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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
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遊び道具を作る

雨降って肌寒い・・・8月なのに?



 テレテレ歩いていくと時間がかかるので、我はボルちゃんに乗って一足……五千足くらいかな? お先に帰ることにします。あっという間です。ボルちゃんの走る速さは尋常じゃない! それを空中で邪魔するものがないのだから、あっと言う暇もない! …… 絶対体を強化する魔法を使っているだろう!


「そんなことは私にはできないぞ? 」


そうかぁ? なんか無魔法とか使ってない?


「もし、私が無魔法を使って体を強化できているのなら、バウアーは今よりもっと強くなるということか? 」


え? どうしてエマさんの話が?


「無魔法による身体強化は、もともと魔力はあるものの、それを体外に放出することができなくて、体内で循環させて身体を強化する、と呼ばれるものだ。私は魔力放出ができていたから、そちらを意識したことはなかったが…… ふむ、言われてみれば、以前より足が速くなっているな! 魔力を足に感じて放出しているからかもしれないな…… おっと着いたぞ。里の食堂だ」


しゅたっと里の広場に降りると、なぜだか子供たちがたくさん寄ってきた…… なんだなんだ?


「あーーーたいちょー、この子達がおかし食べさせてーって台所に来ちゃって大変なんですよーーーー! 」


お菓子なんて持ってきたっけ? ああ、果物のコンポートはあったか。でも贅沢やな。飴でもやっとけば? あれ、一応甘味ついてるだろ?


「ふむ、そうだな。君ら、背の大きい順に一列に並べ! 並ばないなら何もやらんぞ! 」


ヴィシッと号令をかけるボルちゃん。なんか子供のころからガキ大将の予感…… おお、子供たちがその威厳にひれ伏し、列を作ったぞ! それに応じて、先頭から一人にひとつづつ飴をあげてかいぐりかいぐり頭をなでていくボルちゃん。


「いいか? すぐ噛んだり飲み込んだりしてはだめだぞ? 舌で転がして、口の中全体で味わうんだ。10分は持つからな。あとは夕飯まで我慢するんだぞ? わかったか? よし、いい子だ! 次!」


全部で4,50人くらいですかねぇ…… 夕飯まで待てんのか? 我、


”物品生成! 小さめの独楽たくさん、中ぐらいの20個、大きいのを10個、いろいろ色を変える”


と念じた。すると地面から、赤、青、茶色、黄色いの、色とりどりのベーゴマのようなものが出てきました。年齢に応じて作ってみた。あとは、すり鉢をもっと緩やかにした大皿、闘技場ですね! これも100個くらいか……


「おい!スネーク! また何を作っているんだ! 」 


ああ、夕飯まで邪魔になりそうだから、こいつらに遊ぶものを…… まずかった?


”…… まずいかどうかは知らないが、それはクライゼルだろう?いいのか? ”


ただの石製だからな…… まあ人に向けて投げないように注意しといてくれ。遊び方は…… あ、紐がありませんな。しかし、つい最近、我は紐を得る手段ができたのだ。


「ねぇたいちょー、あれ、なーに? 」

「ん? あれか? あれは遊び道具だな…… ベーゴマというそうだ…… 」

「「「「「「「「「「! 」」」」」」」」」」

「どーやって使うんだー! 」

「教えてー! 」

「おしえろくださいー! 」


あ、ハンナちゃんの口真似をしたやつがいるぞ! 出かける前に台所にいた子だな! 


「スネークよ? どうやって遊ぶんだ? 私にも教えろ下さい」


ボルちゃんの言語学習能力の高さ! ああそうだね。我、体内で銀魔法Lv.2銀糸を使い、紐を作成。1mくらいの長さにしたところで、切っていき、おぇええぇええっと吐いていきます。


「あ! 蛇ちゃんが吐いたーーー! 大丈夫ーー? 」


今度はイルゼ婆さんの口調をまねた奴がいるな! 吐いたのではありませんよ? 体内から物を外に出したのです…… さっきのとは違う女の子だったようです。


「スネークよ…… 」

”それはなんだ! 魔法銀の糸ではないのかーーーーー! ” 

”銀魔法が進化したのだ! 銀糸という。それで紐を編んでみた。で、ボルちゃんよ。その紐をとってだな…… ”


我、ボルちゃんにベーゴマの遊び方を教える。ボルちゃん、遊び道具に魔法銀を使うなんて…… ぶつぶつとつぶやきながらも子供らにベーゴマの遊び方を教える。


「掌の大きさにあったコマで遊びなさい。あとは一人一人コマをまわせるようになったら、二人で対決をするといい。この紐は大事に持っておくように!」


子供らはすぐに遊び方を覚え、独楽に夢中になったのであった。この中から炎のコマを使う人が出てくるかもしれませんwww。さて、我らは厨房に戻るぞ!



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