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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
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小隊メンバーご紹介

メンバーの軽いご紹介^^



 我、おえっと切った竹を吐き出します。ボルちゃんがサクッと竹をカットして器を作っている間に、我、立ったままで使える長テーブルを”物品作成”で出します。初めて見る奴らは相当驚いていますが、ボルちゃんにしたら当たり前の光景です。


「仕事が早いなスネークよ」


いえいえ、お代官様ほどでは~。ボルちゃんはポーチの中に入っていた水袋から水を、出来立てほやほやの竹のコップに注いでいきます。あ、ちょっと冷やしちゃった方がいいかな?


「そうだな、頼むぞ」


技能と魔法の合わせ技、”凍結焔”を水が注がれた竹コップに浴びせますと、あまり冷えた感じが…… でも冷やし過ぎはよくないので、適当なところで止めます。


「そら、ご所望の飲み物だ、それを飲んだら、君らの特訓の成果とやらを見せてもらおうか」

「いやいや、僕ら、着いたばっかりでお疲れなんだけど? 」

「何もしていないのに疲れているのか? それはそれで問題だな! まあまずは水でも飲め。話はそれからだ」

「その水、なんか盛ってない? ボルドウィンが僕らにそんなに親切にするはずがない」

「水以外なにも入ってはいないが…。それほどいうなら、私がどれか一つ飲んでやる。 シュトルツ、君が選べ」

「それじゃ、真ん中のやつを。おい、ポンポンヌ、お前が真っ先に飲んでどうするんだよ! 」

「だけど副長、私はもう喉からからです!」


先に竹椀をあおった、耳の短いエルフさん。ぐびびと一口飲みました。


「う…… うまい! うますぎるぅ!!」


風が語りかけます…… いや、風じゃねーや。500mlぐらいは入ってたと思ったけど、そんなに一気に飲んで大丈夫かな?


「もう一杯! 」

「待て、飲みすぎるなポンポンヌ上等兵。この後すぐに君らの査定をするから」

「査定とはなんだ査定とは!」


さっきから怒鳴ってばっかりの男がいますな。


「以前にも言ったはずだ。隊の任務完遂に当たり、どの程度役割があったか、それは隊長である私に全権が与えられている。君らが待機命令を受けている間、どの程度鍛練していたか、見てやろうといっているのだ。まあまずは水を飲め!」


隊長命令のせいなのか、いや、絶対違うな。相当喉乾いてた様子です。なのに水をすぐ飲まなかったのはなんでだろ~? なんか水飲んで感激してるやつもいるな。なんでこんなに冷たいんだって? そりゃ我が冷やしたからですがな!


「水を飲んで少しは落ち着いたか? 」

”スネークにあいつらを紹介していいか? ”

”わざわざ紹介する必要もないが…… なんかケンカ腰なのは気になりますな”

”後ろめたいんだろうさ。自分らがいない間に討伐が終わってたんで、内心相当焦っているんだろう”

”それだけであんなに文句言ったりするか? もう少し言いようがありそうなのだが?”

”もともと奴ら、副長と兵長二人に上等兵三人は、私のことを嫌っていたからな。女の私に剣技で負け、席次も跳びこされてしまったからな”

”野郎の嫉妬…? ”

”さぁどうだろうな? ”

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++




ボルちゃんは腕を組み、水を飲む野郎どもを見ていた…… 


「左から、順に副長、兵長その1、兵長その2、兵長その3、あとは上等兵の1から7だ」


番号読みは止めてあげて><


「どうしたんですか、隊長殿?」


左から4番目の、少し小柄だが日に焼けた顔をした男が怪訝そうにボルちゃんを見たぞ。この人はボルちゃんを馬鹿にした態度ではないな。年季が入った顔に立ち居振る舞い。歴戦の古強者と言った感じですな。


「スネークが興味なさそうだったので、軽く紹介したところだ。今のが、兵長のフェルゼン・シュタイナーだ。彼とボーデンが本隊の土魔法使いだ。シュタイナー兵長、このスネークは土魔法も使えるから、いろいろと学ぶとよい。ボーデンも土魔法の練度が上がったぞ」

「ほぅ。そうですか…… しかし私のような黄昏にはもはや学びは必要ないですな」

「成長しようとすることを止めたとき、人は黄昏たというのだ。引退するにはまだまだ時はあるだろう。皆もそうだぞ」

「それでは、こちらがどれくらい成長したか、筆頭剣士殿に見てもらおうか!」


今度は先ほどの男の左隣にいた、背の高いひょろっとした男がニヤつきながら発言した。というか、ボルちゃんを挑発してるのか?


「ゴタード・クリンゲ兵長。自慢の槍はどうしたか? 」

「”龍貫”は王都に置いてきた。あれを使う必要はないと思ったからな! 魔植なぞ、簡易携帯槍で十分だ! 」


そういうと男はポーチから棒を取り出したぞ! ほほう。なんかパチンパチンと伸びていき最後ににょきっと刃物が出た。変な武器だ!


「待て、お前のしょうもない武器と武技より、俺の剣技を見てもらう方が先だな! 」


さらに左隣の男がなにやら剣を抜きましたな! あれは…… いつぞやフランクフォートの宿屋で見たヒーちゃん達が使っていた剣とはちがいますな。長剣です。鞘とか鍔、柄に金綺羅の装飾が施されています。成金趣味なのかしら?


「ヘルムート・ナル兵長。また剣を変えたのか。今度の付与はなんだ? 前のが炎を飛ばせるんだったか、その前が腕力増強だったか…… 道具にこだわるのもいいが、肝心の技を鍛えないと上へはいけないと何度も諭したが、まだ理解できないか? 」

「ボルドウィンの言うことも一理あるがね。だけど、男は道具にこだわりたいものさ。そこら辺、わかってほしいものだけど? 」


肩まで伸びた金髪をかき上げたぞ! ボルちゃんより髪を伸ばしてどうするねん! うざい僕ちゃんや!


「あれが副長の…」

「おっと、もしかして、そこの従魔君にみんなのことを説明してたのかな? もうすぐお別れするんなら、そんなことしなくってもいいんじゃない? 」


ボルちゃん、我を見て、もう一度副長を見る。


「ま、それもそうだな。後は、上等兵の1号から7号だ。おっと、5号のポンポンヌは先ほど説明したかな? 」

”ポンポンヌ…… どこかで聞いたような気がするが…… ”

「隊長ーーー、俺らの事、どうでもいいとおもってるでしょーーー!」

「つれねーなー、隊長! かれこれ10年は一緒に仕事してるのにー!」

「あ、オレらの事、眼中にないってことか? 」


1号、2号、V3号が勝手になんか喋ってるぞ! ん? 順番から言って、1号は別の人か。2号、V3号、4号か。1号はさっきの古強者と似た雰囲気だな。


「オットー・バトラー上等兵。新兵たちはどうしたか? 君に面倒を見るように頼んだはずだが? 」


1号さんはバトラーという名前か。オーラを使って戦いそうだな。


「私は上等兵全体の管理をしていたので、新兵達はそれぞれ、ゲッツ・ギュンター・ギリーに任せてました」

「この三人なら任せても大丈夫と思ったか? 」

「……」

「ひで~よ、バトラーさん! なんか言ってよ!」

「沈黙は容認したのと同じっすよ! 」

「オレらそんなに信用ないんすか?!」

「……」

「上等兵の管理がなってなかったようだな」

「…… 失礼しました」


2号、V3、号4号はゲッツ・ギュンター・ギリーというのか……G3だな… ゲッタースリーと呼んでやろう。ガンガンガンガン! 若い命が真っ赤に燃えて~♪


「あとは6号、7号だ」

「隊長殿~、僕らを雑魚扱いしないでいただきたい」

「いや、実際何の役にも立ってないけどね! 」

「6号はペーター・ラビー、7号がモーリッツ・カールセン。これで全員…… 新兵以外全員だ」


ゲッタースリーの名前は出てこなかったが…… 気にしなくっていいか。覚える気もないし。

本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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