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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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神樹さまが通る

はいはいはい~ ハイハイハイ~ 灰灰灰~♪


マギ・バンブーの素材をすべて飲み込み、再びボルちゃんの頭に乗ってグラニーラムゼースミスの巨木が植わってる場所へ向かいます。神樹さまがお待ちになってましたね。


「神の御子さま、あのものはいかがなりましたか? 」


あのもの…… マギ・バンブーの事かな? とりあえず、この里の中に生えてきたのは全部刈ってしまったけど、まだ周囲に残ってると思う。それを根こそぎにしないと討伐したとは言えないな。


「そうですか…… 討伐しなくてはいけませんか…… 」


ん? どうしたんや? なんか悲しそうだな?


「私と似たような精霊がおりましたので、それが、そのマギ・バンブーというものなのかなと思いまして…… 年恰好も私と同じようでしたので、友達になれないかと思っていたのですが…… 」


その発言にボルちゃんが待ったをかける。


「グラニーラムゼースミス様、あれは魔力を吸い取り我らの命を奪いとっていったものです。友になるのは無理だと心得ていただきたい」

「そうなのでしょうね……」 


ちょっと待ったーーー! ここで、大・どんでん返ぇしーー!


「ん? どうしたのだスネーク? 」


精霊がいたといったな? 神樹さま、見たんか?


「はい…… あの、まっすぐな木のような、草のようなもののなかに…… 」


精霊化すると、どうなるんだったっけ?


「グラニーラムゼースミス様やアシアティカ様のように話ができるようになるのではなかったか? …… まさか、あれと話をしようと考えているのか? 」


うーん、目的が何なのかわからないのが不気味なんよねぇ。話ができるんならそうした方がいいんじゃない?


「それは里の者たちが納得すまい? 幾多もの命が散っていったのだ。恨みに思っているものも少なからずいるだろう。それに話が通じるとも限らんしな」


そうよなぁ…… そこが一番の問題点…… ところで、神樹さま、まだまだ顔色が悪いのだが、アレはいるか?


「いただけるものでしたら、ぜひに」


それでは最後の一枝、ボルちゃん出したって。…… それにしても、そんな大きなものがそのポーチに入っとったんやな。ボルちゃんがアシアティカ様の大枝を宙に放り投げ、それを我が火魔法Lv.5火炎放射ジェットフレームで焼き尽くし、燃えがらに魔法水をおぇぇええぇえぇぇぇぇおおぇぇぇぇぇぇぇっと吐き出します。これで準備完了です。


それでは、萌えろ! 我の緑魔法!


緑魔法Lv.3養分吸収アブサープション+Lv.4成長促進プラントグロース


【WARNING!WARNING!WARNING!】


【水魔法消滅まであと21!】


【WARNING!WARNING!WARNING!】


【水魔法消滅まであと21!】


【WARNING!WARNING!WARNING!】


【水魔法消滅まであと21!】




神樹様、精霊状態になった時より深緑色に輝いていった…… 我の緑魔法を吸収したのか、それとも緑魔法が魔法水と養分を吸収させたのか…… 光が収まったとき、そこには紅顔の美少年?美少女? 神樹様の性別はよくわからん…… 髪が短かったから男の子かもと思った我だった…… 精霊状態の神樹様を見たのはこれで三人目(神様だから三柱目?)か。


「神の御子、我らマルス・プミラは神ではありませんよ」

「いえ、マルス・プミラ様は神の依り代と呼ばれている存在です」

「守り人達からはそのように言われておりますが、神の御子こそが神の依り代なのではありませんか? 神々しいほどの力を感じますよ? 」


あーーー、それはたぶん緑魔法のせいですねぇ・・・・・・ 樹人さんたちからもそんなかんじのことを言われとったな。それで、ボルちゃんよ、里の中に入っていた竹は片付いたのだが、このあとどうする? 外の竹を刈りにいくか?


ボルちゃんは、あごに右手を備えてちょっと考えたが、すぐに答えが返ってきた。


「今日はもう討伐はなしだ。もうすぐ暗くなるし、何より里長に報告しないといけないことがある」


ほう!コクとな?


「コクではない、報告だ。グラニーラムゼースミス様の一件は、真っ先に知らせなければならないことだ」


そうですか、それじゃボルちゃん、それ報告しに行って。我はまだすることがあるけん。


「ここに残って何をするのだ? 」


うん、緊急避難的に植木鉢を作ったのだが、それはさすがにまずかろう・・・・・・ なので神樹さまの住みよいように、この辺の作りを変えようかと思っていたところだ。


「それなら、その植木鉢とやらごと地上へ運んではどうだ? おそらくスネークの土魔法で里全体をいじろうとしているのだろうが、里の者と相談した方がよいぞ。もう夜になるからグラニーラムゼースミス様に光は当たらなくなるしな。グラニーラムゼースミス様もそれでよろしいでしょうか? 」

「ボルちゃんのよきように」


ズキュゥゥゥゥゥン! にっこり微笑まれたそのご尊顔にボルちゃんも顔が赤くなりましたな。それじゃ、移動しまっせ! ボルちゃんは先に行って皆さんにお知らせしてきてくれ。


「あ、ああ。それでは! 空中闊歩エア・ウォーク!」


顔が赤くなったのを隠すかのように去って行ったのだった・・・・・・ ボルちゃんが見えなくなったことだし、こちらもやりますかね。


「神の御子の御業みわざ、とくと拝見させていただきます! 」


そういう言葉はどこで覚えたの?


「それは先代から引き継がれていくものです」


はー。さよですか。ま、いいか。そんじゃ参ります。えーと、植木鉢の脚立部分を設置部分の所から砂に変えますかね。えー、石を土にして、土を砂にすればいいのか。それで変わったところを風魔法で遠くに飛ばす、と言う手順だな。土魔法Lv.14石土変換ストーントゥアース、土魔法Lv.11土砂変換アーストゥサンド、風魔法Lv.3疾風ゲイル。この組み合わせは今後も使うかもしらんので”風化ウェザリング”と命名しましょう。


風化ウェザリングを登録しました”


そんじゃあ、風化ウェザリング!脚立の足の下から均等に! 


登録魔法風化ウェザリングによって植木鉢がどんどん下に降りていき、最後は鉢だけになったところでストップ。あとは土魔法Lv.30地形操作アースコントロールで鉢の底部分を徐々に下げていって穴を開ける形にします。鉢は神樹様を植えたまま、下に~下に。大名行列や! ひかえおろう! 神樹さまのお通りジャ! 


ハイハイハイ~♪ ハイハイハイ~♪ ハイハイハイ~♪

神樹さまが通る、やさしい心~ 振りまきながら~♪


誰もいないんですけどね! ちょっと語呂悪いんですけどね!

本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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