み込んだが、そこから先は手つかずなので岸壁は残ったままなのだ! 雷が落ちると、雷の経路に有る空気が急膨張してその結果音が鳴るのだが(太鼓を叩くと音が鳴るのは太鼓の膜の震動が空気を動かし、それが音として伝わる原理と一緒ですな)、その音が、遠くにあった岸壁に跳ね返ってこちらにやって来たのだ!(木霊の解説終わります^^)。それにしてもすごい音だったな! なあボルちゃんや。………… 返事がありませんな? よく見たら、腕組みをしたままボルちゃんは気絶していた。ハンナちゃんは倒れてた。動かないところを見るとやはり気絶しているようだ。…………うん。何も見なかったことにして、紫魔法を続けよう。1発だけなら誤射かもしれない(なんのこっちゃ?)。回数が足りないかもしれないし、場所が悪いかもしれないので、我、グラニーラムゼースミスの里の畑までジャンプ・ジャンプ! 到着したら紫魔法で雷放つ! 


ピカドーーーーーーーーーーーーーーーーン! ドーーーーーン・ドーーーーン・ドーーーン…… もう一発! ピカドーーーーーーーーーーーーーーーーン! ドーーーーーン・ドーーーーン・ドーーーン…… まだまだ続くよ! ピカドーーーーーーーーーーーーーーーーン! ドーーーーーン・ドーーーーン・ドーーーン……合計10回雷を撃ちます! 



もう一カ所畑があるので、そこに行って再び紫魔法Lv.2サンダー

ピカドーーーーーーーーーーーーーーーーン! ドーーーーーン・ドーーーーン・ドーーーン……


”テロリン”


あ、レベルアップしてもーた。


”紫魔法Lv.4”


たしかLv.3が蓄電だったから、Lv.4放電とかかな?


”紫魔法Lv.4電気操作エレクトリック・コントロール


ねぇなんかおかしくない? なんとかコントロールって、かなり後の方ででてくるものでしょ? なんとか纏いとかはどうしたの? この系列だと電気纏いとか!


”それはLv.1静電気ザップが有るので必要ありません”


ああそうですか。すると、放電がないのも……


”Lv.2サンダーが有るので必要ありません”


ああやっぱりね。それにしても、早いところで出てきたなぁ。火魔法の炎操作フレームコントロールはLv.7だったが…… 火炎鳥みたいなのができるかな? やってみるか。


”紫魔法Lv.4 電気操作エレクトリック・コントロール

”電気をどのように操作しますか? ”


鳥の形にして上空の雲に飛ばせて。


”操作する電気量を蓄えてください。終わったら、放電スパークと唱えてください”


あいわかった。どのくらいの魔力を電気に変換するか…… 今までサンダーでつかったくらいでいいか。…… このくらいで、3(スリー)、2(ツー)、1(ワン)、雷鳥サンダーバード・ァゴー! 放電スパーク




目の前が青白く光ったと思ったら、ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン! ゴロゴロゴロゴロ……ドーーーーーン! ゴロゴロ…… ドーーーン! …… 気づけば雨は上がり、黒雲はすっぱりなくなり、空には虹が出ていた…… 我の期待した雷鳥サンダーバードは? 青白く光ったけども! 空へ風を巻いて行ったけども! エルフの里の幸せのため海に入ってないし、陸にも行ってないけども! 青い空を乱すのは黒雲だったけども! がっかりだよ雷鳥サンダーバード……orz

 

本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ