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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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誰かがウェークアップ!



神樹さまのお顔を見ると、ちょっと眉間にしわがよってますな………… だめだぞ!可愛い顔が台無しジャ! あれ? 持ってた実を小脇に抱え直して顔を手で隠して…… なにをしてるんだ?


”マルス・プミラさまに向かって可愛い、などと言えるのはスネークだけだな”


あぁん。可愛い、に反応してたのか。


「グ、グラニーラムゼースミスさま? 」


戸惑うポッポちゃん。まあそうなるわな。挨拶をしたら、いきなり不機嫌顔をされたカと思えば顔を隠してくねくねしたら、そうなるわな。


「ちょっと邪魔になりますので、こちらは神の御子様に差し上げますね、それでこちらはボルちゃんに」


ちょっと落ち着いたと思ったら、グラニーちゃん、手に持った輝く実を我の方に向けました。そんじゃ、いただきますか。パク! スッパーーーーーーーーーーーーー! 我、のたうち回る! のたうちながら、まるまる輝く実をシャリシャリ食べていきます…………ああ、ほっぺの奥からよだれがだらだらと出てるような。つか、我にほっぺた、あるのかしらんが。しかしなんですなぁ、酸っぱいは酸っぱいのだが、その中にほのかな甘みが………… 例えるなら、そう、酸っぱい飴玉食べてたら、だんだん味が甘くなって逝く感じ。しゃりしゃりしゃりしゃり………………………… 


「神の御子さま、いかがでしたか? 」


結構なお点前てまえでした…………


「スネークよ、体はなんともないか? 」


え? 特に変わったことはないが…… そう言えば、アシアティカ様のやつを食べたときは食べたあと、気を失ってしまったな……


「ああああああああああああああああ! なんということだ! ボルドウィン! それはこちらに寄越せ! 」


もう一つの輝く実をグラニーちゃんから受け取ったボルちゃんだったが、言われるがままポッポちゃんに渡した………… 


「こ、これがヴィンド・アプフェル………… ごくり」

「馬鹿息子よ! それはボルドウィンさんに下賜されたものじゃろ! 」

「そうですよあなた! ミアさんに返すべきです! それに……………………」

「お前も母上もだまらっしゃい! これらは里の者達で食すべきものです。まずは儂が一番だ! 」


ガブリ! ポッポちゃんが一口輝く実をかじります! アプフェルを囓ると、歯茎から血が出ませんか? 特にでないようですね………… と思ったら、急にポッポちゃん、倒れたぞ! どうした! 持ってた輝く実はコロコロと転がって、あれ? 横に寝ていたハンナちゃんのお口の所に転がっていきましたな! あ! 噛んだ! 寝ながら実を食べてる! ハンナちゃんよ! エマさんとキャラかぶってるぞ! あの人は寝ながらニクを食うやつだ!もしゃもしゃ食ってるが、みんな倒れたポッポちゃんを見ているので、ハンナちゃんが輝く実を食べているのに気づいてないようですな。


「スネーク! 里長殿にアレを! 」


アレか! どのあれかはわからんが、とりあえず光魔法で………… おや? 何も起きませんな…… 


「怪我などではないからな! 目を覚まさせる魔法があるだろ! 」


アレは、カウントダウンが進むのだが………… わかった。ウェーカップ!ウェーカップ!今、愛がつきぬけますよ!


青魔法Lv.1 覚醒!


【WARNING!WARNING!WARNING!】


【水魔法消滅まであと19!】


【WARNING!WARNING!WARNING!】


【水魔法消滅まであと19!】


【WARNING!WARNING!WARNING!】


【水魔法消滅まであと19!】





あれ? なにも起きませんな? ポッポちゃん、どうしちゃったんだ? 代わりに起きたのがハンナちゃんだった。どゆこと?


「いーまー、あいがつきぬけました~♪ ハンナ・ヴィンデルバンド! 華麗なる寝起き! 」

「おっ! ヴィン! 目が覚めたんだな! すまないが、里長殿を見てくれないか? 」

「わかりました~! うーん、それにしてもいつになく清々(すがすが)しい目覚めですよ! なぜかお口の中が爽やかな感じ! 」


今起きた出来事はここでいっていいものか…… よくわからん。


「いやぁ、ハンナちゃんの出る幕はないんじゃないかねぇ…… ふぉっふぉっふぉ!」

「ム! イルゼ様。どういうことですか? 」

「あら、気にさわったらごめんなさいねぇ。うちの馬鹿息子がヴィンド・アプフェルを囓っちゃった、と言えばわかるかい? 」

「あーーー、なるほどですね。それでは私の出る幕はありません。どなたか里長さんを休ませるところに連れて行ってあげてください」

「それじゃ、私が」

「エンゲルさんはここに残っててなぁ。ポッポが寝ちまったら、誰がこの里の意思決定をするんだい? 」

「え? それはお母様達がやられるのでは? 」

「ここはもう年寄り達のでる幕ではないのじゃよ…… なあボルドウィンさん………… あとのヴィンド・アプフェルじゃが、うちらに譲ってはくれんじゃろうか? 」

「譲るもなにも、元はそちらのものですし、むしろ我らが、グラニーラムゼースミスさまの許可をいただいたとは言え、こちらのものにしたことをお詫びしたいのですが」

「私のしたことに満足されてないのでしょうか?」


あ…… グラニーちゃんが悲しそうな顔をしたぞ? あーー、我はグラニーちゃんの実が食べれてうれしかったぞ! 風の光る実が酸っぱくてちょっと甘いってのがわかっただけでも満足ジャ!


「そうですか! それならよかった! 」


グラニーちゃんの破顔はがんは破壊力満点ですな! あとは、もう里の人とボルちゃんで話し合うしかないんじゃないか? そういや、どうしてポッポちゃんは倒れたん?


「あー、これはその属性の魔力を持たない人がヴィンド・アプフェルを食べると昏睡するのです。属性を持っている人でもその容量が少ない場合同様になると言う話ですよ」 

「そうそう、ハンナちゃんはお若いのによく知ってるねぇ」

「あら、お母様。ハンナちゃんは優秀な衛生兵ですのよ。この若さで従軍しているのだから、もう規格外といってもいいですわ! 里に引き取りたいぐらいです! 」

「ヴィンデルバンドはその才能により我が小隊に配属されましたからな。これからも遺憾なくその才を発揮していくでしょう! 」


ハンナちゃん、大絶賛されるの巻!

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