王里と鄙(ひな)びた里じゃ、集まる人材も違いますよね~(田舎者の僻み)
南側広場から南側砦には緩やかな斜面が広がっている。明け方に私とスネークであらかた刈ったのだが、まだ刈残しがあるようだ。それを行きがけのついでに刈っていく。他のメンバーにはまっすぐ南側砦に進んでもらった…… しかし、私の方が早く南側砦についてしまった。砦の周囲も私とミィアちゃんで刈りとる。辺りを見回しても刈残しがなくなったころに里の連中がやってきた。
「あれ? もう姉さんついてたんだ? って、なんか砦と違う建物ができてる! 」
「本当だ! どういうこと? 」
「あの建物はスネーク……従魔が作ったものだ。中には今まで刈り取った竹が入っている。竹は色々使えるから取っておきたいと言っていたな」
「あのヘビ、そんなにすごいのか? 」
「スネークは規格外だからな…… 私が奴に勝てるのは俊敏性ぐらいのものだ。風魔法も使うし土魔法も使う。魔力も半端なくでかい。敵に回ったら討伐はできないかもしれない」
「それほどか!」
「だが、味方になってくれたから頼もしいこと限りないな…… ところでジャン殿が見当たらないが? 」
「ああ、登り坂になっとるんでゆるゆる来とるんじゃないかな? ま、シャフがついとるから心配はいらんと思うがね」
「彼以外なら行進速度に問題はないか…… 」
「それにしても、姉さんの足、どうなっとるの? なんでそんなに早く移動できるんだ? 」
「いや、これくらいは普通だろ? ……と思っていたがそうでもないのか? 」
「オーアさんよりも早いんじゃね? 」
「近衛軍の筆頭剣士様ともなればそれくらいはやれんといけないのか? 」
「それくらいがどれくらいかわからないが…… おっ、着いたようだな! 」
ようやく南側砦に着いた二人だったが、若い方は膝がくがくになっている。いくら官僚希望だからと言ってもあれはないのではないか? 基本人族の方がまだましだったぞ?
「ほら、ジャン! 着いたぞ! しっかりせんか! 」
「…… ふぅぁ! 水、水飲ませて~!」
「水なんか砦に運んでないだろうが! がまんせい! 」
「…… スネークさんが…… 水使って…… ましたが…… 」
「ああ、まだ残っていると思うぞ。仕方ないな。ここで十分ほど休憩するか。ジャン殿は官僚志望と言っても肉体の鍛練をしないといかんな。官僚だって体力は必要だぞ?」
「…… き、肝に銘じます…… 」
もう一話・・・はちょっと無理か。
本日はこれにて。
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