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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
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賄賂を賄う

誤字脱字報告ありがとうございます。

適宜修正させていただきました。



なんか雨降ったら急に寒くなった・・・


 里の子供らがベーゴマに夢中になっている間に、ボルちゃんと食堂の厨房に入る……中では、ハンナちゃんとエマさん、それにいつぞや調理を手伝ってくれたオバ…… お姉さまたちが調理をしていた。


「あ、隊長さんと師匠先生がやってきたわよ!」

「マギ・バンブーのあく抜きは終わったけど、その後どうするよ? 」

「3日前のハオスエンテ、勝手に食べちゃったけど、いいわよね? 」

「お料理の種類、もう少し増えないかしら? 」

「ねぇ、隊長さん。里に調味料、提供してくれない? 」


なんだかいろいろ言ってますな。これも里長にサインをしてもらうように協力してもらえるのかな?


「…… そうだな。 マギ・バンブーの討伐証明書に里長がサインしてくれたら、里に調味料だけでなく持ってきた食糧品を開放できるのだが……」


考え込むフリをするボルちゃん。いつの間にか演技派になったな!


「え? そんなことでいいの? だったらすぐにあのおっさんにかけあうわよ!」

「やったわね、みんな! 」

「それじゃあ今から行きますか! 」


と、ノリノリで出かけようとしていたが、ハンナちゃんからストップがかかった。


「ちょっと待ってください。夕食の準備がまだできてませんよ! 」


そういや、我が寝ていた3日間はどうしてたの?


「まだ討伐が完了してないということで、ブロートとスープ、ザラート、ほんの少しオニクを焼いてだしてました」


持ってきたオニクや卵はたりてるのか?


「そうですね…… 贅沢をしなければ半年は大丈夫だと思いますよ? 」


贅沢をしたら?


「贅沢の程度にもよりますが…… 」


ハンナちゃんはエマさんを見る…… ああ、あんなにニク食ってたらそれはすぐになくなりそうですな。それじゃ問題解決したら早々に去った方がいいな。里の者たちも、ボルちゃん達が去っても食糧不足にならんように考えんといかんな。すると、やはり畑をとっとと作って富栄養化させんといかんね。だがまぁ、ここ2,3日分くらいは贅沢してもいいんじゃないか?


「さすが、スネークさーん! 話が分かる~! 」

「バウアーは食事が終わったら、私と一緒に魔力の訓練だな! 」

「はい~わかりました~……」


なんかしょぼくれたエマさん…… 何なら相撲の稽古をするか?


「…… 相撲の稽古より、魔力の訓練の方がいいですね~……」


魔力の訓練はいつかやんなきゃいかんだろうからな。相撲の稽古は、そんなにいやか?


「あの衣装がなければ、そうでもないんですけどねぇ…… 」


よし分かった! それでは作り替えようではないか! 我に綱を寄越したまえ!


「もっとかわいいの、おねがいしますよぉ……」


エマさんがポーチからずるずると横綱・化粧回しを取り出して我に寄こした。それでは我が作り変えます……体内でな。あんぐ! 飲み込んで、あとでやりますか…… 今は、賄賂を作らないといかんのだ。


「賄賂? 」


お供え物です…… いろいろ教えてもらった代わりに、袖の下を要求されているのだ! それでは、ハンナちゃんや! 手伝ってくれ!


「わかりました! よろしくお願いします、スネーク先生! 」

「わたしはどうすれば~? 」


エマさんは、ボルちゃんと一緒に魔力の訓練やっててくれ! ボルちゃんはニコニコ顔でエマさんを引き連れて外へ出て行った…… ドナドナドーナドナー……

++++++++++++++++++++++++++++++


「さぁ。今回の料理は何でしょうか! もう準備は万端ですよ? おてても洗いましたし!」


うん、そんじゃあお作りしましょうか…… 今回はお菓子です。


「お菓子ですか! いいですね! 余ったら皆さんで食べていいんですよね? 」


一斉にこちらを見る食堂のオバチャ……ゲフゲフ! お姉さまたち! 目が血走ってます! 


「もしかして、これから甘味を作るのかしら? 」

「この前食べた、コンポート?みたいな感じ? 」

「あれはおいしかったわよねぇ…… 」


コンポートって桃のやつ? いつ食べたんだろう?


「隊長やスネークちゃん達が里の外で討伐に行ってた時に、皆さんで夕食の準備の途中でいただきました」


なるほど。今回は果物は使いません。


「果物を使わないスイーツというと、あとは…… ミルクと糖を使うプリンのようなものですか? 」

「「「「「プリン! 」」」」」

「なんという甘美な響き!」

「食欲をそそられる! 」

「気高く、そして誇らしい!」

「高貴なる血筋にも似た名前! 」

「乳房の揺れ動く擬態語!」


何言ってんだ、こいつら? 特に最後のやつ! 


「えっと、王の子供を王子プリンツとか王女プリンツェシンというので、それに似た名前だったからではないでしょうか? 」


はぁさよか…… それならプリンも同時に作るか…… そうそう、ここでは冷やす魔道具は使えるのか?


「えと、冷蔵魔道庫は使えます。氷を作る魔道庫もあるらしいのですが、入れる中味がないのでここ半年ほど使ってなかったそうです」


それじゃ、それを使えるようにして! あとボルちゃんの持ってた氷魔道具と、例の回転魔道具も!


「アイスクリームも作るのですか? それは楽しみですね! 」


いや、待て待て。あんまりお菓子に牛乳使ってたら、赤子の分まで使ってしまいそうだから、アイスは止めとけ!


「そうですか~」

「ねぇ!ハンナちゃん!」

「作り方だけでも教えて!」

「そしたら、里でいつでもつくれるようになるから!」

「どうか一つ、助けると思って! 」

「よろしくお願いします! 」

「……そういってますが、どうします? 」


じゃあ、ちょっとだけだぞ! 新しく作るのはキャラメルだ!


「一粒食べると300m走れるという、あの伝説の食べ物?! 」


また勇者文献か~! もういい加減にしてほしい! 

本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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