カーちゃん、人使いがあらくなる
しばらく間を開けてしまいました。(・_・)(._.)
そろそろ主人公、デル!
「ちょっとちょっと! スネ君からもらった独楽ならまだまだたくさん残ってるでしょ? もっとたくさん投げればいいじゃない! あの竹林が全滅したら、あとから回収すればいいだけでしょう? 」
「うむ、それもそうだな・・・・・・ フランメ、魔力の方はどうだ? 」
「一度投げた位じゃそんなに減ることはないんだが・・・・・・ それにしても人使い荒いな! 」
「何言ってるの! 安全に魔物が刈れたら、それに越したことはないでしょ! さっさと投げる投げる! 」
舌打ちをして、フランメクライゼルは水晶の独楽に呪言を唱え、振りかぶって竹林に投げ込む! 50個ほど投げ込んだあとで、フランメクライゼルはめまいを感じた。
「あ、あぁ、そろそろ魔力切れになりそー・・・・・・」
「それじゃ、もう一回投げましょ! そしたら完全魔力切れになったあとで回復したときに魔力量の総量がちょっぴり増加するそうだから! 」
「て、てめぇ・・・・・・ 他人事だと思って・・・・・・」
「だが、トレーネの言うとおりだな。一応、火魔法の入った水晶玉を出しといてくれ」
「ええぇー?! いま、戦闘中だぜ? 戦いの最中に魔力切れになったらいけないってのは軍人になったばかりの頃にたたき込まれただろ! 」
「それは魔力の回復に時間がかかるからだ。今はすぐに回復できる手段があるからな! 何事も臨機応変だ! 」
「チッ! わかったよ・・・・・・ 投げりゃいいんだろ!」
フランメクライゼルは独楽を振りかぶって投げた。しかし、再び強くなった旋風のまえで独楽の軌道は変わり、旋風の中に取り残されてしまった。
「あらら、魔力枯渇のせいですかねぇ? ほら、ヒーちゃん! 独楽が竜巻の中に取り残されてしまいましたよ? 」
トレーネの軽口にフランメクライゼルは答えることができなかった・・・・・・ 前掛かりに倒れようとしたところ、ヴィンデルバンドが支えに入る。
「フランメクライゼルさん! お疲れ様です! まずは魔力の補給を! 」
ヴィンデルバンドはあらかじめ渡されていた火魔法の魔力が込められていた水晶にフランメクライゼルの手を乗せる。
「・・・・・・ あぁ・・・・・・ ありがとよ・・・・・・ ヴィンちゃん・・・・・・ 」
「少し水を出しますので、それで口を潤して、それから体力飴を使ってください! 」
ヴィンデルバンドはフランメクライゼルを地面に座らせると、無詠唱で水を手から滴り落とした。水を一口飲み込んだフランメクライゼルはおぼつかない手で飴玉をポーチから取りだし口に放り込んだ。
「・・・・・・ふぅ~、生き返った・・・・・・ 」
「はい! 生き返ったのならまた続きをやりましょうね! ほらほら! 竜巻がどんどん大きくなってきてますよ! 」
「トレーネ、フランメの独楽ではあれを突破できないのではないか? 」
「そうですねーーー、ここは一つ、隊長の風魔法でどうにかできませんか? もしくはリーちゃんのアース・ウォールとか? 」
「僕の土魔法はちょっとしたことしかできないよ! あんな強い風をよけられるような壁は作れない! 」
「私もそうだな。私の体重を支えるだけのエア・ウオールしか出せないぞ! 」
「そうですかー、それじゃあ、一番魔力量の多いヴィンデルバンドちゃんに水蛇ちゃんを出してもらって、私たちと世界樹様を守ってもらうようにした方がいいですね」
「・・・・・・ で、お前は何もしないのな? 」
とフランメクライゼルから嫌みを言われたトレーネであったが
「あれに私ができることはありませんから、残念! 」
軽く受け流したのであった。
今宵はこれにて。
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