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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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風の里の風魔法使い

どうにか間に合った・・・

しばらくボルちゃん視点が続きます。


 残ったメンバー6人と通信部隊の・・・・・・ジャン・レイハーと私の8人で南側砦から間道を使って東側砦へ行くことにする。その途中、バンブーを見つけたら即座に刈るという手筈だ。特に何も考えてはいない。その前についてくる7人はどの程度やれるのか、あらかじめ聞いておかないといけない。私は自己紹介をしてもらうことにした。


「皆、付いて来てくれてありがたく思う。改めて自己紹介をしておこう。私は近衛軍から派遣された筆頭剣士のミア・ボルドウィンだ。身分は近衛軍筆頭剣士だから…… この里で言うと副長と同格位と思ってくれ。この度王命を受け20人の小隊をあずかることになった。まあ今里に来ているのは6人だけだがな。今回の討伐には風魔法の鎌鼬を使うことになるだろう。皆もバンブーの討伐に参加してくれるということはそれなりに腕はたつと思ってよいのだろうが、一応皆の能力を知りたい。自己紹介を簡単にしてくれると助かる」 


最初に手を挙げたのは、副長の意見に真っ先に反応した男だ。


「姉さん、若いのに小隊の隊長を率いるとはたいしたもんだ。うちの隊長とも互角にやり合えるし。あんたがいれば討伐もできそうだな。俺はティガー・シュバンツ。こんなかじゃ古株のほうだな。鎌鼬も出せなくはないが出せて数発だな。得意なのはエアドリルだ」

「そんじゃ年の順で、次はオレだね。ハーゼ・オーア。ここにいる奴らはみんな風魔法使いだ。オレも鎌鼬を少々、エアウォールを少々。エアドリルもできる」

「ハーゼは気配察知が得意だからやらせるといい。というかこいつ何でもできるからな。俺はエーバー・ナーゼ。俺は疾風ゲイルぐらいしかできないな」

「アッフェ・ハント。エア・ショットができる」

「シャフ・ハーレです。エア・ウォールが得意です。と言っても自分の身を守るくらいしかできませんが」

「プフェルト・ゲズィヒト。エア・ドリルと疾風ゲイルを使う。鎌鼬もできなくはない」

「あー、僕は」

「通信部隊の坊ちゃんは大丈夫だ。戦力に数えてないから」

「ひどい! 」

「けど、坊やが戦力外なのは事実だろ? 」

「そうですけども! 他人の口から言われると腹が立つんです! 」

「ハハ、それじゃ邪魔にならないようにしないといけないな」

「ムキー! やっぱりスネークさんチームの方がよかったー!」

「スネークさんというと、隊長さんが連れてきた従魔の蛇かい? なんか広場でうろうろしてたがありゃ何をしてたんだ? 」

「スネークは食通でな、今日皆で食った料理はスネークが作ったやつだ…… まあそれはおいおいわかるだろう。今大事なのはバンブー討伐のため、皆に何ができるかの確認だ。この中で鎌鼬を使えるのは私を含めて4人。皆の鎌鼬は、バンブーの幹を刈り取る威力はあるか?」


誰も頷かない。


「俺たちの魔法じゃせいぜいあの葉を落とすぐらいさ」

「それではエアウォールを使えるのは私を含め・・・・・・3人だったか。皆のエアウォールはあの笹の葉を防げるとは思うが、どのくらいの広さまで出せる? スネークのやつは自由にエアウォールを出して、形まで自在に操れるが、私はまだこれくらいだ」


私は自分の顔の前で円を描いてみせる。


「それじゃあ俺の方が広さはありますね。1m四方ぐらいの壁ができますよ」

「それでは万が一戦闘になった場合、レイハー殿はハーレ殿の後ろに下がっていてくれ。隊列だが…… その間道はどのくらい広いのかな?」

「二人通るのは厳しいかな? 」

「それでは先頭にシュバンツ殿、まかせていいか? 二人目にオーア殿。気配察知を使ってくれ。最後尾は私がつく。カール殿から厳しくしてくれと頼まれているからな。頑張って走ってもらうぞ」

「え? 走っていくんですか? 」

「状況にもよるが…… 走ることはトレーニングの基本だぞ? ジャン殿は軍志望ではないのか? 」

「アンナと一緒にしないでくださいよー。僕は行政官志望なんですから! 」

「そうか、なら無理強いはしない。怪我しないようにな」

「隊長姉さん、こいつ甘やかすとどんどん図に乗りますから、遅れそうだったら走ってる最中に後ろから剣で刺すぐらいでちょうどいいぜ」

「あ、走っていくこと前提なんですね><」



それでは本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございました。

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