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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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油断大敵

ちょっと間を開けるとすぐに設定を忘れて、かくのがおっくうになってきますな・・・orz

ちまちまとでいいから書いてた方がいいものか?


 マルス・プミラに絡みついたマギ・バンブーを、ボルドウィンは剣を使ってその竹棹を刈っていく。最初は背負いの大剣・蒼天で切っていっていたのだが、勢いでマルス・プミラまで傷つけてしまうので、常用している剣に変えたのだ。ちまちまとマルス・プミラに絡みついた竹の根に傷を入れていく……シユウゥゥと魔力が吹き出している。この竹の根からマルス・プミラ様の魔力を吸い取っているに違いない、まだ吸い取っているということはマルス・プミラ様に魔力は残っているのだな、ならばまだまだマルス・プミラ様を救うことはできる、そうボルドウィンは地道に作業を続けていった……が、しばらくして、空から何か来ていることを感知する。


「ヴィン! 空から何かくる! いったん、作業は中止だ! 」


声を変えたその一呼吸後、なにかが空中から急接近するのを感じた! が、近づいたと思ったらすぐに離れてしまった…… この感じは、グラニーラムゼースミスの里への道中で出会った鳥の魔物! だが、それは二人のエルフに近づくまでもなく上空で旋回飛行をしていた…… 


「ふむ、攻撃してこないのか? なら、作業を進めさせてもらおう。ヴィン! そちらの具合はどうか? 」

「毒をマギ・バンブーに注入してはいるのですが…… 効いているかどうかは正直よくわかりません! 」

「毒を打ち込んだ場所が枯れてきていたりすることは? 」

「痺れ薬に眠り薬ですからねぇ…… ツァオパーべスぺの毒も痺れ薬のようでしたし」

「そうか、効き目はわからないか…… それなら毒を注入するのは一旦止めて、アレを見張っててはくれないか? 」

「アレ? 」

「ああ、上空で飛び回っているアレだ」

「あれはシュバルベのようですが……魔物のようですね…… 一羽だけで何をしているのでしょう? 」

「監視役、といったところか。邪魔をされなければアレに手を出さなくてもよい。向かってくるなら話は別だがな」

「わかりました。それでは竹根蛇ひばかりちゃんを引っ込めて泉蛟ちゃんを召喚しますね」

「お、新しい蛇を出したのか。なんだ、そのヒバカリ、という蛇は? 」

「はい、なんでも噛まれたらその日のうちに死んでしまうという恐ろしい毒をもつ蛇だそうです。ヘンな文字にルビ打ってありましたが、そうですね、竹というのはバンブーの事だったのですね! 竹の根にいる蛇なのだそうですよ」

「ヴィンよ…… いや、いい。いろいろ知っててすごいな。それでは引き続き頼むぞ! 」


ヴィンデルバンドは、はいなーと軽く返事をした後、竹根蛇ひばかりから泉蛟いずみづちに召喚を変える。出てきた大蛇、泉蛟は首を持ち上げて上空で飛び回る鳥を物欲しげに見つめた。


「ここに来るのがあれ一羽とは限らないから、十分経警戒しててくれ」

「他の人たちは遅いですね。鳥ならトレーネさん辺りにお任せしたいのですが」

「ま、階段であの距離を来るのは時間がかかるだろう。だがそろそろボーデン辺りが来てもよさそうだけどな」


それではとりかかるか、と言ってボルドウィンは剣で竹に傷を入れていった。上空では鳥がぴぴぴぴ鳴いているがお構いなしだ。やがて、下から仲間達も来る、そうなったらこの纏わり付いているバンブーを引き剥がしてやる! 大丈夫、まだまだ間に合う! 葉は相当散ってしまったが、まだ世界樹には活力を感じる、スネークが来たら緑魔法を使ってもらえばいい、そうボルドウィンは油断していた。



本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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