表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
621/786

歩く盆栽

オリパラ・東京2020盛り上がってまいりました!

金のメダル、たくさん!



 さてさて、このまま討伐してもよいのですが、こっちに向かってくる気配があります。どうもこのリーズィッヒ・コーイが目的だと思われます。だって、他に大きな魔力を感じるところがありませんから。あとは、我の気配を隠しますよ。我がいるとわかったらこちらにこないかもしれないからね。ちょっと離れたところに崖がありますんで崖の一部に土魔法Lv.7で穴を開けます…… ぽこっ! 横に穴を掘る魔法とか、いつ使うねんと思ってたらこういう時に使うのね。横穴に入って、土魔法Lv.8で横穴を塞ぎます。我、目と鼻の穴だけだして息を殺して待ち続けること幾ばくか…… 


なにかが近づいてきた!


 我、目を凝らします。ツチノコ・アイ! キュピーン! 近づいてきたのは、盆栽? えーと、石でできたドラム缶ぐらいの植木鉢? 盆栽かと思ったのは、その鉢になんか木が植わってたからだ…… いやいやいや、木じゃねーーー。どう見ても竹でしょ!マギ・バンブーの一部じゃないですか!大きな植木鉢には、マギ・バンブーとは思えないくらいの細さの竹……もはや笹? 見てくれはそうだけど、魔力の感じはマギ・バンブーなんだよなぁ…… 経過観察。


”…… オイ! …… オイ!”


うわうわうわ! 植木鉢が念話してる! 我に向かってじゃないよね! あ、植木鉢から手が出てきた! キモー!! よく見たら、植木鉢、足も生えてる! キモキモーー!!!! あの手足はどうやら魔力でできてるようですな…… 経過観察。


”タマ! オマエェ! ネテルノカ! オキロ!”


拳骨握りしめ体はウナギ、顔はコイのでっかい魔物を殴りつける植木鉢。うーん、シュールや。タマというのは痺れているリーズィッヒ・コーイの名前かしら? なぜにタマ? ネコじゃあるまいし。リーズィヒ・コーイを殴りつける植木鉢だったが、様子が変だと気が付いたようだ。


”オイ! ネテタンジャナカッタノカ! ナニガアッタ? ”


あれは道中で見かけた石臼だよねー……… こいつらやっぱりつるんでた。頭に乗っかってるの、竹だしな! 一目瞭然! 我、こいつらを逃がさないように、周囲を囲うことにする。


”構造物生成!石のおり! 逃げられないように天井も作って! ”


突然、周囲から石柱が出てきたから、石臼のやつ、びっくりしてやがる! おっと、天井がふさがれる前に、我、土の中から這い出ます! シャ――――! そしてホップ・ステップ・蛇―――ンプ! 檻の中に見事な着地! 10点10点10点10点10点! 金メダル間違いなし!


”ア! オマエハ! ヒカルタマ!”


何言ってんだ?


”ヒカルタマ、ヨコセ! ”


ヒカルタマ…… 光る玉…… 懐中電灯に使った光る玉のことかな? それより、こいつ、念話が使えるみたい!


”いきなり会って、タマ寄こせー、それじゃあ誰も言うこと聞いてくれんぞ? 力づくで来るんならそれもよし!”

”タマヨコセー! ”


うーん。あんまり知能はないようです…… だけど。横になって転がりだしたよ? おい、頭に生えている竹はどうなってもいいのか? 我に向かってきたので、華麗にジャンプ!闘牛かよ! 相手は牛じゃなくって石だから闘石か。あ! 檻にぶつかった! 檻、壊れた! なにー、そんなにあれはかたいのか!


”魔力を纏っているために通常の石材では硬度が劣ります”


ナヌー? 魔力を纏うと固くなるのか! ああ、ボルちゃんの大剣と同じ理由ね。魔力纏わせて石なんかをスパスパ切ってたもんね。


”青魔法で硬化を祝福した剣も同等です”


ああ、似たようなことがボルちゃんがもともと持ってた剣でもできてたもんね、我が青魔法掛けたおかげで。しかし…… 石臼のやつ、ゴロンゴロン転がってとうとう檻を全部壊しやがった!。ならば! リーズィッヒ・コーイを痺れさせた、あの技を! 痺れろ! ジャジャジャ邪眼! …… なに? この間は?


”タマヨコセ―!”


わーお! 全然効き目がないですな!


”眼前の”石臼”は、魔法機構物であるので、ツチノコの邪眼は効果がありません”


あー、さよですか! ふーむ、どうしたらいいものかのぅ?


”あのものの言う通り、玉を渡してみたらどうでしょう? ”


あー、なるほどね。話聞いてくれるかも知らんね。てか、急に親切になったね?


”お供え物のご利益です”


なるほど。もっと何かお供えすれば、いろいろ教えてくれるんですかね?


”…… ”


だんまりモード入りました! まあいいや。それでは、我の体内にある水晶玉に、光魔法を封入します! そいやーーーー! 割れる直前まで魔力を吹き込んで! できたのかな? おえっと吐き出します。そら、光る玉やで? コロコロと転がして石臼のところにポイ! うん、黄金色に輝いてますなー! 金の玉や! ”の”を入れないとお下品になる! Yes No!No Gehin!


”ヒカリノタマ! ”


あー、石臼がタマをせせっております。石臼に生えた魔法の腕で玉をせせっておりまする!


”アルジ! ヒカリノタマ! ノム! ”


タマをノムのか……… 飲んだらノムな、ノムなら野村! 馬鹿なこと言ってたら、頭の上の竹の根がタマに伸びてきて、あれ? 魔力を吸ってるのかしら…… 竹が輝きだした―! 

本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ