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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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ひーみつ♪ ひみつにしてね♪ 内緒にしましょ♪ 誰にも言わないでね~♪

タイトルはなんのCMだったかなぁ・・・


 神樹さまを神々しく見せるために、我光魔法を放ったのだがどうやら眩しすぎたようだ。皆さん目を押さえてますな。大勢で目が、目がー!状態です^^。 おや、神樹さまは眩しくないご様子.やっぱり植物だからかしら?


「やはり神の御子と言われるだけのことはありますね.とても心地いい…… 」


そかそか。ついでにお水も飲んどくか? 我、皆が見ていないのでおぇぇええっと体内にため込んでいた魔法水を吐き出します.ついでに土魔法で、植木鉢の中の土を一部粘土化、一部砂化して…………Lv.30地形操作の応用で、土団子こねこね……大きさを変えて、団粒化と命名! できた! 団粒化することで、土壌中に入った水分を、余分なものはさっと排水し、必要なものは粒々の隙間に蓄えられるようになるのだ!


”団粒化、を登録いたしました”


「神の御子、これは先ほどの魔法とは違うようですが………… 」


さっきのは緑魔法ね。今のは光魔法・魔法水・土魔法を順番に使ったのです! 緑魔法は今のところ守り人達には内緒です…………


「それはなぜでしょうか? 」


先代のアシアティカさまは光魔法を使うマルス・プミラだったけど、守り人なしで一人で過ごしてたらしいのです。理由は知らない………… それで、光のマルス・プミラは守り人の中ではもうなくなったものと思われていたのですが、伝説の賢者とやらがその場所を特定したようです………… だけど、王国には報告しなかったのかな。なんか理由があるんでしょうね。この話知ってるのは、ボルちゃんとあと二人くらいかな? 彼女らにも口止めしてるんで、神樹さまもなにとぞよろしく。


「かしこまりました」


ところで、神樹さまはどうしてこんなところに植えられたんだ? 風のマソが強いからとは聞いたのだが、土に養分がなさ過ぎる気がするのだが?


「この地が選ばれた理由については、御子のおっしゃるとおりとしか聞いておりません…… そのせいで、通常なら100年ぐらいで精霊化できるはずでしたが、余計に20年ほどかかってしまいました」


顔色が悪かったもんな………… あれはマギ・バンブーのせいかな?


「いえ、おそらく土のせいかと………… 御子にいただいた遺灰のおかげで精霊化することができました」


ここの土、栄養なさそうやもんな………… 里の周辺以外にはそんなに植物生えてなかったし.水が悪いのかもしらん。マゼンダ・フルスの水って赤茶けているもんなぁ。その中で生きているコーイとか、生命力ありすぎやな? あれ? 道中捕まえたのはリーズィッヒ・コーイという魔物だったか? もっと周囲の土を豊かにせんと、このまま生きていくのもつらかろうて。


「大地の養分はいったん精霊化してしまえばそれほど必要ではなくなるのです。あるに越したことはありませんが。 それよりもここは風の魔力を集めやすいところのようで、私がここに植えられたのもそれが原因でしょう」


光に目が慣れたのか、我の光の調節がうまくいったのかはわからないが、神樹さまに向かい合ったエルフさん達が、次々に片膝を地面につき両の手を結んで平伏していた。あらら、ボルちゃん達も一緒になってやってますな。


「グラニーラムゼースミス様! この度の精霊顕現化の儀、我らグラニーラムゼースミスの里につどいしエルフ族として、謹んでお慶び申し上げます! 」


……………… 神樹さま、なんか言わんの?


「……………… なんか言うべきでしょうか? 」


小声で聞いてくるな! 我は知らんぞ? なんか言わんと、この場はおさまらんのではなかろうか? ボルちゃんや、こういうときはなんと言えばいいんだ?


”私に振るな! 知るわけがなかろう! ”


と言うわけで、なんか挨拶したらいいんじゃないかい? そうしないと、もうすぐ夜になるし、晩飯にしないと、みんな腹減ったままジャまずかろう。ひもじいのはだめだろ?


「そうですね……………… 」


そんな返事をして、神樹さまは我をひょいと持ち上げ、胸に抱いた。あれれ? 精霊なのに実体化?してるの? つうか、我のマギ・ハンドのようなものか? でも、エルフの皆さんは見えてるようだし。


「皆様、長らくの介助、ありがとう。 時間はかかりましたが、本日をもちまして皆様と意思疎通ができるようになりました。私グラニーラムゼースミスは皆様に報酬を差し上げます.今後とも皆のよきようにマルス・プミラ種を支えてください」


なぜか神樹さま、我を持ち上げ、気合いを入れた。


「ハィーーーーーーーーー!」


な、なぜ我に魔力を注ぐーーーー? はわわわわーーーーーーーー! ま、全然問題ないんだけどね! これ、どうすりゃいいのさ?


「すみませんが、本体の方に魔力を譲渡してくださいますか? できますよね? 」


そ、そりゃできますが………… 何使えばいいのかな? やはり緑魔法か! 報酬って逝ってたな? 赤い実! 赤い実を実らせればいいのか?


緑魔法Lv.4成長促進プラントグロース! 咲き誇れマルス・プミラの花たち! そして実りなさい!


【WARNING!WARNING!WARNING!】


【水魔法消滅まであと20!】


【WARNING!WARNING!WARNING!】


【水魔法消滅まであと20!】


【WARNING!WARNING!WARNING!】


【水魔法消滅まであと20!】



ちょっと待てーーーーー! 内緒にするはずだった緑魔法、おもいっきり公開しとるやないかーーー!

ざわざわざわざわ! ざわついておりますぞ! さっきまで跪いていたやつらがもう立った!


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


皆で雄叫びを上げてますな!


”スネーク! 後ろ後ろ~! ”


お笑いのコントじゃないんだから! 後ろに何があるってーの? 我、首をグリンと回します…………………………おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! なにやら神樹様にたくさんの赤い実が付いておりますなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーって、そりゃ緑魔法使ったんだから当然やろ? あー、でも久しぶりに赤い実食べてみたいわぁ。

本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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