衛生兵、今度こそ出撃す
幼子から幼子へ渡されるヘビ・・・すなわち我。我、なされるがままぶら下がる。
「うゎーーー、ウロコなめらかでつるつるですねー、頭が胴体より大きいし、赤ちゃんみたい!お目目まん丸でくりくりしてる~!」
“おい、ボルちゃん!なんだこいつは?”
「あーーー、ヴィンデ・・・」
ボルちゃんの声をかき消すように、アーダちゃんが
「お姉ちゃん、この子すごいよ!ピカーって光るの~!お日様みたい!」
ま、まずい・・・のか?まずいよな!
「それよりも、ヴィンデルバンド!若奥様が倒れたので寝かせるところはないか!」
そうだ!アーダちゃんもついでに寝かせておこう!
赤魔法Lv.1“入眠!”
アーダちゃんも寝かしつける・・・
“テロリン”
おや、ここでレベルアップ?
“赤魔法Lv.5”
ご都合展開、コイコイ!
”赤魔法”Lv.5 催眠“
睡眠とちがうよね・・・暗示かけるやつだよね!そうだと言ってよティーチャー!
“そうです”
誰だーーーーーーーーーティーチャー?
・
・
・
返事はなかった。なんなのーーーーー?
「お子も眠ったようだ。どこか横になれるところを・・・おい!ヘビは離して、お子を抱えてくれ!」
新たに出てきた幼女は、眠ってしまった幼女をおぶって椅子に掛けさせる・・・
“スネーク!また魔法を使ったのか?”
“だってしょうがないじゃないか!騒がれるよりいいでしょ?それよりこいつは大丈夫なのか?我が言うのもなんだが、ヘビがかわいいというやつは初めて聞いたぞ!”
“ああ、そいつは確かに変わり者だな・・・面倒だからお前の正体ばらしていいか?”
“うーんどうでしょう?”
・
・
・
「隊長?なんかヘビさんと話をしてますね?私に内緒のお話ですか?」
ギクリ・ギクギク!ギクリギク!!なぜばれる!?
「たいちょ~、その額金、通信連絡用ですよね~?隊長がここを出てからしばらくしたら連絡取れなくなったけど、それは迷い惑わしの森のせいなんでしょう?そこで額金する必要ないですよね~!おまけにそこのヘビちゃんにも同じものを付けている・・・ずばり!隊長はこのヘビさんと会話をしている!間違いない!さあ、さあさあ!!私にこのヘビちゃんを紹介してください!さあ、早く!早くう!!」
・
・
・
押しの強さに負けた我。ボルちゃんに話してもらう・・・
「スネーク、これが我が小隊の衛生兵、ハンナ・ヴィンデルバンドだ。体はこんなだが有能な治療士として我が近衛団で働いている。で、ヴィンデルバンド、これがスネークだ・・・世界樹探しの途中、ある人に紹介されてこのヘビを連れていくことにした」
・
・
・
大事なところは隠しましたな、OKOK。
「スネークちゃんですか、私ハンナです。よろしくね~。あっ、そうだ!」
この子も腰にポーチを付けてますな。その中から例の額金を・・・
「あー、これでどうかな?スネークちゃん、私の言うことわかるでしょ?」
“あーあー、こちらスネークこちらスネーク。額金付けなくってもそちらの言うことはわかるよ、ハンナちゃん?よろしく~”
「うわぁ、隊長。この子すごく頭いいですね。言葉をしゃべれないけど理解してるんだ~、どうして~?あ~頭いいからか~」
自分で質問して自分で答える・・・うん、ほっとこ。
我はまず、アーダちゃんを青魔法Lv.1“覚醒”で起こす・・・
「スネークちゃん、魔法も使えるんだーすごーい!」
“あ、我のことは内緒にしてくれる?いろいろもめそうなので!”
「アイアイサー!」
起きだしたアーダちゃんに赤魔法Lv.5“催眠”をかける・・・
さっきあなたの見たことはすべて、
マボロシ~♪どんだけー!
「あーぁ、あれれ?ママ寝てるねぇ」
我、アーダちゃんから隠れる。
「それではアーダ殿、母上が起きられたら、我らはいったん仲間を探しに出かけたといってくれ」
「うん、わかった!行ってらっしゃい、お姉ちゃんたち!」
それでは、あと一人を探しに出かけますか!
おそらく、今夜はこの辺で。
お読みいただきありがとうございます。




