プロポーズ大作戦
本話はボルドウィン嬢視点でお送りしております…………・
いろんなものが混じってますが気にしないでください^^;
わかる人にはわかるがわからない人にはわからない←当たり前体操^^ちゃっちゃん♪
グラニーラムゼースミス様とスネークに先んじて、私は里の地上部に降りていく。そこにはボーデン達に先に降りてもらったが、里の人たちはどうしているであろうか。心配したが、主立ったものはいるようだ・・・・・・ 東の砦まで一緒にいった面子、ボーデン達と畑を見に行くと言っていた大男とその仲間達、戦闘できるものは地上部にいた。……… あれ? 里長がいない。エンゲル殿もいない。 守備隊長のハート殿もいないな。こういうときは、誰に報告すればいいのだろうか? あ、長老達がいる。あの人達でいいか。
「イルゼ殿、ゲルダ殿。それに名を伺っていなかった御尊老の皆様方、報告が遅れました。里に入った魔植は排除しました。これで中に戻られても安心ですので、外で待っている方々に知らせていただきたい」
「ああ、ボルドウィンさん、ありがとねぇ! そら、マー坊、外で待ってる人たちに知らせておいで。それとうちの馬鹿息子が起きていたら、こっちに来るように伝えときな。だめだったらエンゲルさんに来てもらいなさい」
マー坊? 子供を連絡係にするのかと思ったが、子供はここにはいない………… と、ここで、イルゼ殿にしたら、里の者は皆自分の子供のようなものなのだろうと思い至った。マー坊………… あれは確か東の砦に向かうときに、隊を二手に分けて率いたものではなかったか? 名前は確か…………ヘンチェンといったな。マーゲン・ヘンチェン。守備隊の副長だったはずだ。あのものに声をかけると言うことは、まだレオン殿はここへ戻ってきてはいないのか? 里の方の状況がよくわからないが…………あ、レオン殿達はどうなったか尋ねようとしたのだが、もう行ってしまった。代わりにこちらに来たのがご老体達だ。
「それでボルドウィンさん、世界樹様はご無事かい? 葉っぱがようさん落ちてきてたけど…………」
「マルス・プミラ様はもう目覚めてもいい頃合いなんじゃが………… あのバンブーとやらに魔力を吸われてしまったのかのう? 」
「あそこに行くのは骨が折れるだで、若いもんに任せっきりで最近はとんとご無沙汰してたが」
「今日の晩飯、そろそろ準備をした方がよろしいんじゃないかえ? 」
「そういや、蛇ちゃんがおらんようだがどうしたのかのう? 」
「エマちゃんもおらんのう、大きくて存在感があるからいないのがすぐわかるのう」
「皆、わいわいいっとるが、ちょっと静かにしてみんしゃいな。なんか聞き慣れん音が聞こえてきやせんかい? 」
女三人いれば姦しいとは言うが、婆さんが十人いればもはやどうすればいいのかわからんな。あー、こういう場合は………… 一番大事なことを伝えればいいんだな。
「あー。グラニラムゼースミスの里の皆様にもう一つ報告があります。 グラニーラムゼースミス様が先ほど精霊として顕現なされました。今はスネークが、土魔法とやらでグラニーラムゼースミス様を里の地上部へ運んでいる途中です。おそらく、聞き慣れない音というのはその魔法の影響によるものでしょう。ご心配召さるな」
「なんと! それはホントのことかえ? 」
「ボルドウィンさんが嘘吐くわけもないからなぁ。これはめでたいことだで.皆の衆!」
ここで婆さん連中の他に男どもが声を上げだした。
「やっぱり姉さんがなんかしたのか? 」
「姉さんなら世界樹様を叩き起こすぐらいやれそうだからな!」
「ちげーねぇ! さすがや! 」
「さすがねぇさん! 」
「サスネェ!」
「なんだそのサスネェって? 」
「ああ、オレラしかまだ知らんか。 姉さんは南砦から東砦に向かう途中で竜を討伐し損ねたんだ、たった一人で」
「し損ねたのか! だとしてもすげーな! 」
「ただし損ねただけじゃねーぞ! 空を飛んで仕留めようとしたんだ! 」
「えーーーーーー!」
「もしかして天使か!」
「天使は里長の奥さんだけで十分だっつーの!」
「それじゃ戦乙女と呼んだ方が…… 美人だしな! 」
「澄ましたお顔もイメージにぴったりだな! 」
「バーカ、そんなん諸々含めて、”サスネェ”なんだよ! 」
「そうか、だからサスネェなのか!」
「サスネェに刺したい! 」
「馬鹿、そんなこと言ったら刺されるぞ! 」
なにやらものすごく下らない話が聞こえてきた…………そんなくだらない会話していた連中からだれか一人飛び出してきたぞ?
「ボ、ボルドウィン殿! 」
「どうした! 火急の件か? 」
「い、いえ! どなたか付き合っている人がおられるのですか? おられなければ自分と、是非! 」
はぁぁぁぁぁ………………………………
なにかと思えば交際申し込みか。まだ討伐は済んでいないというのに。断ろうと声を出そうとしたら
「「「「「「「ちょっと待ったーーーーーーーーー!」」」」」」」
今度は大勢の男どもがこれまた大声を出して駆け寄ってきた! なんだ? こいつら!
「初めて会ったときから心奪われました! 私と付き合ってください! 」
「あなたの剣技の相手にふさわしいのは僕です! どうぞよろしく! 」
「君の手料理、食べてみたい! 」
「その剣で僕と天下を取りましょう! 」
「君の風に吹かれてみたい! 」
「夜明けのハーブティをいっしょに飲もう! 」
「子作りしようず! 」
後半はもう何を言っているのかよくわからなかった。
「「「「「「「付き合ってください! よろしくお願いしまーす! 」」」」」」」
頭の上の方から、妙な音楽が聞こえてきた。
テッテッテーテ・テレッテ! テッテッテーテ・テレッテ! テーレ・テレテレ・テテテレッテ! 一目会ったその日から・恋の花咲くこともある! 見知らぬ貴女と・見知らぬ貴男に・デートを取り持つ・グラニーでデート!
「スネーク! 何を言っている? グラニーラムゼースミス様はどうした? 」
上からスネークが見えない階段を降りてきた。 ああ、エアウォールを使ったんだな。
”ああ、もうすぐ着くよ。壁の中を移動しているからもちょっと時間かかるけどね。で、こっちはどうするんだ? 皆さんにちゃんと返事をした方がいいぞ”
私は、頭を下げて右手を出して待っていた野郎どもに返事をした。
「君ら、この非常時に何を言っている。頭おかしいのか? お断りだ! 」
本日はこれにて。
お読みいただきありがとうございます。




