起きて!朝ですよ!(夜だけど)
我の与えた光水晶から光の魔力を吸ったマギ・バンブー。なんか輝きだしましたな。でも…… それだけ。それだけ? なんか起きないの?
”おい! なんかアクションはないのか!”
”モット ヨコセ! ”
”もっと寄こしたらどうなる? ”
”モット ヨコセ! ”
う~ん…… ただ光の魔力を与えても何も起きないし、我の与えた魔力分だけ損ですなぁ。こいつでは話にならんし。あの竹が精霊化しないとだめか…… ここに来た理由は、たぶんだけど、ここから逃げるつもりだったんじゃないかな? このリーズィッヒ・コーイは空を飛べるし。逃げられたらまた神樹さまを襲うかもしれない。だとしたら、ここで逃げられるわけにはいかないのよねぇ…… こいつを動けないようにしておかないといけないのだが。さっき作った石の檻だとこの石臼、暴れまわって壊しちゃうんだよね。何か
いい手段はないですかね?
”銀魔法の使用をお勧めします”
あーん? 銀魔法? 銀メッキがなんか捕縛の役に立つの?
テロリン♪
え? レベルアップ音?
”銀魔法Lv.7”
今までずっと銀メッキだったよね? ここでレベルアップしてどうするの?
”銀魔法Lv.7 銀糸”
ナヌー! ここへきて銀魔法に新しい展開! だったらレベル6まで同じ魔法にしなくってもいいんじゃない?
”銀魔法Lv.1からLv.6銀メッキをLv.1に統一し、銀魔法Lv.2を銀糸としたことを報告します”
ご、ご都合展開……… しかし、銀糸、を使ったとしてすぐ切れちゃうんじゃね?
”魔力を込めれば切れなくなります”
あー、そういうもんですか………… なら、やってみますか。紡ぎだせ、我の銀魔法!
”銀魔法Lv.2 銀糸!”
シャ―――……… 我の口から出てきたのは、細い糸状の物。何やら、綿あめのような……
”ナンダ コレ? ”
なんだこれ? 我の感想も同じです。 石臼はふわふわの綿状の物を両手で払いのけてます。これじゃ捕縛できんやないか! もっと、糸を太くせんと! ハンナちゃんが麻の繊維を撚り合わせて一本の糸にしてたような…… あのイメージやな! もう一度。紡ぎだせ、我の銀魔法!
”銀魔法Lv.2銀糸!”
我のお口から、細~い糸がたくさん出て、それがちょっと先で撚り合わさって少し太くなって、それが再びより合わさって…… 我のイメージする糸、というか縄状になりました。よし、これで捕縛ジャ!
縄が自在に動いていきます! まずは石臼の胴回りにぐるりと巻きついて、そのあとは縦方向にぐるり! 縄の先端は…… 構造物作成でアーチ形の門をつくり、それに吊るしましょう! 吊られた臼の完成です! ただし頭(竹が植わってる方)が上になっております!
”ググ! ハナセ! ”
話したら離してあげるよ~。あ~、でもお前知能がなさそうだもんな。アルジとやらをださんかい!
”アルジ、ヒカリガナイ、ハナセナイ”
んんん――――、それは朝になったら起きるということなのかなぁ…… 光ねぇ…… 自分の発光では目が覚めない、ということかな。我が光ったらどうなるのかな?
”光魔法Lv.1からじんわり強くなっていって!”
我、徐々に発光…… ちゅんちゅんちゅん! 朝ですよ~、ほら~起きなさい~。周囲10mほどの範囲まで光が届きます。我が発光するにしたがって竹の光が弱くなっていってますな…… 相対的なものかしらね。ほらほら、起きて~ 竹自体の発光がなくなり代わりに光が外に集まってきて…… キタ――(゜∀゜)――! 精霊状態!
「うーん、もう朝ぁ……? 」
横になっていたマギ・バンブーさんが片腕を延ばし伸びをする。上体を起こし、目をこすってますな………… 我、精霊になったマギ・バンブーをよーーーーーく見る。どこかでみたことあるような………?




