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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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バンブー討伐・食料調達部隊

本日は、リーちゃん視点でお送りします。


 僕はいつもケンカしているアホバカ後輩二人と、グラニーラムゼースミスの里の開墾部隊の面々と連れ立って里の東西の砦の先にある畑に行って様子見、可能なら収穫をしに行くことになった。南側広場から里の方向に向かっていく地下の階段を下りていきます。


「クラインガルデンさん、この先、灯りはありますか? 」 

「いや、暗いままですね。先ほどはスネーク殿がヴィンデルバンド殿からヘッドランプというものを借りてこられたのでそれを使って進んでましたが」


そうだ。夜に使ったヘッドランプがあったわ。


「じゃあ、僕とヒーちゃん、カーちゃんでヘッドランプを付けて光源確保するね。僕が先頭を行くから真ん中にカーちゃん、しんがりをヒーちゃんお願い」

「その順番に意味はあるのかしら? 」

「いちおーね。先頭は、君がやりたくないだろうし、ヒーちゃんだとネズが出てきたら困るから。しんがりも君やりたくないでしょ? 」

「こいつ、なるべく仕事しないようにしてるからな! ま、ネズがでなけりゃオレが先に行くんだがよ!」

「ふーん、一応考えているんですね。じゃ、いいわ、それで」


というわけで、先頭に僕、続いてクラインガルデンさんと20人ほどの開墾部隊、真ん中にトレーネ、その後ろにまた20人ほどの開墾部隊、最後尾にフランメクライゼルの順番で、師匠が作った地下道を進んでいく。途中十字路に着いて、クラインガルデンさんの指示によって右へ進むことにした。東側砦の方に先に向かう気だな。


 特に何事もなく東側の出口につき、さらに師匠が作った”ぐれいとうぉーる”とやらを進み無事に東側砦に到着。ヘッドランプを仕舞い、クラインガルデンさんの指示を仰ぐことにする。


「東側砦に着きましたけど、この後畑に向かうんですよね? 」

「特に何もなかったな。ひやひやして損しちまったぜ! 」

「やはりスネ君があらかじめ竹を刈ってしまったのでしょうか? 」


トレーネがクラインガルデンさんに問いかけた。うん、師匠ならそれくらい平気でやってそうだ。


「ええ、そうなんですがね。東側の出口から砦付近まで竹で覆われてたのをスネーク殿が刈りつくしたのですが…… 」

「何か気になることでもありますか? 」


納得のいかない様子のクラインガルデンさん。どうしたんだろう?


「この砦までの竹は刈っていただいたのですが、砦から先には来てないはずなのですよ。それにしては、まったく竹が生えていないというのがちょっと気になりまして」


ん? 師匠がこの辺りの竹を伐採してしまったのではないの? まるで見当たらないのだけど? 


「あいつら生えてないんだったら、もう畑とやらに安全にいけるんじゃねーか? とっとと行こうぜ! 」

「理由はわかりませんが、これは好機とみるべきでしょうな! 」

「休憩はしなくても大丈夫? 」

「歩いただけですから、大丈夫ですぞ! そら、皆の者、行くぞ! 」


砦から下り坂を下りていくと、すぐに畑とやらに到着した。確か蕎麦が植わっているんだっけ? 


「やー、作物は無事だったか! よかったーーー! 」


ついてきた開墾部隊の隊員さんたちが大声をあげて喜んでいる。中には泣き出してしまう人も。せっかく植えたものが魔物によって使えなくなっていたらさぞやがっかりしたことだろう。それを思えば嬉し泣きもするか。僕は、うんうん、よかったねーと心の底から同意したが…… おや? ヒーちゃんカーちゃんあほあほコンビは何か不満そうだな。ま、ヒーちゃんは他人事だからどうでもいいと思っているようだし、カーちゃんはこんな土だらけの場所なんて早く立ち去りたいわ、なんて思っていると思うんだ。


「それじゃ、クラインガルデンさん。感激しているところすみませんが、いつ敵が現れるかもしれませんし、すぐに収穫してしまいましょう! 」

「え? 様子見だけじゃなかったんですか? 」

「いや、可能ならば収穫を、と隊長から言われてたよ? カーちゃん聞いてなかったの? 」

「えぇーーー、この私に農作業は似合わないですのー! 」

「ああ、作業は我々の方でやりますので、お三方は見張りをしていただければ…… 」

「カーちゃんは泥とか土とか苦手だもんな! ま、ここは里のみんなに任せようぜ! 」

「そんなこと言って、ヒーちゃんだって、急にネズミが出てこないがびくびくしてるんじゃない? 」


くだらない言い争いを始めた二人は放っておく。


「クラインガルデンさん、刈り取りは私がします。皆さんは収穫物をどうやってもってかえるのですか? そちらの籠では入りきれないと思うのですが……」

「ああ、この籠、魔道具でしてこう見えてたくさん入るのですよ…… が、刈り取りも我々が行いますので」

「いえ、時間がかかりそうなので僕が刈り取りをやりますよ。まあ、見ててください」


僕は、師匠からもらった如意棒に土魔法を使う。


「土よ、土よ、が祈りを聞き、願いを叶え給え。願いを叶えた暁にはわれ魔力マナが願い満たすだけ受け取り給え。土よ、その身をやいばと成して、が鎌となりて大地豊穣の恵みを刈り取り給え。汝の名は豊穣収穫デスサイズ


「あららー、リーちゃんのお棒様が形変わったわー!」

「お棒様とか言うなや!相変わらず下品だなー!カーちゃんはよ! 」

「じゃあなんて言うのよ? 」

「ありゃどう見てもおカマ様だろうがよ! 」


どっちも下品だ…… あえて聞かなかったことにして、私は如意棒の先に大鎌を作り出し、それを振り回し蕎麦の根元を刈り取っていく。大鎌だから一振りでどんどん刈り取れる。


「ほら、西側にも畑があるんでしょう? どんどん刈り取ったものを詰めてって! 」


こうして30分ほどで刈り取り・収穫を終えこの場を立ち去ることにする。西側砦の先にある畑も同様に刈り取りを済ませたこうして僕たちの任務はつつがなく終了して南側広場に戻った。


この後もつづき書いてきますが、日付越えたら翌日に投稿するかも。


お読みいただきありがとうございます。

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