表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
611/786

フィーリングカップル

誤字脱字報告ありがとうございます。

適宜修正させていただきました。



「くっ! ボルドウィン殿には拒否されたか! 」

「オレラ、田舎モンだとやはり無理があるのか?!」

「いや、だけどレオン隊長とは親しげに接しておられるぞ? 田舎とか王里とか関係ないんじゃね? 」

「ボルドウィン殿は、もしかしてフケ専なのか? 」

「いやいや、そうじゃなかろう。ねぇさんはあれでも剣に生きる、いわば求道者なのだ。だからうちの隊長とは気が合うのだろうて」

「私と付き合いたくば、私を剣で倒してからだ! とか言いそうだもんな! 」

「ねぇさんを剣で倒すのはお前らじゃ無理だ! てか、この里で対抗できるのはうちの隊長ぐらいじゃね? 」

「その隊長から、今朝方ねぇさんに剣を折られて瞬殺されたって聞いたぞ! 」

「じゃあ、里の人間は誰もミアちゃんには勝てないな! 」

「ミアちゃんって………… ねぇさんの名前か? そんなにかわいい名前だったんだ」

勝利ヴィクトリアとか勇者ヴァレンティナじゃなかったんだな!」

「わたしのもの(ミア)、だからなぁ………… 両親、特に母親にかわいがられたにちけーねぇ! 」

「いやー、そうかも知らんがもう今は一個の大人だ! 何でもかんでも私のもの! 美貌も剣も私のもの、かもしらん! 」

「あーーー、私のものにされてぇ! 」


く、くだらんにもほどがある!


”ほうほう、なるほどなるほど! ミアと言う名前にはそんな意味があったんやな 勉強になります! ”

”スネーク! そんな勉強をしてなんになる! ”

”ちなみに私の名前、ハンナというのは親切な、とか優しいって意味があるんですよー.名前通りでしょ?”

”へーそーですねーーー”

”ム! なんだか関心なさそう! ”

”そんなことよりも! この男どもはどうにかならんか? ”

”ほっとけばええんちゃいますのん? ”

”スネークちゃんの言うとおりです! いや! むしろ彼らをこき使ってやるといいのです! こちらに来たときに連れてきた人たちは隊長の言うこと全然聞きませんでしたからね!”

”いや、聞いてないと言うことはないのだが………… ”

”あ、これは失礼しました。隊長命に従わないと言った方が正確でしたね? フランクフォートでの待機命令ですら守らなかったし”

”よくわからんが、ボルちゃんもたいへんやったな! ”


ぽふっとスネークが私の頭にジャンプしてきた。


「あれはなんだ? なんだ? なんだ?」

「あれはスネークと言って、ボルドウィンさんが連れてきた従魔じゃよ。 お前らもボルドウィンさんを困らせるんじゃないよ! 」

「ボルドウィンさんじゃなかったらいいのか! それじゃ、そっちのお三方! 」

「ん? おれらのことか? 」

「この流れは………… フィーリングカップルですわね! 」

「……………… 」

「あなたたちの隊長には振られてしまいましたが! 」

「皆さんならまだ可能性が! 」

「ここで一つ! 」

「私と愛を育みませんか! 」

「深夜のロゼ・ヴァイン、一緒に飲もう!」

「そして子作り! 」

「できた子供を最強に!」

「「「「「「「よろしくお願いします! 」」」」」」」


さっきの男どもが今度はフランメ・トレーネ・ボーデンに頭を下げて右手を差し出した!何という変わり身の早さ! と、ここで、私の近くに来ていたヴィンが声を上げた!


「ちょっと待ったーーーーーーーー! 」


”おおっと! ここで、ちょっと待ったコールが、女性の中からーーーーーー!”


「お、おいヴィン! スネークも何を言ってる! 」

「皆さんは、ここにもう一人レディがいることをお忘れしてはないですか? おほほほほ! 」


ヴィンが腰をくねらせながら右手をコイコイしている………… 男どもはあんぐり口を開けていたが


「「「「「「「ゴメンナサイ!」」」」」」」


拒否されてしまった………… ま、あれを受け入れる男がいたら、私が速攻で制裁加えていただろう。そのようなものがいなくて私は一安心した。


”なるほど、ハンナちゃんは出落ちだったかw”


「ムキーーー! どうしてそうなるのですか! 私のこのプリティさをどうして理解できませんか! 」


”スネークよ………… ”

”ああ、ちょっとおかしくなっとるな! 逝ってくる…………”


私の頭をぴょんと離れ、スネークはヴィンの頭に飛び乗った。


「あ! スネークちゃん! スネークちゃんなら、私のプリティさをわかってくれますよね!」


スネークはいきなり両手で捕まえられて頭から降ろされ、全身をまさぐられヴィンの両腕の中でじたばたしていた。


”わかったから落ち着け! 赤魔法Lv.1入眠スリープ!軽めで! ”


崩れ落ちそうになるヴィンを私は抱きかかえ、背に負う。


「あ、今のコも援軍のメンバーか…………」

「子供なのに援軍に入っているのか? それはまずくねー? 」

「まさか、賢者のようなロリババアだったとか? 」

「その可能性はあるな! 」


”ボルちゃんよ”


スネークが何か聞きたそうだ。


”賢者、というのはエルフ族だったけか? ロリババアなのか? ”

”さあ? 私は会ったことがないし、さほど興味なかったから詳しくはわからない”


スネークと魔道具で話をしていたら、いつの間にかフィーリングカップルとやらは終わっていた。


「お前ら全然歯ごたえなさそうじゃん! 」

「少なくとも一年に金貨10枚稼ぐ人じゃないと…………」

「………… 拒否………… 気持ち悪い………… 」


”あーあ、 カップル不成立かーーハートマーク完成できずーーー!”


なぜかスネークがすごくうれしそうだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ