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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第2章 機動戦士ツチノコ
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村長宅を脱出せよ



エルフ二人と我、村長宅を脱出する。脱出したものの、どこへ行けばいいの?


「エマさんはこちらに来てからずっと畑仕事を手伝っています。どこかの畑にいるでしょう」

結構広いよ、ここの畑!何つくってるん、ここの畑?どれだけ探せばいいのですか~?


「大半は牧草です。ですが住民用に黒麦、蕎麦ソバそれと多少の青菜類。乳製品をバターやチーズに変えて生計を立てているそうです。エマさん実家が農家だそうだから畑仕事を手伝っていますよ。牧草じゃないところを探せばいいでしょう。私もどこが畑だかよく知りませんが」

フム、斜面ばかりの土地だと畑つくるのも大変だしな・・・そうか、平らになってるところを探せばいいのか!


我、跳びはねて、ホップ、ステップ、ジャーーーーーーーーンプ!頭としっぽを軸にしてゆっくりローリング!あたりの地形を確認する・・・フム、丘のむこうに平たくて草ぼうぼうのところがありますな。あそこに人がいるぞ・・・


「スネーク!何か見えるか?」

“丘のむこうに人がいる。その人に聞いてみない?”

丘を越えたところに、麦畑が見えた。さっき黒麦とか言ってたっけ。普通の麦と違うのかな?麦畑の中にはこれまたおじいさんがいた・・・ここはおじいさんとおばあさんが幼子を育ててるところか?おじいさん、こちらに気づいた。


「村長殿、ボルドウィンです。こちらに戻ってまいりました。私の部下が外で作業していると聞いたのですが、いずこかご存じですか?」


おじいさん、腰を伸ばして手を当てる・・・険しい顔をしてるのう・・・


「おう、エルフの剣士さんじゃな?戻って来たのか。あんたの部下には用水地を掘ってもらってる。今年は雨が少なくってよ、干上がっとるんじゃよ・・・池が。あんたの部下、力が強いんで助かっとったわい。用水地まで一緒に行くか?」


用水路の場所がわからない我らは、おじいさんについていくしかない。

我ら、丘を越え行こうよ~口笛吹きつ~つ♪


「確か、ボルドウィンといったな、剣士殿。目的の場所には行けたのか?」

おや、さっそく探りに来てますな・・・


「いや、世界樹の元には着けなかった・・・だが、途中でとある人に会い、この獣魔を貸してもらえることになった。この獣魔ならエルフの里の危機を救える、ということだ」

ボルちゃん我を指さす。


「へ~、このヘビがね。何ができるんだ?」

来たよ!情報収集!門番と同じ受け答えでええじゃろ!


「このヘビはんだりはねねたりが得意だ。あと、木の実が好きで森の中ではよく探してきてくれた。奥方にも差し上げたが、これを一つどうだ」


ボルちゃん桃を3つ取り出し、一つは村長、もう一つはハンナちゃん、最後の一つは我にくれた。

そろそろ桃、なくなるんじゃね?


“谷底に桃を植えたのであろう?そこからまたとってくればいい”

おお、考えましたな!って、我が考えてなかっただけか。


“スネークちゃん、すごいねぇ!そんなこともできるんだ!”

”村長には内緒だけど、これ我が植えた桃だよ。種からすぐ芽が出て成長して実が成るの“

“えぇーーーーーーーーーーーーーーー!?もしかして、ひょっとして、伝説の緑魔法?スネークちゃんすごい、すごすぎるよぅ!あとで見せてね、絶対だよ・・・”


ハンナちゃんの食いつきがすごい!桃をあっという間に食いついたかと思ったら種を濾しのポーチに入れた。あれを使うのか!それがいいかも知らんね。一方村長さんの方は・・・


「なあ剣士殿、この桃はまだお持ちか?あれば売っていただきたいのだが?」

「いや、これで最後だが・・・柿ならまだ少し残っている。栗は我々が道中の食料にしたいので無理だ」

「それは崖のむこうで採ってきたものか?」

「そうだが・・・」

“ゴブリンがいるから危ないって言っといて”

「群れたゴブリンを見かけた。ここの村人でゴブリンを退治できるか?無理そうならやめておいた方がいいと思うが?」

「いや、実だけ持ってきてもらいたい。そうすればこちらで栽培ができて、新しい産業になりそうなのでな・・・」

「今の状態はまずいのか?」

「そうまずいというわけでもないのじゃが、今年は雨不足でなぁ・・・牧草も黒麦も生育が遅れている感じなんじゃよ。あんたたちの出発が少し遅れるかも知らんが・・・お願いできんか?」

ボルちゃん、考えるふりをする・・・ふりをしてみんなで相談。


“ヴィンデルバンド、グラニーラムゼースミスの里の様子はどうだ?何か異変は起きてないか?”

“特に通信も入ってないので何も変わらないと思われます、隊長。ここは我らが出立しやすいように条件を付けてたのみを聞いてやればよいかと”

“条件・・・金銭か?”

“それもよいのですが・・・馬を借り受けるというのはどうでしょうか?”

そうだな・・・バウアーがいたのでは移動時間が延びるからな。できれば馬車を借りたいが、ここはそういうのはあったか?“

“馬車はありませんね、たまに商人が馬車でやって来ることはありますが、移動速度としては徒歩より早いという程度です”


「村長殿、我らは急いでいるのだが・・・報酬次第で受けてもよい」

「受けてくださるか!して、その報酬とは?」

「馬を2頭、借り受けたい。借りるだけだ」

「借りるだけか・・・今、馬は出払っていてあと3日もしたら戻ってくると思うが・・・」

「一番近くの大きな町に出たら、村長殿の知り合いに返してもらいたいが・・・知り合いはいないのか?」

「息子夫婦がいる」

「それではその者に馬を預けることにする。それでよくはないか?」



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