援軍の衛生兵の実力
だいぶ間が開いてしまいました><
ATOKをインストしましたが、果たして誤字脱字は減ってくれるのでしょうか?
乞うご期待!
「それでは連絡させていただきます! もしもし、隊長! スネークちゃん! ボーデンさん、聞こえますか? 聞こえたら返事してください!」
「オマエは何を言っているのか?」
「りちょ~、ちびっ子ちゃんの額を見てみろよ! ありゃ魔道具だぜ! あれで仲間同士で連絡を取り合っているんだ! こっちの通信部隊のヘルムみたいなもんさ! 」
「援軍にあわねーからそんなこともわからんのさ」
「おまえら、うるさい! わしだって知らんことぐらいあるわ!」
「・・・・・・ ふんふん、そうですか。今、私の目の前にいますんで聞いてみますね! ちょっと、里長さん!」
「なんじゃ! 藪から棒に? 」
「隊長が、空から里に入ってもいいかと聞いています!」
「何を寝ぼけたことをいっとる! 空から入れるわけあるか!」
「隊長ならできますが、なにか? 」
「できるんかい! ・・・・・・ いや、だめだ! 」
「理由をお伺いしても? 」
「上から自由に出入りされたら、何のために里を門で入出を管理しているかわからんからな! 」
「しかし、地上から入るとなると・・・・・・ 少なくとも後30分ぐらいはかかるそうです。あ、今は東側砦の近くまで来ているそうです。東側砦は開門しておいてくれとのことですが・・・・・・ 本当に地上から入らせるのですか? 」
「くどい! 」
「でも、30分もたったらますますマギ・バンブーは手がつけられなくなると思いますが? 」
「何じゃ、そのマギ・バンブーというのは? 」
「あの魔植の名称です。デス・バンブーだったかしら? 」
「あの魔植を知っているのか? 」
「いえ、誰も知らないので、 名前がないと不便だということで、会議で仮称をつけられてました」
「何じゃその会議は! わしゃ知らんぞ? 」
「この馬鹿息子が! お前が来んからじゃろうが!」
「・・・・・・ あー、そうですね・・・・・・ 未だ連絡がありませんが・・・・・・ なにかあったのですかね? ・・・・・・ ええ、そうとう生えてきてますよ! こっちの人たちだけだと・・・・・・」
小さな衛生兵はあたりのメンツを見回した。
「竿を刈るのは無理だと思われます。せめて、ボーデンさん達が帰ってこないと・・・・・・あっ!」
ヴィンデルバンドが叫び声をあげた。上から笹の葉が降ってきたのだ! 硬くなった笹の葉は、重みはないものの空気を切り裂いて近くにいた者の肉を切り裂いていく。まるで隊長の使う鎌鼬のようだ、そうヴィンデルバンドは感じた。このままではまずい! そう感じたヴィンデルバンドは杖をポーチから取り出し防御魔法を展開する。
「水よ、水よ、我が祈りを聞き、願いを叶え給え。願いを叶えた暁には我が魔力を我が願い満たすだけ受け取り給え。水よ、水よ、我が盾となって我にあだなすものから、守り抜け!泉蛟! 」
ヴィンデルバンドの杖のうち、碧色に輝く宝玉から射出される大量の水が見る間に蜷局を巻く大蛇になっていく・・・・・・ 蜷局の下には、そこにいたエルフ全員が隠れられるようになっていた。
「イズミちゃん、葉っぱが飛んでこないように見張ってて! ・・・・・・それにしても、ラセンダちゃんのおかげでまるで魔力の消費が感じられません。ものすごい物をもらってしまいました・・・・・・ おっと、怪我人は手を上げてください! スネークンを使います! 」
衛生兵は蛇の像を持ってたったいま怪我をしたエルフ達にその像を押し当てていく。と同時に、押し当てた数を勘定していく・・・・・・にじゅう、にじゅういち、にじゅうに。あと、70回くらいですかねぇ・・・・・・ もう3回ほど、今のような攻撃をされたら、私のスネークンだけだと持ちませんねぇ・・・・・・とはいえ、このまま待機では能がありません、ここは一つ、私も攻撃しますか、ヴィンデルバンド衛生兵はそんなことをつぶやいた。
「ヴィンデルバンドちゃん、無理して攻撃することはないのよ! このままみんなを守ってもらえれば十分だから! 」
「しかしそれではマギ・バンブーがマルス・プミラ様のところへいっちゃいますねぇ・・・・・・ それは面白くありません・・・・・・ ならば、やはり攻撃です! 」
再びヴィンデルバンド衛生兵は杖に魔力を込める・・・・・・ 今度は深紅の宝玉が輝き出す。
「火よ、火よ、我が祈りを聞き、願いを叶え給え。願いを叶えた暁には我が魔力を我が願い満たすだけ受け取り給え。火よ、火よ、我が杖となって我に仇なすものを焼き払え。汝の名は焔蛟」
ヴィンデルバンド衛生兵の呪言により、輝いていた宝玉から無数の焔が、蛇の形になりマギ・バンブーの生い茂る壁面へと向かう!
「むう! やはり植わったままの植物はなかなか燃えてくれません! 」
「そんなことないわよ! ほら、葉っぱのところから煙が出てるわ! あれなら笹の葉飛ばせないんじゃないかしら? すごいわよ! ヴィンデルバンドちゃん! 」
「いえ、私なんかまだまだですよ。他の人たちはちゃんと剣で幹から刈っていきますし、隊長とかスネークちゃんなら一度に何百本も刈り取りしますしね」
それならさっさと援軍を里の中に入れればよいのに、と里長以外の全員が思ったのだった。
本日はこれにて。
お読みいただきありがとうございます。




