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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
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赤魔法”催眠”の一部技能化をお知らせします



 里長が討伐証明書にサインをしたもんだから、もう周りは騒然となった! 

「ひゃっはー、コレで酒が飲める! 」

「宴じゃ! 宴の始まりじゃー! 」

「ううう、これでやっとひもじい思いから脱出できる…… 」

「飢えだけじゃねー! 今まで外に出られなかった分、思いっきり狩りができるぞ! 」

「狩りだけじゃねー! 漁もさー!」

「ちょっとちょっと! 隊長さん達が持ってきたミルクだけじゃ、時期になくなるのよ! ちゃんと交易して来るのも忘れないで! 」

「交易って言ってもよー、こっちから何か出せるものでもあんのか? 」

「そんなこと考えるのはあとだあと! 今は酔いしれようぜ! 」

「乾杯の音頭を、ねぇさんにとってもらおうぜ! 」

「そうだな、ボルドウィン殿なら適任だろう! 」


と、ハートさまが宣ってます。いつの間にか見たような人たちが勢揃い…… でもないな! ハンナちゃんとかお姉様たちがいません。もしかして、調理してたりする?


「こういうのは里長殿がやるべきと思うのだが…… 先ほど里長殿は休まれたし。里の方々が音頭を取るべきだと思うが? 」

「いやいや、援軍としてやって来て魔植を討伐し、里の危機を救ってくれただけでなく、こちらの困窮を見越して多大なる援助までしてくれたのだ! 間違いなく第一功のボルドウィン殿が音頭を取るべきだろうて! 」

「我が孫の言うとうりじゃよ? こんな時に遠慮は不徳になるぞい? 」

「そうじゃよ、イルゼさんの言う通りじゃ、あなたのおかげでまた長生きができるて! 」

「ねえさんがやらなかったら、誰もやらねーぜ! 」

「そうだそうだ! 」

「やるとしたら、従魔さんぐらいか! 」

「おいおい、従魔さんは喋れねーだろ! 」

グヌ! 我は喋れるけど話せないんジャー!


「それでは、僭越ながら、不肖近衛軍小隊長ミア・ボルドウィンが乾杯の音頭を取らせていただく。無事、マギ・バンブーの討伐が終了できグラニーラムゼースミスが解放された。これも里の皆様が半年に渡り困難に耐えた結果できたことだ。さらに、グラニーラムゼースミス様が顕現化なされた。苦難を乗り越え新たなる発展段階へ進んだ、グラニーラムゼースミスの里に、乾杯! 」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」



おい! いつの間に皆さん木樽をもってたんだ! そして一気飲みするな! 


「くはーーーーーーーーー! 久しぶりのエール、んめーーーーーーーーーーー!」

「なんかすげー冷えてるな! 冷やすとこんなにうまいんだな! 」

「うーん、うまい! もう一杯! 」

「なんかつまむものないのー? 」

「そんな急に宴会になったから、大変なんじゃねーのか、調理部の女どもも。その辺は察しろよ! そんなんだからモテないんだ! 」

「何言ってやがる! オメーだってモテたためしねーだろうが! 」


うーん、なんか騒々しいですなぁ。急に宴会、ええんかい?(ぷぷっ)とか言ってたら、なんか大皿にのってニクがやってきた! 持ってきたのはハンナちゃんと台所を預かるお姉様達! 


「オニクーーーーー! 」


大騒ぎしたのはエマさんでした。


”ハンナちゃんや、どうしたんだ、その料理は? ”

”あ、スネークちゃん。どうせすぐにこうなるだろうと、隊長が私に作らせてたのです! ま、一日有ったら余裕ですよね。タウルスとスクローファ、ハオスエンテの蒸し焼きに、各種タレを用意しました.あとカレーとシチューも出てきますよ”


「さあ皆さん召しあがれー! 」


お姉さんの一人がなんか宣言したあと、台所部のお姉様達で小皿にオニクを切り分けていきます。あ、ちゃんと野菜も添えられてますね。みんなうんめーうんめーと涙を流してむさぼり食ってますな…………

+++++++++++++++++++++++++


 大人どもの酒とニクの宴に混じらずに、子供達がいる場所へ、我行ってみる。なんかブロートをみんなもがもが食ってますな。あれは…………ブロアナ? {ブロートがあなたの話を聞いたげる}とか言う名前にしたらしいが、要は揚げパンです。耳だけじゃなくってパン自体をあげたんですね。ちゃんと応用が利いててよかった。我は、揚げパンじゃなくって桃のコンポートをいただきます。もがもが。ふむ、ちゃんと冷やされていて、桃自体の甘みを糖が強調しているようになってますな。


「あー、ヘビちゃんがいるー!」


やべ! ばれたよ! 気配を消して食べてたのだが。しかたがない! キュピーン! 我の目を見てごらん………… 


”赤魔法Lv.4催眠ヒュノプス

”我の声が聞こえるかい………… 聞こえたら、黙って両手をあげてみて…………”


両手をあげた! と思ったら、次々に子供がやって来た!


「クライゼル、たくさん作ってくれてありがとう! 」

「ねぇねぇ、クライゼル以外にも何か遊ぶの、ないのー? 」


え? もうあきたのかな? 


「うううん、飽きてないよー? 」


これは赤魔法にかけた女の子だな。飽きてないのに別のおもちゃが欲しいんか?


「うーん、夜になったらお外で遊べないでしょ? だから、なにかかわりになるものないかなぁって」


なるほどなるほど。それならば…… 室内用で簡単に作れるやつな…… 我、体内にあった大理石と黒曜石を小さなブロック状にします……そうです、ジェンガです!重くならないように、中を空洞にして…… あと、外枠をつくって、完成です。おぇええええええ!


「ヘビちゃん、これどうやって遊ぶのー? 」


これはな! この外枠にだな、白い石と黒い石を3つ並べて入れて、次に向きを変えて白い石と黒い石を交互に並べて、それを繰り返して外枠が全部埋まったら…… ほれ、ひっくり返してみなはれ! 石の塔がたっただろ?


「わーーー面白いね、これ! 」


面白いのはこれからじゃ! この石を誰かが一つ、塔を倒さずに引っこ抜いてみなされ!


「うん、じゃあ私やってみるね! 」


ああ、一番上は取ったらだめだぞ! 面白くないからな!


「わかった! 倒しちゃだめなんだね! ゆっくり………… とれたよ!」


ふむ、ちゃんと木製と同様にできるな。そしたら、今度は別の人がやるとよい。倒した人が負け! そういうルールじゃ! 


「ありがとーヘビちゃん!」

「ねぇソフィちゃん、ヘビちゃんとお話ししてるの? 」

「そうだよ、なんか新しいおもちゃ、出してもらったの。面白そうだよ!アイリちゃんもやってみて! いちばん上の石じゃない石を取っていくんだって! 倒したら負けだって! 」

「うん、わかったー! それじゃあ」


あれ? 我、今、子供と話してたな? どゆこと?


 

”赤魔法Lv.4”催眠ヒュノプス”の一部技能化をお知らせします”

”な、なにーーーーー? どゆこと? ”

”赤魔法・催眠ヒュノプス使用時に仮称スネークの思念伝達が可能になった模様。技能{おもうはなすつたわる}が発生”

”念話のようなものですか? ”

”Exactly! ”


そこだけ大声出すなって! そんじゃあ、この額金使わなくっても念話ができるようになったの?


”ただし、使える相手には一度赤魔法Lv.4催眠ヒュノプスを使うことが必要”


なるほど、ありがとう魔法の声の人。


没有めいよー




「ねぇねぇヘビちゃん、もっとないかな? 」


ん?何が?


「さっきのジェンガ、他の子達も使いたいって! 」


ああ。それじゃ5人で一つくらいでやるか。ざっと見、30人くらいか? それじゃあと6個…… きりが悪いから10個ぐらい作っとくか。…… おえぇーーーーー! さあそれ持って遊んで来や!


「うん、ありがとう! ヘビちゃん! 」


子供は素直なのが一番やな! それにしてもなんやねん! 技能『おもうはなすつたわる』って?



まだまだ続く・・・ハズ^^

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