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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第6章 夏竹や つわものどもが 夢のあと
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グラニーラムゼースミスの里をリフォームします!

誤字脱字報告ありがとう座います。

適宜修正させていただきました。


本日は長め。


 パチクリ! 我の目覚め~! 起き上がります。体をひねります。ツイッツィッ ツチノコツイッ! 体を腰から右に捻り!ツイッツイィ!今度は反対側左捻り!ツイィツイッ!腰から上体を前に大きく反らし!ゴキキキキ! 今度は上体を後ろに大きく反らし!グキキキキ! ツチノコ体操、終わります! 本日も元気よく過ごしましょう!


 さて、と…… ここはどこかな? お部屋の中ですねーク。石造りの簡易ベッドがあるということは、我が作った建物の中かな? 辺りには誰もおりません…… 我、毛布にくるまっていたみたいですな。布団だったら吹っ飛ぶ勢いで(プ)床にジャンプします! さて、状況はどうなったかねぇ…… 誰かいないかな…… 誰もいない。それでは階段をおりましょう。自分で作った建物だから構造は把握してる…… 階段をポインポインと降りていきます…… しかしまあ、ツチノコ・アイがあるとはいえ、暗いですなぁ。一回に降りたら明るくなった。日の光が入ってるようです。外に出ます…… まぶしーーーーー!目もくらむ明るさ! あ! 第一里人発見! おばあさんだ! おばあさんはやっぱり仕事がないんですかねぇ? あ、こっち見て指差してる!


「蛇ちゃん! 起きたんかぇ! 」


我を蛇ちゃんと呼ぶおばあさんは…… イルゼ婆さんだった。我、ぽいんぽいんと跳ねて近づく。ばあさん久しぶり。みんなどこ行ったんだ?


「わたしゃ例の額金つけてないので何言ってるかわからないから、ボルドウィンさんのお仲間たちのところに連れていくよ? それでいいかい? 」


よかよか! よきに計らえ! そういうわけで、イルゼ婆さんに案内された場所は、グラニーラムゼースミスの里の大食堂…… の調理場だった。なぜに?


「ハンナちゃーん、蛇ちゃんが目を覚ましたよ!」


生き物だから、寝たらそりゃ目ぇ覚ますわな! ん? 我、もしかして、長いこと寝てた?


「あーーーー!ずねぇぐぢゃーーーーーーーん!!!!!!!!!」


ハンナちゃんの鼻声涙目で突進してきた! 我、ひらりと躱す! 何もないところに突進してずっこけるハンナちゃん! 


「あ゛あ゛あ゛あぁ! どゔじで、どゔじでよげるのでずがーーーー? 」


顔面涙と鼻水まみれのハンナちゃん。デコも擦りむいたのか。我、机の上に乗っかり、ハンナちゃんに向けて


光魔法Lv.1! 痛いの痛いの、飛んでいけーーー! 


「あーーー、スネークさんだーーー。起きたんですねーーーーー」


我の背後からエマさん登場。ちょっとハンナちゃんがポンコツになってるから、今どんな状況か教えて? 我、どれくらい寝てたの? エマさんは泣きわめいてるハンナちゃんを抱き起こしてなだめにかかる。


「んーーーー、そうですねぇ…… 」


なんか知らんが、指を折ってるぞ? 


「かれこれ3日は経ったでしょうかーーー? 」


え? 我、そんな寝てた? 


「はいーーー、そんなに寝てましたーーーーー。お寝坊さんですねーーーー? 」


ボルちゃんはどうしてる?


「隊長なら、他のお三方と、あと里の隊長さんたちと外の調査にでかけてますよーーー。あーーー、連絡した方がいいですねーーーー」


わかった。額金だな!


”あーあー、もしもし、ボルちゃん? こちらスネーク! 聞こえてますかーーー?”

”……………スネーク! 起きたのか! ”

”あー、起きた起きた! 目覚めばっちり! いまの状況を教えてくらはい! ”

”………………………… あぁ、今からそっちに向かう! こちらはボーデンに任せる! 里の、どこにいる? ”

”えーーーと、ここは里の大食堂? よくわからないけど、ご飯を食べるところのようです! ハンナちゃんとエマさんがいるところだ”

”了解した! すぐそちらに向かう! オーバー!!    皆、後を頼む、調査は打ち切りで、すぐに引き返してくれ!”


なんか、通信を切った後も音が残ってますな? さてと、こっちのみんなはなにしてたんだ? 


「えー、私たちはー、ご飯の準備をしてましたー」

「ずねぇぐぢゃん! 三日も寝てたお詫びに、新しいレシピ! 教えろ! 」


泣いたカラスがもう怒ったーwww。新しいレシピね。そんじゃタケノコ料理はどうかいどうかい?


「タケノコ…… マギ・バンブーの芽のことでずが? 」

”そうじゃ…… ガメ煮というのがあるのだが…… ”

「スネークさーーん! その料理にはオニクはいってますかーーー?」


んんん、入ってるのはトリニクだなぁ。ふトリニクいぞ! ププ―! あっと、そんなことより! 


”ハンナちゃん! 牛乳はまだ残ってる?”


「まだまだありますよ! …… さては新しい料理ですね? ですね! それは何という料理ですか? 教えろ! はよ、教えろください!」


おおお、元気になったなー、現金だ! ゲンキングと呼んでやろう! いや、女性だからゲンクイーンか? それだと語呂があわない>< 料理というか、お菓子のたぐいな!


「スネーク! いるか!」


ここにおるでぇ! ボルちゃん登場や! 相変わらず来るのが早い! ちょっとお菓子の話は後にするぞ!


「いつでもまってまーす!」

「でもなるだけはやくしてくださいねーーーーー? 」

「おお、二人ともここにいたか。で、スネークは… ああ、こんなところにいたな? ちょっと来てくれ! 」


それじゃ、お二人さん、タケノコのカワハギトあく抜き、あとは野菜のカットをお願いしときますよー! 我、ボルちゃんの頭にパイルダーオン! 乗ったのを確認するとボルちゃんがガキン・ガキンと動き出す! 


ガキン・ガキン・ガキン! スクランブルーーーーダッシュ! 


屋外に出ると、大空羽ばたく銀色のブーツ―♪ その名はジェット・スクランダー♪


「ん? 空中闊歩エア・ウォークのことを言っているのか? 」


この広ーい空はーおお誰のもの―?   

きみのもの 我のもの

みんなのものさ~♪


「ご機嫌になっているところ悪いが、地上の様子を私に説明してくれ!」


下を見ると、グラニーラムゼースミスの里の入っている壁崖を残して、周囲は平地になっていた…… 里を中心にして半径2㎞は平地ですな! 


「スネーク!マギ・バンブーはどうしたんだ! まさか一人で討伐したのか! これはその影響なのか? 」


うーん。ボルちゃんには話しときますかねぇ……


”マギ・バンブーと話してきたよ…… あの夜、一匹ひとりで出かけただろう? マギ・バンブーを見つけて、話をした。奴も我と同じだった……”

「同じ、というと? 」

”前世の記憶を引き継ぐもの、という称号持ちだ。見てはないけどな。話してみてわかった。だから、ここから別の場所に移すことにした。討伐にはならんが…… そう言えば、魔物の討伐って、どうやって証明するんだ? ”

「魔物の討伐証明は、一般にはその魔物特有の部位、通常は魔石だな、それを持っていって討伐証明となる」

”魔石のない魔物の場合は? ”

「魔石がない魔物、そうそう見つからんとは思うが…… まあスネークがそうか。それなら、見た目でそれとわかる部位、スネークならそのウロコだな、なるだけ全身を剥いでもっていかないといけないな」

”我の場合はそれでわかるとしてだ、今回の場合、魔石はなさそうだし、それとわかる部位なんてあちこちあるが、それだけでは討伐証明にはならんのではないか? ”

「そういう場合は、討伐をした後、一定期間をもってその魔物が出なかったら、それが討伐証明になるということかな? この場合は、里長のサインがあればいい」


なるほどねぇ。あのおっさんの胸先三寸で決まっちゃうというわけか。いくらこっちがマギ・バンブーを討伐したと言っても信じなければ討伐にはならんというわけだな。


「そういうことだな。それで、お前が寝ている間にこの辺りを調査していたのだが、マギ・バンブーが、まるで普通の植物のようになっていたのはそういうわけだったのだな! 」


下の方からボルちゃんを呼ぶ声がする。あれは…… ボルちゃん一味とハート様率いる里守備隊、あとはクラさんの…… 開墾部隊だっけ? ボルちゃん、下に降ります、降ります!


「たいちょー、スネークのやつ起きたんだな!」

「元気みたいですね! 」

「ずっと寝てるから…… 心配した」

「それで、やはりこの出来事はスネーク殿が関係しているのか? 」


と、ハート様が聞いてきた。


「間違いないそうだ。それでマギ・バンブーは討伐したと言っている。残っているのはただのバンブーだから、素材として残しておくといいそうだ」


おお!そうかと安堵の声があちこちで漏れ聞こえた。ボルちゃんは我の意を汲んでくれたようだ。


「しかし、ど派手にすっとばしましたなあ。里の畑も跡形がありませんでした! 」


ああ、畑があったのね。そしたらこの更地の場所になんか植えたら? 栄養はなさそうだけど? あ! 畑になんか植えてた?


「確か、3日前に収穫しに行ったという話ではなかったか? ボーデン達がついていったのだろう? 」

「何の話かなんとなくわかるけど、畑の収穫の話ならもう全部終わってるぜ! 」


ヒーちゃんが左手突き出して親指たててる! この子はあんまり農作業とか手伝わなさそうだけど?


「フランメは農作業なんかやらなそうだ、そうスネークが言っているが? 」

「スネ君、人を見る目があるわねー! 」


カーちゃんもおんなじだぞ! 君ら泥臭いことはやりたがらないだろう! たぶんリーちゃんが全部手伝ったに違いない! こ奴らはついていっただけと見た!


「ボーデンがすべて手伝っただけで、二人は泥臭いことはやってないだろう? そうスネークがwww 私も同意見だな! 」

「さすが師匠は人を見る目がある!」

「いやいや、付いて来てもらっただけでありがたい。地下道を大勢で通るのにお三方に証明で照らしてもらったので安全に進むことができました」


うーん、たまたまそうなっただけだと思うなぁ…… ま、いいでしょう。それにしても、畑が吹っ飛んだのなら、新しく作ればいいじゃない! 


「新しく作ればいいじゃないと言ってるが…… そんなに簡単に作れるのか? 」


枠組み自体は簡単なんだが…… 問題は土の養分だな。ここの土壌は貧弱なので、なかなか作物、というか植物が育ちにくいんじゃないか? 神樹さまもそんなことをこぼしてたし。まあ、それについては我に考えがある。


「魔法を使うのか? 」


土魔法は使うが、土を肥えさせるには違う方法を使う。ま、それは後だな。もっとだいじなことがある。


「もっと大事なこと? 」


神樹さまの場所をどうするかだ。ここは風の魔力が得られやすい土地なんだろ? 我が、もっと風魔法を得られるように地形を変えるのだ!


「ああ、スネークならできそうだな…… だが、魔力はあるのか? 」


たぶん、3日前、気を失う直前に莫大な魔力を使ったから、また増えたに違いない!


「…… と言っている。これは里長に話を通さないといけないな」

「わかった。オレが親父殿に報告してくる」

「いや、みんなで行った方がいいな。それに里長殿には討伐証明書にサインをしてもらいたいし」

「あのおっさん、サインしてくれるかな? 」

「なんだかんだごねそうですもんね…… あら、失礼! レオン様のお父様でしたわね? 失言でしたわ」

「…………口が悪いこの者たちをどうか許してください」

「あっ、リーちゃんがちゃんとした口上こうじょうを言えるようになったぞ! ローテべーテ食べさせないとな、隊長!」

「まあまあ、ザラ―トでも作りますか~!」

「……… そんなもの、作ったこともないくせに………」


なにやらもめてますが…… 一旦ここを離れるか。今は…… 午後なのか? 


「そうだな。歩いて帰りつくころには日が傾くだろう」


そっかーーーーー、我、もうちょっとここで調べたいことがあるのだが。

本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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