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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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侵略すること、竹のごとし

年末年始のおやすみで完全に話の設定を忘れてしまいました><


 防具を身に着け武器を携えた里長は、報告にあった中央広場の北側へとやってきた。グラニーラムゼースミスの里は川に囲まれた島であるが、島というには上陸する部分がまるでなく、川からせりあがった巨大な岩石、というのが正しい認識だ。岩石というよりはもはや山であるといってもいい。その岩石でできた山を、120年前にグラニーラムゼースミスのマルス・プミラを定着させるため、またマルス・プミラの里にするために大勢の土魔法使いが派遣され、この川に囲まれた巨岩山を筒状にくり抜いた。西側が高く東側に低く、光が里に当たるようにと設計されている。さらに里に入り込んだ風が壁に当たって上空へ抜けるように、抜けた風が風のマルス・プミラであるグラニーラムゼースミスにぶつかるように設計された。すなわち、風のマルス・プミラは里の外周の壁の上層に鎮座しているのだ。それは里のエルフ以外に知る者は王里にもごく限られたものしかいない。里長は魔植のはえてきた場所を確認する・・・まずい、あそこはグラニーラムゼースミス様のおわします場所に遠くない! 上へ伸びていけば数百mでたどり着いてしまう! 里長は外壁を、長城へと昇る階段を使って魔植の生えた場所へ駆け上る・・・後ろからついてくるものにも気づかない。


 階段を駆け上ることしばらくして里長は魔植の生えている場所までたどり着く。例の魔植はもうすでに笹を生やし、いつでも攻撃できる態勢にあった。しかも下から見ていた時は気が付かなかったが、魔植の棹が複数、皮を被った状態で壁から出ている。しばらくするとあれも皮から竿がでてやがて枝を出し、こちらの身をえぐる笹の葉の刃となる! これは手勢を待っている場合ではない! 里長はためらわず笹の葉の生い茂る竹竿に狙いをつけて刈りに来た! 当然、防御する魔植! 笹の葉を硬化させ、里長に目がけてとばす! 笹の葉ナイフはあっさり里長へ突き刺さる。倒れる里長・・・


「ム、無念……」


倒れた里長を抱え込み、少し離れたところに移動させたのは、あとからついて来た妻の、介護室長エンゲルであった。エンゲルは里長に刺さった笹の葉を引き抜くと、彼の母親から預けられた蛇像を里長に押し付ける。すぐに像が光りを放ち、里長の傷がふさがった。


「おお、あなた。そんなにあっさりやられるとは情けない」

「仕方ないだろ! 儂が剣を握るのは久しぶりなんじゃ! それより、なんだそれは?! あっさり傷が治ってしまったではないか?」

「これ? お母さんがボルドウィンさんから借りたんだって。すごいよね! これでみんなの怪我があっさり治ったわよ」

「そんな便利なものがあるか!」

「でもたった今、あなたに使って、治ったわよね?」

「それなら傷ができても問題ないな!」


里長は再び魔植へ切り込む・・・・・・が、またもあっさりと返り討ちに遭う。


「旦那様。何の考えもなしに突っ込むとは情けない」


幾度となく同じことが繰り返されるうちに、蛇の人形が光らなくなった・・・・・・


「く! これはどういうことだ! 傷が治らないじゃないか!」

「あなたがボルドウィンさん達に意地悪したから、ざまぁされたんじゃないですかね? 」


そんなわけあるかーーーーーー、という叫び声が里内に響き渡った。



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