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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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新天地だわね

連載開始からちょうど一年、クライマックスを迎えようとしております。

話をどうするか、いまだに迷う・・・ORZ


 謎のお爺さん(?)によって自分が何者か知った私。どうやら私は植物、竹のようです…… そして魔物でもあったらしい。それからその直後によくわからない魔法で今までいた場所から移動させられたわ。何か急にいろんな情報を詰め込まれてさっさと立ち去ってしまった…… ちゃんと面倒見なさいよ!


 私は、”移植トランスプラント”と”転移”によって連れてこられたこの場所を調査することにする。と言っても、今までいた場所と比べるだけだけど…… まずは日当たりね。もう最悪…… 日のあたる時間が短いのなんの…… どうなってんのココ! 直接光の当たる時間が半分以下になってるじゃないの! あと土も全然ダメ! 下の方に広がる感触がまるでないわ! もう! 魔力を吸って精霊になれ? 魔力を吸うことができるのかしら…… もらった石ころは私のすぐ側にあることはわかるわ…… 魔力を吸えばいいのね? どうやって? 吸うと言えば根っこからでしょうね……  私、がんばって石の周りに根を張らせる。それから吸う…… なんとなく養分が全身に行き渡る感じ。これならこの堅い土にも根を張り巡らせることができるような…… あ。やりすぎた感が…… 急に力が抜けて…… 意識もなくなる………………… 気が付くと暗い…… 暗いと意識がなくなる、と思ったけど、しばらく大丈夫みたいになってた…… そしたら先ほどの続きを……




 そんな生活を何度も繰り返しているうちに、だんだん眩しさが少なくなってきたのを感じるようになった。そう言えば、これから冬になるとか言ってたわね? 上の方で冷たい何かが当たるのを確認したわ。雪? 雪に覆われちゃうの、この辺り? 光が当たらないと生きていけないんじゃないの? 大丈夫かしら? これは頑張って根を延ばしていくしかないわね…… あら、何かが接近しているようね? 


「おい、こんなところに見慣れない植物が生えているが? 」

「あ、本当だな? なんだこれ? 木にしては皮がないな? 新しい草か? 」

「何かに使えるかもしれない。ちょっと切り倒していくか」


え? 切り倒す? そんな! 切らないでよ! そう言えばお爺さんがハードボディというのを使えって言ってたわね。なんだか知らないけど


全身硬化ハードボディ!”


「あれ? なんか今、光らなかったか? 」

「お前も感じたか。変な感じがするな…… 何か切るものはないか? 」

「そんなもの持って見回りには出ないな…… ナイフぐらいしか無いぞ? 」


ああ、まずいことになったわ…… ひょっとして体を固くして無駄に警戒されるより、逆に柔らかくしていつでも刈り取りできますって思われた方がいいのかしら?


全身軟化ソフトボディ全身軟化ソフトボディ全身軟化ソフトボディ!” 


後、私の意識を下の方へ持っていって…… ああ、ナイフで私を削られるのがわかる…… 痛みはないけど…… 覚えてらっしゃい! 仕返しは必ずするから!

♦♦♦♦♦


 何者かは知らないけどそいつらが去っていったあとで、私は頑張って上に伸びようとする……私が竹なら、地下茎のところから別の竹を延ばせるわよね?  がんばれ、私! 私はやればできる子よ! ううううん! PON! あ、でた! 何がって言われても困るけど。 でも、ここだとまた同じことが起きそうなので、どこか別の場所でもPON!できるようにしないと…… 根を延ばさなきゃだわ!


 こうして私はここがどこだかわからないままにあちこちに根を延ばしてPON! していったわ…… 根を延ばしていくと、どうも水が大量に出てくるところがよくあるの…… PONして光を感じるようになったところで魔力も感じないかと思っていたら水のある方向にどうやらたくさんの魔力があるような……反対側は斜面……というか、崖のようになっているわね……どこか平地とは言わないまでも、斜面でもいいから光のあるところを確保しないと…… いつまでも根元に植わっている石の力、魔力って言ってたわね、それに頼りっぱなしはいけないわ……

♢♢♢♢


 あれから何日、いえ、何十日経ったことか…… クソジジイのやつ、一向に来やしねぇ! 魔力を吸えったってもう根元にあった石から何も感じないし! 光は当たるようになってきたけど! あれから自分の性能を知るためにいろいろ試したわ…… どうも笹の葉は部分硬化することで生き物を殺せるみたいね。近くに来た動物に笹の葉を硬化して落としてみたら見事に命中! なんだか魔力を取り込めたみたい。自在、とまではいわないけど葉っぱを飛ばせることができるようになった…… もう何十日経ったかわからないけど、あれからまた私を刈り取っていった奴らが来たわ…… 私が増えたのを見てびっくりしている! 大声出しているわね、ぷぷっ! あの時の恨みはらさでおくべきか! 笹の葉ナイフ! 仕留めそこなったか! ではもう一度! しゅっ! 何人か仕留めそこなった。話をしていたから人なんでしょうね…… 仕留めた奴の魔力を吸収して…… また来そうな感じがするわね。 よし、一気にPON! するわよ! ぽぽぽぽーーーーん!」 あっちにこっちにぽぽぽぽーーーーーん!おや、また何か近づいているわ。今度は声らしきものは聞こえないわ…… 唸っている? イヌ? あら、さっき殺したやつらを食べてるのかしらね? たんとお食べ! 食べたら私のかてになりなさい! 笹の葉ナイフ! ザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュ! あれ? 今度は魔力擦った感じがしないわね? 魔力持ってない動物だったのかしら? あ、また寄ってきたわ! 死体がたくさん増えるとそれにつられて動物が来るのね……笹の葉ナイフ! ザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュ! 今度は魔力吸った感じあるわね。あまり来られても鬱陶しいから半分、ううん、三分の一ぐらい残して後は埋めましょうね。根っこを上の方に持っていって死骸の上にかぶせるようにして、笹の葉を柔らかくして隠しましょう。


 次の日。大勢でやってきたのは人だったわ。最初にやっつけたやつらの仲間ね、きっと。仇討ちと言ったところかしら。もちろん簡単に撃退してあげたわ、おほほほほ!



本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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