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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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竹のしっぽ切り


 我、念のため尋ねてみる……


”この崖、登れない人、いる? アンナさん聞いてみて”


「あっ、はい。ハート様、スネーク殿から通信が入りました。この崖を登れない人がいるかどうか、確認してくださいとのことです」

「俺は無理だな。魔法も使えないし」


いの一番にハート様が申告してきた。見るからに重戦士タイプだもんな。エルフっていうよりドワーフみたい。髭もじゃとかではないけれど。しかし、ボルちゃんより二回りでかいとはいえ、エルフは機動力に優れていると言っていたような気がするがそうじゃない人もいるのね。あと守備隊の中にも何人か手をあげている人がいるが、大概がハート様みたいな重剣士タイプの人だった。そのほかの人は登れるんかな? ボルちゃんはシュタイルハング村の崖をいとも簡単に登っていってたが?


「スネークさーん、隊長を他の人と一緒にしたら、他の人がかわいそうですよ~」

あ、エマさんがいつの間にか休憩してやがる! 根っこは全部引っこ抜けたか?


「いや~、平地のところは全部抜いたと思うんですけど~」

そう言いながら、手に持った根っこは崖の中からでている。この地下茎は崖の表層を張ってきたのか、それとも崖を貫通してきたのか…… ここの地形はどうなっとるねん? 下手にジャンプしたら竹槍飛んでくるし!


「この辺りの地形は里のある場所を中心にしてこのような絶壁の山で覆われていまして」

アンナさんの説明がありましたな。カルスト地形というやつかな? でも土壌は白くないし、石灰岩でもないようだし。


「ところどころ平地、というか傾斜地があります。ある程度の広がりがあるところに我々の畑があります」

そこへはどうやって行ってたの? 

「里の西と東にある出入り口…… 南側の架道橋のようなものがありまして、そこから出入りをしておりました」

で?


「ここから、その東西の砦に行こうとするものはおりません」

ああ、やっぱりそうですか…… そしたらこの地下茎をたどるしかない感じだね。しかし、全員で北側まで行くとなると、道を作った方がいいのかなぁ。トンネルを掘って直進してもよいのだが、それだと竹が生えているところでの伐採を取りこぼしそうだし。うーん………………


「スネークさん、スネークさ――――ん! 」

ん? どうした?


「なんかぁ、根っこがぁ、どんどん萎れているんですけどぉー、なにかしましたかーーー?」

見ると、エマさんが持っている地下茎がどんどんシオシオになっていき、崖から遠い方の地下茎はパサパサからスカスカになってた…… ? 何が起きてるの?


「スネ―クさんが金魔法使ったんじゃないんですかー?」

違うよ? 金魔法使ったけど、地下茎には何もしてないよ?


「これ、引っ張ったら、切れちゃったんですけどー?」

しまった! トカゲのしっぽ切りじゃなくって、竹の端末切りだ! 手がかり…… じゃなくって、根がかりがなくなった! これはあれだな? 戦略的撤退というやつだな!



本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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