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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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赤い実、赤い実、輝く実


 背後を見たら、神樹様にたくさんの実がなっておりました。ま、我が緑魔法を使ったからだと思われます…… でもまてよ? 当代アシアティカ様に緑魔法を使った時は実はならなかったような………… 魔力量が足りなかったのかしら?


「グラニーラムゼースミス様! このように無数のヴァイスハイト・オープストの恵みをいただけるとは…………………… 我ら里に集いし者は果報者です! 」


ん? なんか変なワードが出てきたな……


「守り人達よ………… これは私だけで得られた結果ではありませんよ…… こちらにいる神の御子さまが、我らマルス・プミラの存続のためにその御業みわざを示していただいたのです」


そういや、グラニーちゃんは、この実を使ってうつし身を増やさないんか?


「できればそうしたいのですが………… この土地は養分が少なすぎて、移し身が育たないのではないかと思っています………… 」


養分はここの里の人たちに頑張ってもらえばどうにかなるんじゃなかろーか? 一応さっきの緑魔法で苗木までは育つと思うぞ? えーと、苗木のところにはその精霊状態がだせるんだっけね? だったら、いろんな所に苗木を植えといたらいいんじゃね? いろんな所の景色が見えるぞ!


「そうですね………… それではお願いしてもよろしいですか? 」


ああ、まあそれはマギ・バンブーを討伐してからだな。さて、ボルちゃんよ、神樹さまが赤い実たくさんつけたけど、これ普通はどうするの?


”ヴァイスハイト・オープストは、ああ、お前の言う赤い実は、食すると知力を上げる働きがあるとされている。ただ、魔力量がとんでもなく多いため、少しずつ、何日か間を開けて食べていく物されている”


今、成っている実で、どのくらいかわかるか?


”個数にしてか? そうだな…… 2000は超えるんじゃないか? 大収穫だな! 里の者が喜ぶのも無理はない! ”


これは毎年実るものなん?


”ああ、だけどどれだけ実るかは、その年の天候やら、受けた魔力やらで変わると聞いたぞ? む………… あれは! ”


どうした?


”そうだな………… グラニーラムゼースミス様はエルステン・エルンテだったな…… 今日はいろいろと珍しいものを見せていただきました”


なんや! 自分だけ納得しとらんで、我にも教えんかい!


”あぁ、すまんな。マルス・プミラ様は精霊状態に顕現化するまで100年ほどかかるのだが、顕現化がなったときにたくさんのヴァイスハイト・オープスト…… スネークの言う赤い実、を実らせるんだ。で、それが毎年1年を巡るとやってくる。それをエルンテという。最初の年のエルンテがエルステン・エルンテというのだ。通称エルエル”


エルエルかぁ。ちょっとブカブカそうやね。


”続けるぞ。エルエルの時から100年周期ぐらいでマルス・プミラ様は特別な恵みをくださる。それが………… 見えるかな? 上の方に輝いている実があるのがわかるか? あれが、グラニーラムゼースミス様の、特別な恵みだ。グラニーラムゼースミス様は風属性だから、あれはヴィンド・アプフェルだな”


おおおおお! あれがグラニーちゃんの光る実か。光る実と言ってもアシアティカ様の実に比べたら光り方が違うな! アシアティカ様のはペカーって光ってたけど、こっちは水面に差した夕日のようなキラキラ感! あれも食べるんだよな! 数が少なそうだが、我も食ってみたい! アシアティカ様の光る実はすげー苦かったけど、グラニーちゃんノンはどうやろか?


「食べてみますか? 」


そう言って、神樹さまはふわりと宙を登り、キラキラのみをもいだと思ったらすぐこっちに戻ってきて、我に差し出そうとした。

「グ、グラニーラムゼースミスさま! 」


と、声を上げるポッポちゃん。あれ、やっぱり我が食べるのはよくないのかな?


”あれは里の者が口にするべきものなのだがな、本来は”


ん? どういうこと?


「私が差し上げた方にこれを食べていただきたいのです」


微笑まれる神樹さま……………… うむ、少年なら我、ショタと言われるかも知らん……少女だったらロリですな、カワユス。しかしまあ、そんな貴重なものを…… 食べてみたい………… 


”いくつか成っているようだから交渉してみるか。私も食べてみたいしな”


「それでしたら、ボルちゃんにも一つ、差し上げますわね」


もう一つ、神樹さまがふわりと浮かび、輝く実を取ってきた。あれ、いくつ成ってるんだ?


「ここから見える限りだとあと3つかな………… 」


と、ここでポッポちゃんが大声を上げる!


「なりません! なりませんぞ! この者達は里の者ではありません。そこの従魔に至ってはエルフ族でもありません! 我ら、グラニーラムゼースミスの里に集いし者達こそがヴィンド・アプフェルを下賜されるべきです! それが通例となっております! 」


神樹さま、小首を傾げていますな。いちいちカワユス。


「あなたが、ここのおさですか? 」

「左様です!」

「お名前はなんというのですか? 」

「おお、私に名を名乗る栄誉をお与えいただくとは恐悦至極! わたくし、ポッポ・ハートと申します! 以後、お見知りおきを! 」


このおっさんが、ポッポちゃんなのですWWW。我、再び笑い転げそうになるが、我慢我慢。


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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