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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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一番大事なもの

年末年始でお話どうするか悩む・・・


 里長は里の見回りをする。里は周囲をぐるりと石崖で覆われていて、東西南北にある可動橋を動かさねば外部から侵入することはできない。外壁にはいたるところに階段があり、それを使って内壁にある里の施設に出入りをする。内壁にはたくさんの出入り口があり、その出入り口には扉が設けられており、扉を開けると中に入ることができるのだ。今入ったところは介護施設だった。2か月前から謎の魔植に里の周囲を包囲され、魔植を討伐しようとしたら反撃され手痛い傷を負わされてしまった、里の守備隊や開墾部隊がいた・・・・・・ はずだったが? 介護施設の担当、すなわち自分の妻に尋ねてみることにする。


「ここにいた怪我人たちはどうした? どこかに移したのか? 」

「え? 知らないの? お母さんたちが持ってきた変なもので治していきましたよ? それで、南門から出てすぐのところに援軍さんたちが炊き出ししてるから、そこにご飯を食べに」


なんと! いつの間にそんなことになっていたのだ?! そんなことができるなら、最初に来た時にそれをやってくれればよかったのに!


「あなたがボルドウィンさんを追い出したおかげで、ボルドウィンさんはとってもたくましくなって戻ってきてくれましたね。ほほほ」


く! 嫌味を言われてしまったと感じた里長。早々にその場を退散する。そんなことになるのだったらさっさと朝に会っておれば取り繕えたかもしれない…… そんなことを思いながら再び執務部屋へと籠る。机には数枚の報告書。食糧備蓄が底をついて来ただの、薬品が足らないだの、王里への援軍要請書類だの…… だが、怪我を治すための薬草集めに人手をかける必要はなくなったわい、さて、一番肝心なのは食糧だが…… また、奴らから供出してもらうか? しかし前回は素直に応じてくれたものの、今回もそうしてくれるとは限らない…… ん? 南側広場で炊き出しをしているとか言ったか? それは奴らの持ち込んだ糧食なのか? 前回は奴らの分の食糧しか持ってきていなかったようだが、今回は違うのか? やはり早朝に会見をしておけばよかった…… 里長はため息をついた。なんにせよ、里の人間エルフ達に一時的にとはいえ、備蓄食糧を使わないで済むのだ。しかし、東西の農地の収穫もせねば、次の冬を乗り越えられない…… 全く頭が痛い。どうやったらこの状態で里を維持できるというのだ! 植樹して120年経ってもいまだに目覚めないマルス・プミラ様にも困ったものだし。この儂がいなかったら、グラニーラムゼースミスの里などとうに霧散しているて。どれ、奴らがあの魔植を討伐できた場合と出来なかった場合の食糧の配給計画でも立てておくか。それにしても奴ら今度はどの程度兵糧を供出してくれるか?


 長いこと書類に集中していた里長だったが、扉の叩く音によってその集中は途切れてしまった。


「里長様! こちらに里長様はおられるか? 」

「なんじゃ! 騒々しい! そんなに慌てんでも聞こえとるわ! 」

「一大事ですぞ! 魔植が! 」

「魔植がどうかしたか?」

「里の中に侵入しています!」



本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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