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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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レイニーデイズ あの日も雨の日だった……

誤字脱字報告ありがとうございます。

適宜修正させていただきました。


 たくさん人らしき生き物を殺して幾日かしら? 覚えてられないわよね? 昼と夜が過ぎたらPONを一回、なんてやればいいのだけど、それは面倒…… なぜなら毎日毎夜PONしてそこら中竹だらけにしてるから。それにしても、たくさん魔力のある木ってどこにあるのよ! 全然見つからないじゃない、もう! イライラしてたらまた例の私をやっつけに来た奴らが来たわ! こいつら何者?


「いくぞ! 得体のしれない魔植物をこのままにしてはおけない! マルス・プミラ様を狙う不届きな輩に違いない! 我らエルフ族が成敗してくれる! 」


やーねー、不届きな輩はあんた達でしょうが。マルス・プミラって言うのがこいつらのリーダーなのかしらね? ひょっとしてクソジジイの言っていた魔力を持つ木のこと言ってるの? だとしたら、奴らが出てきて帰るところを調べなきゃいけない。適当に、生かさず殺さず…… あ、殺さないと魔力は吸い取れないんだったかしら? それにしても生き物を殺すのに躊躇ちゅうちょがないわね…… 前は虫を殺すのも嫌だったのに…… 前か…… 私の前ってどうだったかしらね…… 思い出すもの…… おっと考え事はあとにして!  こいつら、エルフ族って言ってたわね? エルフがいるんだぁ…… ザシュザシュ! ふーん、やっぱりここは前とは違う世界…… 勇者とか魔王とかがいるのかしら? どちらかと言えば、私って魔王寄り? あー、エルフさん達逃げて行っちゃった…… でもあちこちに根を張り巡らせているから大丈夫……って、あれ? 振動が消えた? 川の向こうに行っちゃったのかしら? どうもそうみたいね…… 深い川の向こうにソレはいるみたい…… 浅い川なら川底の下まで根を張っているからいけるのだけど……  

♦♦♦♦♦


 また幾日か経ったわ…… どうも深い川で囲まれている場所をぐるりと囲ったみたい…… どうにかして向こう側にたどり着きたいわね。もう少し根の掘る力というか土に食い込む力というか、そういうのが必要ね…… 魔力がもっとあればいいのだけれど。太陽の光だけだと足りないわ。って思ってたら、エルフさん達がまた来たわ。いつもの笹の葉ナイフを飛ばしてみましょ! アハハ! 簡単に倒れたわね! あれ? でも全身硬化ハードボディをかけた幹が切られちゃった…… なかなかやるわね! そしたら切られた幹を延ばして、切られた断面を部分硬化ハードボディ! 幹自体を部分硬化ハードボディ部分軟化ソフトボディ! これで幹を堅くしなやかにして振り回す! ついでにPON!PON!PON!PON!PON!PON! 切られた以上の竹を生えさせるわよ! そして笹の葉ナイフ! 


「水よ、水よ、が祈りを聞き、願いを叶え給え。願いを叶えた暁にはわれ魔力マナが願い満たすだけ受け取り給え。水よ、水よ、が杖となってわれを守り抜け。汝の名は泉蛟いずみづち


ザシュ! おっと、いつもの手ごたえとちがうわ! 今度は魔力を感じる! なにこれ? もっと笹の葉ナイフを投げてみよう! ザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュ! 硬いところに当たらない!? ナイフが落ちた辺りの根で何か感じる…… 魔力? やだおいしいー! 川の水なんかよりよっぽどおいしいわ! なにこれ?魔力が入った水? 血? 水血みずちって言ってなかった? そういう魔法なのかしらね?   


「火よ、火よ、が祈りを聞き、願いを叶え給え。願いを叶えた暁にはわれ魔力マナが願い満たすだけ受け取り給え。火よ、火よ、が杖となってわれに仇なすものを焼き払え。汝の名は焔蛟ほむらづち


あ、今度は何? 熱っ! 葉っぱが燃えてる! アチーーー! なんかどうにかならない? クソジジイがヒールを使えるって言ってたわね! ”癒し(ヒール)!”


「なにっ! せっかく衛生兵が火を放ったのに、癒しのヒールウォーターで鎮火して元通りかっ! いったん撤退するっ! 怪我人を庇いつつ後退せよっ! 」


あらあら、元気なことで…… で、さっきのは葉っぱに火がついて、それを私が水を出して消火したってことかしらね? いいじゃない……

♢♢♢♢♦♦♦♦


 あれから何回か、元気のいい声の…… エルフさん?がやってきたけど、そのたびに撤退って…… もう少しさぁ、なにかないの? 攻め手を変えるとか? あ、おいしい水血を出してくれるんならありがたいけど? 何回か来た後、雨が降ってきて、長雨模様になりました…… 光も当たらないし、どうしましょう? そう言えば、あの日も確か雨だったわね…… 私の最後の記憶……


あと一話ほどお竹さん視点のお話です(たぶん^^)。


本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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